2020年4月29日水曜日

心を削(そ)ぐもの


           綾ちゃんだって落ち込むことがある。




            今こそ学ぼう!今学ぼう!



          これを言ったのは綾ちゃん本人。嘘じゃない。

       現在細々とオンラインレッスンを行ってる綾ちゃん。
       こんな時にも首(こうべ)を高く上げて「学ぶ」姿勢を
       忘れない生徒さんの伸びは目覚しい。普段の時より
       効率よく上達しているとさえ思う。全員が全員だ。
       エラそうな顔してレッスンしながらドイツ語を教えながら
       ああ、教えられているのは綾ちゃんの方だといつにも増して思う。
       時間の使い方を問われる今日この頃だ。



         ああだけど、自分の弱さと戦う日々でもある。


       普段、目前の課題に追われるように忙しく過ごしている時には
       こんなこともやりたい、あんな勉強もしたい、準備もしたい。
       主婦として母として、ドイツ語教師として医療通訳として、、、。
       それなのに。アタマと身体が分離して久しい日々を過ごしている。



       まるで戦時中のように家に立てこもり生活の術を思い悩む。
       家から一歩外に出れば毒ガスに合うかのごとくマスクと手袋。


              怠惰は弱さなんだろうか?
         自分の心から力と勇気を削いでいくものの正体と
         キチンと向き合うべきなんだろうか?


                やめておこう。
        正しく向き合うと結局自分を責めてしまうような気がする。
        そしてきっと自分をもっと弱らせてしまうことになる。



        こんな日は日本が恋しくなるような歌でも聞いてみよう。
             少しは自分を甘やかしてみよう。




          打ち上げ花火も海もプールも全てが懐かしい。
        

       

2020年4月23日木曜日

やってみた



ううう、、うわあああ!!


マイナス!マイナス!!綾ちゃんの銀行残高が一気にマイナスうううう!


新型コロナ武漢肺炎騒動の影響がダイレクトに来た。
大慌てで貯蓄の一部を補填。げほっ、うえっぷ。


そりゃそうだ。
毎日朝から晩まで飛び回って(遊んでもいたが)いた綾ちゃんが
ずーっと家にいるのだもの。今時、誰だって同じ状況。

現在、綾ちゃんのお仕事量は以前の1/5以下。
お家でぬくぬくオンラインレッスン。


日本のメディアでは、欧米の緊急財政対策はウン兆ドル・ユーロで大盤振る舞い、
それに比べてニッポンは!、、、なーんてやってる。


でもこっちの報道だとドイツの救済策は実際の該当者が制限されていて
大したことない、なんて話も聞こえてくる。


あたしゃあ、いいよ。ドイツ国にお世話になってる身だし、、、
お役所に書類なんて確定申告だけで目が回っているのに
ぜーったい解読不能のペーパーの山と格闘なんて冗談じゃない!
、、、と、思っていたのだけれど。


背に腹はかえられぬ。


やってみるか。
綾ちゃんは教師業&通訳で事業者登録している小規模事業者だ。
おそらく今回のドイツ政府オファーの給付金対象者のはず。


 ググってみた。Soforthilfe Corona(即時救済)


こんな感じでスタートすると記載事項が出てくる。
(このブログは記載指南書のページではありません。悪しからずご了承ください。)



意外にカンタン。就業者数と労働時間 etc。



メルアド経由で本人確認パスワードが送られてくる。
あっけらかんとするほど簡単に申請が終了した。
メールで申請証明がソッコーやって来た。


要点は大きく3つ。
①給付金希望額は(限度アリ。綾ちゃんの枠だと最大9000ユーロ)
「純粋に」今回のコロナ騒動での損失分でなければならない。
つまり給付希望額を自分で算出するワケだ。       
     さしあたって根拠となる証明書は不要。場合によってはのちに提示義務。
②給付金申請は原則一度のみ。今後別の給付金を申請しない    
  ③虚偽申請にはペナルティーを科す。                
                
           
さて、本当に給付金はやってくるのか。どきどき。
この制度は当初数日で支払われたが詐欺が横行したためすぐに閉鎖になり
最近再開されたものらしいが、綾ちゃんが申請したのは
4月14日。1週間が経った。まだ音沙汰無しです。


結果はまた報告いたしまーす!





