胸をつかれた。
石牟礼道子先生がお亡くなりになられた。享年90歳。
綾ちゃんはこれまでの生涯で多くの人々から影響を受けてきたけれど
彼女の作品から受けた衝撃が最も大きくそして決定的だった。
石牟礼道子といえば「苦海浄土」が代表作だけれど
綾ちゃんは自伝「椿の海の記」が最愛の作品だ。
一度だけ石牟礼先生に直接お目にかかったことがある。
福岡で新作朗読会がありサインをいただいたのだ。
この「椿の海の記」を持参してこの本に自著していただいた。
偶然サインの途中で万年筆のインクが切れて綾ちゃん、自分の
万年筆を差し出した。サイン会が終わってにっこり笑って
返していただいたそのペンは今でも綾ちゃんの福岡の実家にとってある。
政治や社会問題と文学の関わりについて当時の綾ちゃんは極端に潔癖な
思いを持っていた。その頃に彼女の作品群に出逢い「昇華」という言葉の
本当の意味を学んだように思う。
御年90歳での大往生。
綾ちゃんの中でも一つの時代が終わった、と感じた。
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