日曜日は綾ちゃん息子の誕生日で親子3人でコンサートに行った。
ウイーンの巨匠、ブッフビンダーは長男が3歳で初めてついたピアノの
先生の師匠でもある。今回はとにかく曲がいい。きらきら星にシューベルトの
即興曲の通し、ショパンの3番のソナタ。もう行くっきゃない!
カールス門の駅から地下鉄に乗り換える時、たくさんの着飾ったお年寄りたちに
出くわしてこれはもしやと思っていたら皆、同じコンサートのお客さんだった。
日曜の午前中のマチネにほとんど満杯の聴衆たち。
ロマンスグレーのブッフビンダーが、誰もが知るあのきらきら星のテーマを
奏で始めた瞬間、(綾ちゃんの貧弱な耳には)なんだかえらく「平凡な」音に
聞こえたので、えええ?嘘でしょう?と思ったんだけれどそのあとの展開が
すごくて驚くほど色んな音色が耳に入ってきた。聴かせてくれる。
不覚にもいきなり涙があふれちゃったんだ。モーツアルトさんがこの演奏
喜んでるだろうなあって不意に思って。
だけど最近シューベルトにハマりまくっている綾ちゃんとしては
今日の本命は3つの即興曲。(息子は楽譜まで持って行って楽しんでいた。)
最近綾ちゃんが急にシューベルト狂になったのは、なんていうか、
綾ちゃんの文学好きと大いに関係あると思う。
シューベルト節の中で語られる「物語」「詩」や「言葉」がちょっとだけ
「わかって」きた気がするせいなんだ。
物を「書く」人はね、書かれたものがリズムや音楽になるように必ず
気を配るものなんだけれど、同じように音を紡ぐ人は音楽が主張を持ったり物語や
詩になったりするようにする。
シューベルトの紡ぐ「音」は最近、綾ちゃんの中ではっきりとした言語になって
アタマに流れ出してくるみたいなんだ。
じいいーん。忘れられないコンサートになりました。
アンコールも名曲オンパレードでトルコマーチやショパンのエオリアンハープ、
バッハも弾いてくれた。ああ、幸せ!
贅沢なひと時を楽しんできました。
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