久々に語学ネタ。
最近、話題を呼んだとにかく明るい安村の英国進出。 日本人には見慣れたパンツ芸だけれど
あの場で見ると不思議な新鮮さがあって嬉しい。
彼の「安心してください、履いてます」は
果たして西洋人にウケるのか?
興味津々でつい見入ってしまう。
そしてもう一つ、彼の芸の英語訳は果たして
通じるのか?
これも興味深いテーマだったと思う。
ドント ウァリィ
アイム ウェアリング
このシンプルな訳語で見事に笑いをかっさらった。
いや、安村アッパレアッパレ、、、
とは綾ちゃんは思わなかった。
綾ちゃんは語学教師なので
つい色々気になってしまうんだ。
今日の話は語学教師として非常に深刻な問題である。
会場の笑いを巻き起こし彼のパンツ芸は大成功!
それはそれで良いのだけれど
会場に沸き起こったどよめきというかノリというか
リズムのウケは日本でのそれとは少し違ったと
思うんだ。
とにかく明るい安村は気がついていただろうか?
あの女性審査員が大喜びで
「パーンツ!」
と叫んでいた理由を。
それは彼の訳文が不完全だったからなんだ。
西洋語においてSVOとCを使った五文型が
(皆さん嫌な学校時代に思い出があるでしょう?)
どれだけ根幹を成しているのかを象徴していた。
綾ちゃんの理解が正しければ英文法で
I’m wearing.
という「文章」は存在しない。
この文章には絶対に目的語が必要で
安村が「アイム ウェアリング」を言うたびに
誰かが合言葉を言う様に下の句を答えなければ
言葉の消化不良に陥ってしまう。
その性質を利用して会場を巻き込んだ
旋風だったんだ。
そしてその合言葉がよりにもよって
「パーンツ」だったから皆が興奮してしまった。
西洋人と話をしていて、つい目的語(やドイツ語の
場合、分離動詞の前綴なんか)を言いそびれて
もぐもぐしている間に相手の人に先手を取られて
言われてしまったという体験をしたことのない
日本人はいないのではないだろうか?
日本語と西洋語では文法の論理が決定的に異なるのは
まさしくここだ、といつも思う。
綾ちゃんが生徒さん達にドイツ語を教えていていつも
「ここを乗り越えてくれー!」と
祈るのもこの五文型の壁なのだ。
言語は「言葉」なのだからそんなに四角四面に
文法にこだわらなくても、、、
と考える方も多いだろう。
それも一理だ。
だけど言葉の奥には必ずその国の文化や思想や歴史が
隠されていて、そこを識ることこそ
自分が何と格闘しているのかを知ることとなる。
あの女性は「パーンツ!」と叫ばずには
いられなかったのだ。
そのことを知っておいて欲しいと思った。
0 件のコメント:
コメントを投稿