2019年9月25日水曜日

ふいごになる②〜第一セッション胸郭

      

       自然療法ならば何でも試してみたいという単純な興味だった。
   

     ロルフィング=筋膜療法→肩甲骨剥がし?とか?→整体?の親戚??
         とりあえずしつこい肩こりが治ってくれたらラッキーかも。
       綾ちゃんたらチョー元気だもの。まあ、毎日仕事でキャパオーバー、
         それから運動不足。身体ガチガチなのが弱点といえば弱点。
   

       こういった単純なイメージでお試しセッションに赴いた綾ちゃん、
    そもそも治すところがあんまりないからお試し一回もすればおしまいかなあ?


      のちに「健康だ」と思っていた自分の存在そのものがある意味
      「思い上がり」の産物だと思い知らされることになるのだが、、。
    


    丁寧な問診のあと施術台で言われるままに足を曲げたり横を向いたり。
    施術の内容説明は懇切丁寧に受けながら、、とはいえ一つ一つの動作には
    半信半疑。今日は胸郭の補正???だそうな。



  『(脇を押さえて)いいですか?「ここに」息を入れていって(まじ?)ください。』

               『そう、そういう感じ!』



     いやいや、そいつは物理的に無茶でしょう、と心の中でツッコむ
        もう一人の自分を押さえ込みつつまずはイメージ。



             ふいごになってみよう。
           
              






             『良いですね。(まじいー??)』


   同時に手技でぐううっと特定の筋肉(筋膜?)を押し上げる。特に痛くはない。


           『じゃあ今度はこっち?!息を入れて!』


   半信半疑ながらも綾ちゃん、実は(筋膜の整復だけでなく)身体の特定の場所に
   呼気を送るという技が自然療法では内科的にも有効であるという知識を
   持っていた。例えば癌病巣に。それが爪先だろうが足指だろうが
   身体の隅々を駆け抜ける息吹を誰しも感じた事があるに違いない。
   そんな風に身体全体に息でもエネルギーでも送れるのだと思ってみよう。


  そう、イメージ。イメージ力がいかに大切か、正しく理解している人は案外少ない。



               せーの、ふうううっ!


   そんなこんなを1時間以上過ごしたのだろうか?第一回セッション終えたあとの
   綾ちゃんは、、、何だか胸のあたりがしゅうっとして肩が落ちたような気がする。



    昔、むかーし、日本に住んでた頃の綾ちゃんは地味で何をするのも自信の無い
      おどおどしたムスメだった。誰と視線を合わせるのも怖くていつも
          うつむいていた。(きっと誰も信じないね。)
       その頃の名残の下向き目線がふと、高くなったような気がする。

           誰かと、視線を合わせても、いいのか、な?


     一つだけ確信があった。今止めてはならない。この療法にはきっと奥がある。
  綾ちゃんの嗅覚は、これまで体験してきた他の療法にはない匂いを嗅ぎ取っていた。
      
           




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