2013年11月30日土曜日

最悪の誕生日でもシアワセ❤







今日は綾ちゃん誕生日。




ご病気でお誕生日を迎えるのは初めてです。
(考えれば考えるほど私の人生は幸福だなあ。)



ドクターが(こないだのドクターのお誕生日の時のように)
また二家族でお食事でも行かない?って誘ってくれたんだけど
今の綾ちゃんにはとても無理。




肉•魚•アルコール禁止令が出てるし。(魚は部分的にOK。)
お肉はいずれにせよ食べないけどお魚大好きだし、
何より綾ちゃんは無類の酒好き。
特にね、発砲ものが好きなの。ビールとか、シャンパンとか。
お誕生日につきものの、ゼクト(ドイツ版シャンパン)が飲めない
パーティーなんてえええ!!!








でもとりあえず朝一番にドクターからお花をいただきました。




ね、綺麗でしょ。値札ついてたけど。




帰りがけに、『まだあるんだよ。』って靴下プレゼント
してもらいました。値札ついてたけど。
カードもいただきました。値札どころか封も開けずにまっさらなまま
いただきました。!?


この靴下、びっくりするほど厚地であったか〜い!!



お家に帰ってお誕生会。
これはね、我家の隣町にあるケーキ屋さんで買ってきたんだけど
知る人ぞ知る名店です。
二種類のオレンジクリームをサンドしたケーキ。



そしてノンアルコールシャンパンで乾杯。



ノンアルコールワインとかゼクトって一体何のために
世の中にあるのかさっぱりわからんって思ってたけど
一応納得。家族全員で飲めるし。
下の子はまず〜い!って言ってた。



さて、家族からのプレゼントはまた折りをみてゆっくり紹介しますね。



皆さ〜ん!ありがとう!!






2013年11月29日金曜日

新しい同僚 その二






    その女医さんはうちの病院の通院歴が長くうちのドクターとも
   ものすごく仲がいい。検査をするだけであとは漢方で治すから
   お薬は出さないで、って頼めるんじゃないかな。






    結論から言うとダメだった。2時間待たされてようやく順番が
   来たと思ったら私を一目見て、




        『アトピー!それ以外に考えられない。』




    でおしまい。




        『ここまでひどいとステロイドを処方する以外ない。
        一週間ステロイドを塗って良くなって(!)から
        検査に来てください。それ以外のやり方ではこれ以上
        診察はお断りです。』



    とけんもほろろ。ホントのホント、3分治療だった。




     患部を良く見もしないしサイテー!と思ったが、実はその「サイテー」も
    上げ底でもっと底が後に見えることになる。





     その女医さんの病院は少し遠いので、もはやわざわざ通うメリットが
    何もない。




     いよいよ腕が腫れてしまってから、血液検査と傷口の検査をしに
    職場の近くの病院に行ってみた。ここは若い女医さんで基本は
    やっぱり同じ。一番不満なのは同じく患部をろくすっぽ見ようともしないこと。
    でも何とか説き伏せて現時点で出来る検査はしてもらった。
    ついでに2週間の就業不能証明(ドクターストップ)をもらう羽目になる。
    これをもらったらこの期間働いてはいけない



 

バス停の柱に出来たつららが道路に落ちていました。
現在11℃!

2013年11月28日木曜日

新しい同僚 その一







         綾ちゃんの湿疹は壮絶な経過を辿った。






 正確には未だ現在進行形である。が、とりあえず山場は去った(と思いたい)
と言ってもいいだろう。今もなお、患者としてうちの病院で治療を受けている。






 頼みのドクターも今回の綾ちゃんには四苦八苦している。病気の勢いがものすごくって
あれよあれよと言う間に全身に広がり、熱を持って腕も足も腫れた。とてもじゃないが
仕事どころではなくなってしまった。





 ドクターの処方する煎じ薬が効かないのであれやらこれやらとっかえひっかえ
次々に出してもらった。その際、診察の内容と陰陽五行論からどんな風にして
診断にたどり着くのかを毎回説明してもらったので、それはそれで大変勉強になった。
私はホメオパシー歴の方が長いが、論理にたくさん共通点を見いだして
改めて漢方•中医学に親近感を持ったものだ。そして、「証(しょう、漢方における診断のこと)」を立てていく過程と言うのはミステリアスな、でもとことん論理的な
「推理」の積み重ねなのだと言うことが判って驚きもした。患者さんのどのポイントに
より焦点を当てるかで最終的な答えが違って来るので責任重大なのだ。




 まあ、そんなこんなである意味ものすごく勉強させてもらっているのだが
同時に職場にはものすごい迷惑をかけている。





 最初は西洋医には行かないつもりでいたが、あまりにもものすごくなってしまったので
一応、万一とんでもない病気だったらいけないので、やっぱり皮膚科に行ってきた。







 うちの「患者さん」で皮膚科の女医さんがいる。彼女なら綾ちゃんも知ってるし
とんでもないことにはならないんじゃないだろうか?