007のセルフカバーです。
昨日、居間の電球勝手に外してあとで怒られていた息子です。
もはやヴァイオリン(去年のクリスマスに買わされた)の縦弾きがお家芸になってる!
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2020年4月18日土曜日

花の香りばたてまつる




     暖冬といふ夜の静寂(しじま)を深くして
          沈丁花(じんちょうげ)の香りと知るまでの闇
                     
                      第73回太宰府梅まつり短歌大会第1席
         村山安義


 91歳の綾ちゃんパパは今年のお正月
 たった一人で太宰府まで足を運んで
 歌を詠んできた。腕に覚えのある人
 だから自信もあったのだろう。
 堂々の一席を獲得して帰ってきた。          
              香り高い沈丁花の歌だった。


「芍薬(しゃくやく)の花の、今年も庭に
咲いたったい。それがまた今年もそりゃあ見事たい。」

         「この花の咲いたらもう、去年のあの日のことば
         思い出してねえ。あげん綺麗に咲いて。」



         
      美しい花の季節に逝くことができて、それはそれで幸せな人生と言える。

      綾ちゃんママの最期の日のことは、彼女を識る人たちの心の中で
      伝説になって思い継がれるだろう。
      綾ちゃんもきっと何度でも語るだろう、
      母は見事な芍薬の花見をした後でぽっくりと彼岸(あちら)へ
      旅立ってしまったのだと。



            あれから一年、ちょうど一年経った。
            今年は一周忌に顔すら見せられんでごめんなさい。


            おかあしゃま、花ば、花のかほりばたてまつる。




               この歌が大好きだった母へ


          

2020年4月12日日曜日

復活祭という「救い」



           今日は復活祭の日曜日(Ostersonntag)
                 けれど
        現在世界中を暗くしている新型コロナ武漢肺炎騒動。


        バイエルン州その他では罰則付きの厳しい外出制限令がしかれ
       これを4月19日、イースター休暇最終日まで、とした。


       綾ちゃんはこの知らせを受けた時、その日にち設定に
       一種の感動を覚えた。

       もちろん学校休暇にタイミングを合わせた措置。それはわかる。


                 でもね、

       復活祭には全ての「恩寵」と「救い」がもたらされる、、、
       西洋キリスト教社会にとっては最も象徴的な日々なんだ。
               



                                                                           
         タルコフスキー「サクリファイス」ラストシーン
  『憐れみたまえ、我が神よ(Erbärme dich!)』マタイ受難曲のアリアにのせて
   神に自らとその家を捧げた「キチガイ男」が哀しく美しく描かれる。
   燃える邸宅の炎が清らかに見えるのは綾ちゃんだけ?
           ミシマ「金閣寺」を意識していると思う。

        本当のラストシーンはこの直後。奇跡はやはり起こっていた。
        口のきけなかった男の子の一言。
       『はじめに言葉ありき。なぜなの、パパ?』





   その昔、14歳だった綾ちゃんが、綾ちゃんの運命を決めることになる

         一冊の本に出会ったのも中三の、奇しくも春だった。



             
ゲーテ「ファウスト」(ドラクロワ画)



ドイツ語も一言もわからない、おそらく1/100も内容を
理解していなかったに違いない綾ちゃんだったが
冒頭の復活祭のエピソード

人生に絶望したファウスト博士が毒杯を手にしながら
復活祭の鐘の音に天使の歌声を聴きとり
涙にくれ自殺を思いとどまる。


そのくだりを(手塚富雄先生の)翻訳で読んだ時の感動を忘れられない。



宗教というのは単に宗教的天才の説く「教え」「哲学」に終わらない
地方に根付いた土着の人々の「思想」と「祈り」の代弁なのだと思う。


全世界をすっぽりと覆ってしまった暗闇を抜け出す象徴的な瞬間として
政府がイースター休暇明けを選んだことには深い意味がある。

現実にはどうなっていくかまだ先が読めない状況だけれど
私たちは自分でできることをして明日の明るい1日を考えよう。




復活祭の金曜日(Karlfreitag)にはこの曲を聴きましょう!
この曲はぜひ歌詞を見ながら壮大なオペラを鑑賞するように聴くのがオススメです!