          



          黄檗(おうばく、日本ではキハダといいますね)
          健胃整腸薬ですが(ものすごく苦い)抗炎作用もあり
          今回綾ちゃんのお薬に入っていることが多い。



2013年11月27日水曜日

怒ると身体によくないよ。 (九)


          







      今回挙げたお二人の例以外にもこれまで色んな患者さんに
     出会ってきたけれど、少なくとも我々は患者さんと向き合うとき、
     ネガティブな感情や不幸な過去と病気をセットに考える作業を
     基本中の基本にしている。
     出来るだけ(批判せずに)相手のお話を聞いてみる。と、こっちは
     何もしなくても患者さん本人に突然「気づき」が起こることがある。







      漢方•中医学のまっただ中にいるくせにいまだに素人でいる私。
     だけど基本はいつでも同じだと思う。
     患者さんとキチンと向き合ってその方を受け入れる努力をしてみること。
     難しいことは専門家にとりあえずお任せしている私だけれど
     パイロットさんの彼が快方に向かい始めたこと、怒ってばっかりの
     おばあちゃんがやっぱり私たちのことを信頼してくれてるように
     見えること。その確かな一歩の根底にこれまで重ねてきた地道な
     時間があるのだと信じている。





       



2013年11月26日火曜日

怒ると身体に良くないよ。 (八)





        彼は救急隊員のパイロットさんだから職場から
       特殊なプライベート保険をプレミアでつけてもらっている。
       身体第一の仕事だもんね。うちの治療もほぼ全額職場が
       出してくださるそうだ。とりあえず金銭面での不安はない。
       そうはいってもお仕事の合間を縫ってだから
       週に二回から三回位の割合で通って来られただろうか。




   


        通常、うちの先生は腫瘍を手術なしで鍼と漢方薬だけで
       治せるかという質問に対しては、初期の場合、腫瘍が小さい場合
       (だいたい直径3〜4㎝以下)の時には「手術なしでOK」を
       出すのだが、彼の場合は外から見ても直径10㎝くらい、到底
       無茶な大きさなのだが、外科的にも大変きわどい場所にあるらしく
       CTスキャン画像によると咽頭のかなりの部分に食い込んでいて
       手術をすると障害が残る可能性大だと言うのだ。





        だから、どうしても手術なしで何とかしたい。





         かなり必死でいらした。だけど2ヶ月経っても3ヶ月経っても
        何の効果も現れなかった。その代わり綾ちゃんもすっかり
        そのパイロットさんと仲良しになった。一人暮らしなのに
        炊事が苦手で無茶苦茶な食生活であることが判明したので
        (そして幸いエスニック料理が大好きということなので)
        ドクターは彼にせっせとごはんを食べさせた。朝ご飯など
        食べたこともないとおっしゃるので彼が来る日にはまず
        治療前に朝ご飯を食べさせる。綾ちゃんが朝、慌てて
        食べるものを用意したこともあった。お昼はその場で食べさせるか
        何かうちの料理を持って帰らせることまでした。
        ドクターは「これが大切な治療なんだから」とおっしゃった。




         彼が彼の「怒り」について具体例を挙げてくれたことは
        いまだに一度もない。忍耐強い紳士なんだな。




         そして4ヶ月目を過ぎた頃、とうとう朗報が訪れた。
        いつものようにやって来た彼にいつものように綾ちゃんが




         『お加減いかがですか?』




         と尋ねると



         『見てください、判りますか?腫瘍が小さくなったのが!』




         え?え?ええ〜??おおお!!!本当だあ!!
         何と!三分の二くらいになってるう!!
         やったあ!




 






今日の朝の気温は−3℃
道の水たまりはみんな凍っちゃった。
photo by Ayako Y.





夜は雪。我家の風呂場の天窓。
photo by Jiro Y.



おお寒い!

2013年11月25日月曜日

怒ると身体に良くないよ。 (七)







      昔、ホメオパシーの講義を受けた時にも再三講師の先生が
     おっしゃっていたな。怒りは病気を招くって。






   





      そのパイロットさんはとっても穏やかでいい人に見えるんだけど
     どこが(心理的に)まずいのかな?






      彼が言うにはね、特にお仕事の場面で怒ってばっかりなんだって。
     同僚に対して。他人の生命を預かる大切なお仕事なのにいい加減な
     準備しか出来ない人だとか、まあこのくらいでいいさ、っていう
     スタッフだとか、目先の利益しか考えない会社の上司だとか
     出世競争の中に巻き込まれることだとか。






      先に書いたグットさんのおばあちゃんなんかは怒りを放出しまくって
     そっちに全てのエネルギーを集中しちゃってるタイプだけど
     このパイロットさんは真逆。
     溜め込みすぎて怒りの行き場がなくって「気」が妙なところに
     滞っちゃってるのかな。「負」のエネルギーとして。





      そういえば彼は40歳くらいなんだけど独身で恋人もいない。
     勝手な想像だけど、私くらいの距離感なら上手く付き合えても
     すごく親密になると許せないことがいっぱい出て来るのかも。
     だって彼は(よくある「ザ!ドイツ人」の典型で)びっくりするくらい
     真面目なんだもん。プライベートで相手にもそういうのを要求する
     タイプなんじゃないかな。





              

子供の頃 ブラックジャックの「人面瘡(じんめんそう)」
を読んでショックを受けたのを覚えています。
このお話に出て来る人面瘡は患者さんの「良心」の現れだったんですよね。




2013年11月24日日曜日

怒ると身体に良くないよ。 (六)








          グッドさん(仮名)がうちに通って来られたのは
         もう半年ほど前のことなんだけど、先週、ふいに
         彼女から電話がありまた通院なさることになった。
         もう二度と来ないと思っていたんだけだね。




          ということは怒ってばかりの彼女の病院通いにも
         何らかの良い作用が働いていたってことなのかな。







           彼女は必要以上に怒りを露わにするタイプだったけど
          必ずしもそういうタイプばかりとは限らない。
          






           今、通ってらっしゃる男の患者さんで良性の咽頭腫瘍の
          患者さんがいらっしゃる。職業はパイロット。しかも
          救命救急の!!ほとんどヘリコプターが専門らしい。
          かっこいい!とはた目には思われるけど、大変なお仕事に
          違いない。とっても気さくな紳士。綾ちゃんは仲良し。





           彼の腫瘍はびっくりするほど大きい。
          こぶとりじいさんのこぶが一回取れて、そのあと
          間違ってのど元についちゃったんじゃないかって
          思っちゃうほど。



           彼が言うにはね



        『私のこのコブは、私が怒りを感じる度に少しずつ大きく
        なっていったんです。普通のお医者さんに言っても取り合って
        もらえないけど本当にそう感じるんです。』




           ということらしい。




         


高嶋ちさこさんも大変気性が荒いそうですね。

2013年11月23日土曜日

怒ると身体によくないよ。 (五)

            





       そのおばあさんは元大学教授夫人でご本人も歴史学の学位を
      お持ちのインテリジェント 、、、のはずだ。
      決して野蛮で野非な環境の人ではない、、、と思うんだけどね。





           もちろん、周りの患者さんたちも凍りついてドン引き状態で固まってしまった。
          私も彼女に刺激を与えるのはいかんだろうと判断して彼女に話しかけるのは
   断念して他の患者さんたちを避難させることに専念した。





                         ・   ・   ・   ・    ・    ・




             彼女は通算でそれでも十回くらいは通ってきただろうか。
            毎回毎回色んなことで怒っていた。




       綾ちゃんは三回目で指圧施術を降ろされた。彼女の病気が良くならないのは
私の指圧がマズイせいだとダメ出しされたからだ。それも一理あるかなと思って
ドクターにお任せしていたが(綾ちゃんは仕事がラクになるので神妙な顔をしつつ
面倒くさい患者さんのケアから外れて実はちょっとホッとしていた。ホントは
いけないけどね。こんな考え方は。) やっぱりまるきり状況は変わらない。



            そのうち、病気が良くならないのにこの請求書の額は何事だと
  我々を罵倒するようになった。




            気持ちはわからんでもないが、それは社会のルールだよ。お医者さんは
  治癒の約束はしない決まりなんだ。




          だけど、本当に本当に不満で私達のことが嫌ならもう来なければいいのに
 やっぱり通ってきてらっしゃる訳だから何かしら引き留めるものがあるって
 ことなのかな?思いっきり怒りをぶつける相手が必要でそうすることで
 発散しているのかな?うちのドクターは良くそういう風におっしゃるんだよね。
 それが治癒の過程だって。



 

         んで、そのあと彼女はぱったり来なくなった。




   

今朝、とっても寒い道路に鳩が胸元を膨らませて休んでいました。
マンホールの上って暖かいのかな?




2013年11月22日金曜日

怒ると身体によくないよ。 (四)

              






                          『グッドさん(そう、彼女の名前は「善人」なのだ。仮名だけどね。
      本名も限りなく近い言葉です) 、今日は地下鉄のトラブルで
      大変でしたね。まずはちょっとお茶でもどうぞ。落ち着きますよ。』






         グッドさんはろくすっぽ返事もせず机を睨み付けている。すこおし放って
 おいたほうがいいのかなっと思って遠くから彼女の様子を伺っていると、
やにわに彼女はこぶしを振り上げ、待ち合い室のテーブルをドンドンと叩きはじめた。




                    『くそお! くそお! こんちくしょう!』





   ちょっと、ちょっと、こりゃあ、ただ事じゃあないでしょう。
 綾ちゃん慌ててグッドさんのところに駆けつけた。
    



             『どうなさいましたか? 何かおありになったんですか?』




                 『くそお! 悪いのはあたしじゃないんだ。
       あの、あの、地下鉄なんだ。あたしは遅刻なんてする
       はずじゃなかったんだ。地下鉄のばか野郎!
        あいつらのお陰で遅刻してしまったじゃないか。
       まるであたしが悪いみたいじゃないか。
       今日の一日の予定が全部狂ったじゃないか。』





          グッドさんはやっぱり綾ちゃんなんて無視して大声でどなりながら
  机にこぶしをぶつけ続けていた。





うちで使っている朝鮮人参
中身も今度紹介します。



2013年11月21日木曜日

怒ると身体によくないよ。 (三)






 
                 その日は朝からミュンヘンの地下鉄で停電騒ぎが起こり、
             市内の交通網は混乱を極めた。



 
                   その混乱の中、ひとり綾ちゃんは二時間ほど何食わぬ顔で自分の仕事を
      黙々とこなしていた。郊外電車通勤の綾ちゃんは市内のドタバタとは
      無縁で、この日は時間に余裕を持って家を出たので乗り継ぎの地下鉄も
              その時点では動いていたのだ。





                         ドクターは来ない。患者もいない。
          ただそれぞれ色んな人から電話はかかってくる。




                        『○○の駅で立ち往生しています!』

とか

             
              『代替バスに乗ったらものすごく遠回りで・・・』



とかね。だから綾ちゃんはそれぞれに電話口で



                      『まあ、それは大変。うちは大丈夫ですからね。
         お怪我なさらないように。慌てなくて結構ですよ。
             後ほどお会いしましょう。』



なあんて受け答えをしていた。




            こんな日は後から患者さんがいっぺんにどどんと押し寄せて来て、
   戦争状態に陥ることはわかっている訳だから及ばずながらも少しでも先の
   準備をしておこうと、とたとた仕事をしておった訳です。



               するとだんだんと、来た来た!一人、また一人と順不同でゴールイン!
   おお、その中にはドクターのお姿もあるじゃあないか。
   よっしゃあ。いっちょう、頑張ろう!