2020年4月9日木曜日

いーすたサンタ


外出禁止後久々に用事があってミュンヘンに行ってきましたー!
2週間ぶりのミュンヘンです!


ふふふ。

今日は「ついでに」特別ミッション『いーすたサンタ』発動です!


 日本へのお土産にしようとアマゾンで2ヶ月前に!!!
注文したマスクが今頃届いた!!!


あやちゃん家族ではとても使いきれない量で
日本で必要な人にも送った。
、、、まだ余ってる。

今こそ使わなくっちゃ!!!

生徒さんたちに伺って、必要な方のお宅にサンタさん
することにしました。
イースターのサンタさんだからいーすたサンタでーす!


                             イースターの卵も少ない
                                                           


封筒にマスクを入れて玄関先に置く。
時節柄ご挨拶は遠慮しようとしたけれど
何人かの方はやっぱり出てこられた。申し訳なかったです!


本来のご用事はココ。
ここでのご用事の話はまた今度!




ミュンヒナーフライハイトの駅
人影まばらだけれどやっぱりいつもの駅

ミュンヘンの胃袋、ヴィクトアリエン市場
通常の土曜日の午後の感じに似ている。
綾ちゃんはせっかく出てきたので
ここでお魚買って帰りました!

本っ当に皆さんにかえってお気を遣わせてしまいましたー!
プレゼントだったのに皆さんからあれこれ「お返し」を受け取ってしまった!

日本のお菓子や手作りクッキー、ハーブティー
全部今日の頂き物でテイータイム


暖かくて美しい春の一日。
久々に皆さんと触れ合えて元気たくさんもらえました。
きっとあと少し!頑張りましょう!





Jiro & 星野源コラボ
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2020年4月4日土曜日

ペひ、、、ああその犯人は



ペひ(Pech)てドイツ語があるんだけれど、、、。
悪運ていうか天から突然降ってきた災難のこと。

3日前の我が家はまさに「ペひ」だった。

日曜日の朝、綾ちゃんはオンラインレッスンの真っ最中。
なんだかじゃあじゃあすごい音がする。なんじゃあ?こりゃあ?

生徒さんにお断りして様子を見に行く。、、、と、、。


うぎゃああ!どっから洪水?玄関口が水浸し!!


        玄関口の客用トイレ付きのシャワールーム(普段不使用)




念のために地下倉庫を見に行くと案の定水浸し!


これぞ「ペひ」と言わずしてなんとしよう!!
大家が隣で良かった!
日曜日でも駆けつけてくれたがしかし彼の手には負えないという。


家族三人総出で水はき、水履き、そして水はき。


翌日やって来てくれた(ドイツなのに素早かった!)業者は
今回の水害騒動の意外な犯人を名指しした!







                  こいつや


             トイレ用ウエットテイッシュー
                                                     Feuchtes Toilettenpapier

       あのね、綾ちゃんは今回の武漢ウイルス肺炎騒動でトレペが
      品薄なので初めてこれを買ってみたの。(写真下。上は普通のやつ)
    
      スーパーマーケットでトレペの棚に行くとまず棚はすっからかんで
      わずかにこのトイレ用ウエットテイッシューが残されている。
      我が家にはトレペの備蓄はそこそこあるんだけど、いよいよ
      足りなくなってから慌てるのは嫌なので緊急用にこちらも
      買っておいた。そして少しずつミックスで使い始めて三日目の
      出来事だったんだ!


      皆さんに声を大にして教えてあげたい!おーい!ドイツで売ってる
      トイレ用ウエットテイッシューはトイレで使用しては
      なりませぬ〜!!!