          患者さんは皆、口々に

                     『本当に申し訳ありません。』

                        『ご迷惑おかけしまして。』



と 謝って下さるので恐縮だ。よくものの本に「ドイツ人は絶対謝らない」とか
書いてあるけど、それは裁判に発展したりする責任を問われるシチュエーションなどの
話で、今みたいな礼儀を問われる場ではみんなびっくりするほど何度も何度も謝るよ。
悪いのは地下鉄の営団だか電力会社か知らないけど、とにかく患者さんじゃあ
ないのにね。


           とにかく皆さん、ゆっくり落ち着いてお茶でもどうぞ、なんてやってたら、
「あの」おばあさんが現れた。ああ、ああ、もう、顔が怒ってるよ。おもいっきり。



                        さて、綾ちゃんどうしよう?





イザール川の風景

photo by Jiro Y.

2013年11月20日水曜日

怒ると身体によくないよ。 (二)


          



       これまで毎日、色んな患者さんに出会ってきたおかげで、
      最近は「ああ、この人、(治療が)続かないだろうな。」
      という人はある程度予測できるようになった。
           




      怒っている人。それも訳のわからないことに腹を立てている人。
      小さなことにしょっちゅう文句を言っている人は心の防波堤が
      高すぎて、こちらがとっかかりをつける前に去ってしまう。




        まあ、うちのドクターは他人の心を掴むのがものすごく上手だと思うけど、
それでもネガティブ思考の人というのはこちらに付け入る隙を与えぬ素早さで
粗探しをしちゃうから全く油断も隙もあったもんじゃない。



                   例えばこの間こんなことがあった。
           でも今日は眠いから(!)また明日。






TESLAって自動車知ってます?



コンサート会場の入り口にでんと2台置いてあった。




なあんか、中すごおい。





正面にエンジンないよ。







試乗させてもらいました。赤いのは綾ちゃんのコートです。



photo by Jiro Y.






2013年11月19日火曜日

怒ると身体によくないよ。 (一)







                                       ドイツ人ってとにかく真面目だ。
          




              よくマンガやお話に登場する「ザ!ドイツ人!」みたいな人ってホントにいる。
          そこらじゅうにうじゃうじゃ存在しているし決して我々の期待を裏切らない
         くそ真面目さだ。



   
               時間には正確、冗談は通じない( これはそうでもないか、ウイットに
           富んだ人はたくさんいるね )、四角四面で融通が利かない。
          ドイツの高速道路を一度見ればすぐに納得いくと思う。速度規制はまず守るし
          交通法規を遵守するという意味では世界一なんじゃないかな。
          





                        だからドイツ人は大抵どの階層の人でも信用できるケースが多い。
              なんだか妙なことが起こってあれあれ?っと変なゴタゴタが起こってるなと
              ようく見てみたら当事者は外国人だったというケースも多い。
              あくまで概論だけどね。




                         でも、このくそ真面目さが仇を呼ぶのか秋も過ぎると
               いっぺんに「鬱」の人たちが増える。日本よりずっと日照時間が少ないのが
               大きな要因らしいけどね。





                         そしてこれまたなぜか、みんなよく怒るんだ、これが。
         

                                                             絶対身体によくないよ。
 

昨日のコンサートのあと、子供とママ友達とごはんに行きました。





ずばりピザハット!!
ジャンクフードチェーンの中でもここは許せる。




子供のお気に入りはバーベキューラヴァーズ
耳にチーズが入ってるヤツね。ソースが甘口でお子様向き。



綾ちゃんはルッコラサラダ
バルサミコソースが美味でした。



でもね、なぜか我々のテーブルの真上にはこの札がかかっていて
ちょっと微妙。トイレはここじゃないんですけど。



ごちそうさまでした!





2013年11月18日月曜日

マチネ(コンサート)に行って来ました!


              




           先日このブログでもお知らせしました
        ヤンケ姉妹のヴァイオリンコンサートに行って来ました。




             ガスタイクの小ホールです。






         うら若き美人姉妹。お若いのに正統派、そして本格派のお二人です。









 コンサートはもちろん素晴らしかったのですが、今回、綾ちゃんは全曲知らない曲ばかりだったのでちょっぴり余裕がなかったです。音楽に詳しくない綾ちゃんはいつもは必ず
予習してから行くのですが、今日は下準備無しだったのでちょっと反省(’-’*)♪です。



      


      
        ベートーベンのソナタとフランクが特に印象に残ってます。





               ヤンケ有紀さん




               お花も渡してきました。






                   

2013年11月17日日曜日

ごきぶりだあい!







            ワタシはトーシロだ。





 もちろん、漢方•中医学の話だ。勤続一年半といっても本当にまっさらな
予備知識ゼロの状態で始めたので、ここまで、何とか目の前の仕事をこなすのに
必死。家庭との両立でゼイゼイ。系統だった勉強に全然結びついてない。




     ので、きっとキチンとお勉強してる人には当たり前のことでも
    いちいちびっくりしてしまう。





        んでね、またしても、そういうことがあった訳。





             見て、これ • • • わかる?




           




来たよ、この日が。こないだ薬品庫でとうとう見つけちゃったよ。




まさかと思ったけどやっぱりこれ、「あれ」らしい。
地鼈虫(じべつちゅう、と読むらしい)という名の生薬
その正体は • • • シナゴキブリ、つまり中国ゴキブリさんだそうです。
シナゴキブリはサツマゴキブリの仲間だそうで
つまり、どんな言い訳も通用しないああ、私たちの知る「あの」
ゴキブリさんとほぼ同じもののようですね。



簡単にいうと骨折のお薬らしいです。
そうね。生命力強いし、、、。



これから間違っても骨折だけは避けねば。




2013年11月16日土曜日

未確認移動物体 in 冷蔵庫 その三

           





              家に帰って子供にビニール星人、
           もとい活き蟹の話をしたらめっぽうウケた。
               





       『もう、そのためにこそ新しい携帯(SONY XPERIA  T= 写真などの
       画像機能が特に優れている、、、らしい)買ったんだから
       こういう時こそその映像を押さえてこなきゃ。』





   と怒られた。言われてみればおっしゃるとおり。写真じゃ何がなんだかわかんない
だろうけど動画ならこの気持ち悪さ、変なさ加減かげんを伝えられるかも。




    私が帰る前に冷蔵庫の中をもう一度覗いてみたときは、そういたいた!
うにうにビニールの中でくねっていたから(正確には丼に入れられてそれを
スーパーのビニール袋で縛ってあった。)きっと明日朝一番に病院に行けば撮影出来る♪







      そこで綾ちゃんはりきって翌朝いつもよりひとつ早い電車に乗って出勤した。




      台所へダッシュしてそのまま冷蔵庫へ~!! っと、あれ?無い!いない!いなく
なっちゃった。っというか、そうか、昨日のうちに食べられちゃったんだ。
残念だなー!正体が分かってればもう怖くないのに。




     と、いうことで衝撃画像は撮れませんでした。




     カニさん、心安らかに成仏してください。




           


やっぱこれ。
今回のカニは丼に入るくらいだから小ぶりでした。







2013年11月15日金曜日

未確認移動物体 in 冷蔵庫 その二







        ここに勤め始めて1年半とちょっと。







 もう何度目になるんだろう?訳のわからんものに出くわして奇声を発したのは。
今、目の前の冷蔵庫の中には「何か」がいる。「活きた何か」だ。
誰が?何のために?薬にでもするのか?もしかしてペット?縦に横にもぞもぞ
してたから魚ってことはないな。




 今、ちょうどお昼休みでここには私しかいない。誰かに訊く訳にも行かず
立ち尽くす私。何だか地球上であの「ビニール星人」と私とたった二人きり
取り残された気分。




       いやいやそうじゃない。とりあえずは場面転換が必要。





 そう判断した私はとりあえず冷蔵庫を再度開けることは止め、着替えたり
後片付けをしながら昼休みが終わるのを待った。





 そうこうするうちにお昼休みが終わりドクターとお手伝い(最近雇われた
中国人の女性。片言しかドイツ語が出来ない。主に台所業務を担当。)の
メイさん(仮名)がおしゃべりしながら私のところにやって来た。




ドクター     『吉岡さん、日本人の人はカニって食べるの?
         僕たちはカニのスープなんて大好物なんだけど
         吉岡さんは好き?』



私        『ええ、私は大好きです。日本では冬になるとよく
         お鍋にしたりして食べますよ。カニのお出汁って美味しい
         ですよね。』



ドクター     『実はね、メイさんが今日、東駅の鮮魚市場で生きたカニを
         買ってきてくれたんだ。もしよかったら吉岡さんもひとつ
         お家にもって帰る?』



私、       『(ううん、と考え)子供が喜ぶとは思えないですからね。
         私も今、湿疹の治療中で魚介類を避けているとこなので
         また今度にします。残念だけど。』





        あれ? あれあれあれ?あれれ?もしかして?
        さっきのビニール星人の正体って??これ?




ドクター      『じゃあ、せっかくだからどんなのか見ていってよ。
          (メイさんに向かって中国語で)メイさん!吉岡さんに
          カニを見せてあげて!』




 ドクターはカニをゲットしたことがやたら嬉しかったらしくメイさんに件の
カニを取って来させた。メイさんは器用にカニを甲羅のところで持ち上げて
私に見せにきてくれた。





 余命幾ばくもないその小さな生き物は、逃れられないおのれの運命を悟ったかの
ごとく、それでも「いやあん。」と言わんばかりの雰囲気で四肢(っていうか
八肢?)をゆっくりとうねらせていた。







           



私がつい想像してしまったビニール袋の中身の
「ビニール星人」はバルタン星人風(?)
だったので結論から言うとあまり変わりなかったかも?

2013年11月13日水曜日

未確認移動物体 in 冷蔵庫 その一


 
   


           ある日のこと、職場のキッチンで冷蔵庫を開けた。
       明日の分の煎じ薬(綾ちゃんは現在湿疹の治療中。)を
       ビンに詰めて冷蔵庫に保管しておこうと思ったのだ。




       大型冷蔵庫には色んなものが一杯詰まっている。さすが病院!と感心するようなもの。例えば熱冷まし用のクーラーパックがどどんと積んであったりとか。
おお、中医学!と見とれてしまうようなものとか。例えば(様々な事情で薬を煎じることが
できない患者さんのために煎じておいた)漢方薬。それからお薬の材料。
あとは食材!食材!さすが中国人!!ずらりと並ぶ中華食材!ドイツの普通のスーパー
マーケットではお目にかかれない様なお野菜やらソースとか。




 どこに置いておこうかとぐるっと冷蔵庫を見渡し空いた場所を探す。と、
一番下の段にビニールが置いてあって全体に余裕を持ってぽつりと収まって
らっしゃる。うん、このビニールさんに少し詰めてもらおう。そう思って
その場所に狙いを付けた。するとどこからか、





          パリパリパリ • • •





と音がする。あれ?綾ちゃん、今、台所にたった一人だよね。音の出所がわからず
ぐるりと周囲を見回した。変なの、って気のせいということにしてしまおうかとした
瞬間、




          バリバリガサガサ • • •





ひゃあああああああ!!!!こ、この、ビニール袋、い、生きてるううう!!!!





 音の出所は冷蔵庫に置かれたそのビニール袋だった。しかもあろうことか
う、動いてる!!




           反射的に冷蔵庫のドアを閉めた。 



 必死に理性を呼び覚ます。一体なんだ、何が起こったんだ。ビニール袋の
大きさと動き方、冷蔵庫の温度、、、一体何が考えられるだろう?






            大した大きさじゃあ無かった。
       小さめのどんぶり一皿分くらいの大きさだったよ。






             一体何?




           




車窓の風景
photo by Jiro Y.

2013年11月11日月曜日

赤ちゃんが欲しい! その五






     『中国伝統医療というものがこれほどに身体だけではなく
     心にまで影響を及ぼすものだと知って心から驚きました。
     ドクター、スタッフの皆さん、本当に本当にありがとう。』





ふいにアンさん(仮名)の口からこんな言葉がこぼれたのは治療を
開始してから3ヶ月を過ぎた頃だった。




 私はこの彼女の件に関しては、何の変化も訪れないし、ましてや妊娠の
兆候などまるきりないからそろそろお辛くなってらっしゃるんじゃないかと
心痛めていた頃だった。



 けれどうちでの不妊治療を始めてからと言うもの、どんどん体調が良くなっていく。
生理痛や生理不順なんて病気のうちじゃないなんて世間では言われているから
そんなものだと思っていたし自分の体調が悪くても寝込むほどでなければ
病気とは言えない、ただ自分はちょっと不運な体質なんだとと思っていた。
ここに来てから、そういう一つ一つのことがとても大事だと教わって
最初は半信半疑だったけれど、やがて身体が軽く感じられるにつれ、
心も同時に癒されていくのがわかった。
小さい頃からの想い出、傷ついたり悔しかったり他人を妬んだりした自分が
不意に思い起こされ、それをもう一人の私が温かい目で見守っている。
そんな風に自分を癒し赦す体験をしたというのだ。





      でも、問題の子宮内膜症の方はどうなったんだろう?




    『きっと快方に向かっていると思うんです。でももう検査はしません。
    この検査は麻酔を使って行われる内視鏡検査なので身体への負担が
    大きいんです。せっかくここまで良くなった身体を傷つけたくありませんし。』





 なるほどねえ。そうだったんだ。この患者さんは内膜症診断のあとすぐに
掻爬(そうは)手術(子宮内のお掃除のようなもの。子宮内面を傷つける。)を
行っているからその時の身体の負担は大きかったはず。





        ニンシン、という「結果」が必ずしも伴わなくても
       こんな「治り方」もあるんだ。





        よし、心もポジティブになって言うことなし!
        ゴールはもう、見え始めた、そう信じているよ。




         

桂皮ってシナモンのこと。
これも婦人科系の代表的な生薬。
お茶に入れて飲むと暖まります。

2013年11月10日日曜日

赤ちゃんが欲しい! その四





ドイツでは思春期を過ぎた女の子が婦人科を訪れて
ピルを処方してもらうのは当たり前の事。




そんなのっておかしい、って思いませんか?





そうして結婚適齢期を迎え赤ちゃんが欲しくなる頃には
様々な障害が現れるけれど普通のお医者さんはこれをピルの
副作用だとはまず言わない。




結婚して5年経っても一向に赤ちゃんが来る気配がない。
そんなアンさん(仮名)は不妊検査のため産婦人科で検査を行った。
そして子宮内膜症の診断が下る。




人工授精を行う事を考えてお金を貯めた。
だけどその前にもしも自然妊娠が叶うならばと
うちの病院を訪れた。




『一回の鍼で赤ちゃんがやって来るなんて訳にはいきません。
漢方薬も大切ですし時間がかかるからある程度予算もかかりますよ。』




という私の説明に



『でも、それって何百ユーロとか千ユーロとかの話でしょ?
人工授精の費用に比べたら微々たるものですもの。
自然妊娠出来る可能性があるのならまるきりお安いものです。
構いません。そのくらいの出費は。』




とおしゃった。





そうか。ドイツでは3回のトライまで(最近法律が変わって州によっては
もっと多くの回数)半額保険負担されるんだ。半額と言ってもかなりの額になる。
高い高いと思ってたうちの治療費もあくまで相対的。
この真剣さにこちらも本気で向き合わなくっちゃ。




まずは女性の(ご主人も一緒に治療を受けてもらえればベスト)
体調を良くする事から始めるんだけど
とにかく基本は暖める、暖める。
身体に冷たいところがあってはならない。




よし、じゃあスタート。











今年も共同購入で冬瓜を買いました。
スープにするととっても美味しい。
身体を温めます。

photo by Ayako Y.



2013年11月9日土曜日

赤ちゃんが欲しい! その三






        事の起こりはあの美容師さんだった。





 2年前だから綾ちゃんはお勤めを始める前で彼女の事を全然知らない。
とにかく彼女は不妊治療でうちの病院を訪れ、半年の治療の後
めでたく自然懐妊!もう、嬉しくって嬉しくって子供を産んで
職場復帰したあと(つまり最近だ)自分のお客さんにうちのドクターの
宣伝をするする。それで一気に最近不妊治療の患者さんが多くなった、
という訳だ。


 そのたくさんの患者さんのなかでも • • •


 上手くいくケースもあれば途中リタイアのケースもごまんとある。




 一回鍼を打って漢方薬を飲んだら妊娠しましたなんて魔法の様な事は
普通起こらないから不妊治療は最初から長期戦とわかっている。





     心と身体とあと予算。どんな風にケアして行くかが勝負なのだ。




       


食養は漢方ではとっても大事な事だけど
女性系では特にすごく大切。





  

2013年11月8日金曜日

赤ちゃんが欲しい! その二






      『ああ、吉岡さん、おはようございます。
             今日は予約のキャンセルでお電話したんです。
      ドクターにお伝え願いますか?実はIVFの結果が
      出たんですけど上手くいかなくってなんだか
      精神的に辛くなってしまったんです。
      今は治療も何もかもとても負担に思えて
      そちらに伺うのを12月まで休憩させてもらおうと思って。
      勝手を申し上げてすみません。
      くれぐれもよろしくお伝えください。』





 彼女はミュンヒェン郊外の町に住む小児科の女医さん。勤務医なので
夜勤があったり大変なお仕事だけどなんとか時間をやりくりして
うちに通ってらっしゃる。ふうん、そうだったんだ。綾ちゃんは知らなかった。
彼女、体外受精に踏み切ったんだ。



 35歳の彼女はふわっとした綿菓子で出来てるんじゃないかと思わせる様な
可愛らしい方。きっと子供好きにちがいない。毎日職場で子供たちと接して
ご自分が母になる日を夢見てらっしゃる。



 ドクターが治療室から出てらしたから彼女から電話があった旨伝えると
ドクター、突然身を乗り出して、




        『で、どうだったって?上手くいったって?』






と訊くから、さっきの内容を伝えると、




         『ああ、なんてこった、可哀想に。可哀想に。』





と何度もつぶやいておられた。うちのドクターは基本的には体外受精には
反対でいらっしゃる。身体も心も負担が大きいから。一回ごとに
白黒つくって言うのもダメだった時のショックも並大抵ではないようだ。
でも不妊治療の方は思い詰めてらっしゃる方が多い。
出来る限りの事はもちろんしてもいい。だけどこんな時は周囲もやりきれない。
ストレスは 女性の体調にも悪影響を及ぼすから悪循環に陥らないように。




  まずはゆっくり休養なさってくださいね。




           


例えば紅花は女性系の不調によく使われる生薬です。

2013年11月7日木曜日

赤ちゃんが欲しい! その一

               



           この病院でたくさんの女性に出会ってきた。
           こんなに多くの人たちが同じ望みを抱きながら
           叶えられずにいるということに驚きを隠せない。
              





              赤ちゃんが欲しい!
   




  普通に結婚したらあれよあれよという間に二人の子供に恵まれた私は
この種の悩みについて思いを馳せたことなどなかった。どっちかというと私は
子供が苦手でママになるなんてそもそも無茶なんじゃあないかと恐れていたくらいだ。
        





    案ずるより産むが安しという言葉はもちろん字義どおり、お産の心配は
するだけ無駄って意味だけど、お産の経験のある人は誰しもこの言葉を
身をもって識っているはずだ。
         




     誰だってママになれるしママになるのはそんなに難しいことじゃない。


   もし私達が子供に恵まなかったならばどんな風に感じただろうか?
         



    私は子供がいてもいなくてもやっぱり幸せだったんじゃないかなって
ぼんやり思っているのだけれど、どうだろう?






          それとも何か辛いことが起こった時に 「 それもこれも全ては子供を
授からなかったせいだわ」、とか思う日が来たかしら。人生の起こらなかった
もうひとつの可能性を追求したって無意味なのはわかってる。ひとつ言えるのは、
これまでの人生で何か悩み事が出来たとき、ああ、それもこれも全ては子供を
産んでしまったからだわ、なあんて後悔したことがないのは事実だし、
これからもあり得ない。
     



     私はきっと子供に恵まれなくても幸せに暮らしていけたと思う。
だけど一度子供を授かったらもう子供のいない人生は考えられないし子供の
いない人生に戻ることも考えられない。(なあんて言いながら子供が独立した後の
老後の人生をほくほく夢見たりはしてるけどね。)



          そんな人生の混沌の中に身を置きたいと思う女性がうちの病院には
たくさんいるのだ。





           

ママになるってことは
みのもんたさんの苦しみが他人事ではないって
思えるようになるってこと、だと思う。

2013年11月6日水曜日

コンサートのお知らせ





         ミュンヒェン近郊の方にお知らせ




 来る11月17日(日)11時より
            ガスタイク 小ホール(Kleiner Konzertsaal)にて



           ヤンケ有紀さん(ヴァイオリン)
              歩さん (ピアノ)

のコンサートが行われます。


詳しい情報
http://www.gasteig.de/veranstaltungen-und-tickets/veranstaltungen/matin-e-mit-yuki-manuela-und-ayumi-janke.html,v25992



        お誘い合わせの上皆様ご来場くださいませ。





 尚、どうでもいい事ですが綾ちゃんはドクターご夫妻を誘って行くつもりです。
綾ちゃんの近くに「アヤしい」中国人を見かけたら、どうぞそっとしておいて
くださいね。☺️








2013年11月5日火曜日

日本人だとごめんなさい??!?






       ドクターのお嬢さんは小学生の頃、他人に対して





              『私、日本人の子なのよ。』
           


と吹聴して回っていたそうだ。これって由々しき事だと私は思うけど。
子供ながらに自己のルーツを否定してるってことだもんね。
自分のお家が貧しいのを隠してお金持ちの子のふりして見栄を張るような
もんなのかな?そのバックには国力、文化、政治、経済、etc、様々な
条件が相対的に「人種」の偏見を養っていくという空気が見え隠れする。




 そうやって人々の心の中に人種や国に対する想いが育まれていくんだろう。






 病院を訪れるドイツの人たち(主に患者さんだけど)を見ていて共通しているのは
中国四千年の歴史、つまり過去の偉大なる中国文明に文句なしの敬意を払いながらも
現代中国を野蛮人の国と見なしその政治に批判的でいると言う事だ。(みんな、
ドクターに直接言わないで私に言うんだよね、これが。)





 あれれ?でも、この姿勢って一般的な日本人のそれと大差ないよね。




 日本から中国の文化を引いちゃったらぺしゃんこになっちゃうくらい
日本文化の多くの部分は中国に由来している。そんなこと誰でも知っている。
漢方もそうだけれど、中国由来の文化が土台になって日本人は日本の風土、
気候に合わせて独自の文化を花開かせていく。




 戦争があったり国境の問題があったりしてそれぞれに現実問題として
苦々しい思いをしている人もたくさんいると思うけれど
中国の文化を否定したり蔑んだりする人はいないんじゃないかな?





 私もドイツに住んで20年。出来るだけまっさらな目でものを見ようと
努力してきたつもりなんだけれど人種やお国柄のキャラクターというのは
もちろん存在する。世の中は偏見だらけだし、私もきっと色んな偏見の色に
染まってしまったと思う。そして、日本はヨーロッパ内では微妙な位置にあって
それなりの地位を築きつつ同時に蔑まれもしている。そして人々の心の中で
日本が中国と比して相対的に「格上」にランクされている事は紛れもない事実のようだ。







           まあ、私は




    今日も明るく楽しくそんなの全部棚上げにして働いている。



 人と人との一つ一つのつながりはどこまでも個人的なものだもんね。
私は少なくてもここに自分の居場所があってとっても居心地よくって
皆と仲良くやっている。そんな風なつき合い方が人々の偏見に対する
大切な対処の仕方だと思っています。





          
梯剛之とランランがドイツのピアノコンクールでクロスオーバー、
互いへの尊敬と友情を育んだエピソードを知っていますか?






2013年11月4日月曜日

日本人だとごめんなさい?!??







       意外な方面から別のパンチがやって来た。






 そこは病院だったがうちの職場とは何の関係もない普通の内科医。
私の住む町は小さな田舎町。ここに一軒だけ開業しているお医者さん。
大先生はずいぶんなお年のおじいちゃん先生。小さいなりにも一族経営で
(一家経営というべき?)お子さんたちもみんなお医者さん(?)のようだ。
ある証明書が必要でとりあえず近所にあるその病院に行ってみた。




 
 ら、大先生(うちのドクターの倍くらいのメタボ腹だった)、私の名前を見て



大先生  『ほほう、うちの町に日本人が住んどったのか。
     ご結婚はなさっておるのですか?』



 といきなり世間話から始まり、




私     『ハイ。』




大先生  『ご主人はドイツ人かね、日本人かね。』
    



私    『日本人です。』
     (おじいちゃん先生だからセクハラとか人権侵害とかアタマに無い。
      いいなあ、のんびりしてて。)


大先生   『子供もいるんだろう?男の子かね?』





私     『ハイ。』




大先生    『だったら子供の名前は「太郎」で決まりだな。』









 は?なんでこの人知ってんの?しょ、初対面だったよね。同じ町で近所に
住んでるったって。うちの長男はミュンヒェンの高校に通ってるから
ほとんどこの町の人とコンタクトが無い。地元の学校に通ってる二男なら
ともかく、いきなり長男の名前を言い当てるなんてどういうこと?




私       『そのとおり、ですけどどうしてご存知なんですか?』





大先生      『何だって?あなたのお子さんのお名前は本当に太郎なんですか?
         こりゃあまいった。実はうちの長男の嫁が日本人でね、
         セツコさんっていうんだ、ドイツには住んでないけどね。
         で、孫の名前は太郎っていうのさ。いやあ、まいった。日本人は
         男の子が生まれたら本当に太郎って名前を付けるんだ!』






 ちがうって!ただの偶然だって!ものすごい偶然だけどね。そしてさらに、





大先生       『ボクはこの保険証があるからあなたの名前を見て
          日本人だってわかるけど、そうじゃなきゃ日本人か
          中国人か区別がつかないよね。でも、日本人は中国人と
          間違われると怒るんだ、そうだろう?』




と、おもむろに直球を放った。あはははは、と笑ってその場は済ませたけど
きっとこれはセツコさんがおじいちゃん先生に教えた知恵なのだろう。





 こちらに住んでいると電車の中とかでよく、こちらを見てにやにやしながら



      『ニーハオ、ニーハオ!』




とつり目の真似してからかわれる事があるからやっぱり中国人ってのは
差別、侮蔑の対象としてみられてるのは本当なんだな。





           

            

明らかにキムタクを意識したユンディ リー(右)
これほどイケメンの実力派ピアニストもそうはいない。