2014年2月28日金曜日

ドイツ、男と女の物語 ③






                 3度目にその家族の元を訪ねた時だった。




   いつもあちこち綾ちゃんを連れ出してくれるんだけれど、その日は仲間
  (多くは同僚)とのガーデンパーティーに連れていってくれた。
  ママ達以外に知る人もない綾ちゃんはおとなしくチンとしてた訳なんだけど、
  その日遅れて参入してきた「パパ」はいい気分でビールやシュナップスを
  がぶがぶあおり相席していた厚化粧の女性に言い寄り始めた。
  この女性がまた、絵に書いたような「商売女」風の厚化粧で、
  たっぷたっぷの体躯、お化けメイク的に滑稽な厚化粧(こちらには「本当」に
  時々その手の馬鹿げたこてこてメイクの女の人がいます)言い寄られて
  まんざらでもなさそうなとろりとした五重(!) まぶた、、、いや、
  三流映画というよりマンガだな、こりゃっという場面が展開し始めた。




        周りはみんな見て見ぬふりをしながらチラチラうちのママを見ている。
  ママは毅然としてお友達たちと楽しいおしゃべりにふけっていた。




                  『彼女 、怒ってないみたいだね。』



                『ニコニコしてるし気にしてないみたいじゃない。』




  たどたどしいドイツ語理解力の綾ちゃんの耳にさえこんなささやき声が
  聞こえて来る。あ~あ、うちのママ、頑張ってるよ。可愛そう。
        適当なところでパーティーを辞去したママと綾ちゃん、帰りの自動車の中で
  ママはもちろん、凄まじく機嫌が悪い。





               『酔っぱらいなんてだいっきらい!!!』
              


       『男なんてサイテー!!!』





    そうだね。こんな風に自由にしていたい男の人とは結婚しないほうがいいかも。





                                   


シュナップス
日本で言うと焼酎だね。強い果実酒です。


2014年2月27日木曜日

ドイツ、男と女の物語 ②






             ママから一方的に話を聞いただけのワンサイドストーリーなんだけどね。




               浮気をしたのはご主人の方、ある日突然別れ話を切り出されて激昂、
  すったもんだの末離婚。ママとママの実家に経済力があったので母子はそのまま
  家に残る。持ち家だしママの実家は地元の大きなクリーニングチェーンの
  オーナーでプール付きのでっかい家に住んでいる。この点はよかったね。
  ドイツには日本と違って「慰謝料」がほとんど出ないらしい。男女同権で
  女性も職業を持ってて当然だからね。請求できるのは「養育費」のみなんだって。




           今は職場の同僚が恋人で「公認の仲」だけど別々に住んでいる。
  週末に彼がお泊まりに来るだけ。私達がホームステイしてた時は「家族」の
  体裁を整えるためにパパ役として泊まりに来てただけなんだって。



            こんなのってあり?




        ママ曰く、もう、結婚はこりごりよって。男性との関係に縛られるのもごめんだわ。




通勤途中 車窓からの風景



ここは電車の倉庫




2014年2月26日水曜日

ドイツ、男と女の物語 ①





           これまで病院で出逢った「ヘン」な男女関係の最たる例はガルミッシュの
けれど、「別れた」男女がその後も普通に、少なくとも見た目はオトモダチとして
付き合っている例は多い。男女が婚姻関係にあって別れたとなると当然それなりの
修羅場があったんじゃないかと思っちゃうんだけど。そりゃあ、いつまでも反目
し合うのはオトナじゃない。だが、「積極的に」お付き合いするかなあ、って
不思議になっちゃうよね。





      私が生まれて初めてドイツにやって来たのは日本の大学2年生の春、大学のホーム
ステイ付き研修旅行だった。その時お世話になったご家庭はバイエルンの片田舎の
女の先生親子のお宅でママが婚姻関係を持たない同僚と一緒にいらした。
小さな田舎町で「別れた」ご亭主が次の奥さんとやはり近所に住んでいて、
通りですれ違おうものなら闘犬試合のショーよろしく互いに嫌悪のオーラを出し
まくり唾でも吐きかけん勢いだった。



     これはお互い仕事の都合で遠くへ引っ越す訳にもいかず(おそらくうちのママと
しては己に非が無いにも関わらずなんでアタシが引っ越さにゃあいかんのだ、という
意地の様な気持ちが働いてもいたのだろうけれど • • • )やむ終えずの形態
かもしれんが、なんか、昔の安っぽいドラマみたいな話だなあと思ったものだ。




  この頃綾ちゃんのドイツ語は全く片言だったのであまり立ち入った事情も
わかっていなかったのだけれど、だんだんに母娘との付き合いが続くにつれ
こちらもその度少しずつドイツ語も上達していく。ママから色々女同士の
話にもなる、ということでわかって来た事があったのだった。



           

バイエルン地方の代表的な食べ物
ブレーツエル、ビール、ハツカ大根
じゃがいも、どれも素朴なものばかり


          

2014年2月25日火曜日

ドイツ、男と女の物語    序

       



            ○○さんのご紹介、つまりトモダチの輪ってパターンで
      患者さんが次々に訪れることが多い。クチコミは偉大だ。




         でも安易に「この人とこの人はオトモダチ」なんて考えていたら
    意外と??ってことも多い。




           なんだか仕事はほっぽらかしで人間観察に余念のない綾ちゃんだが
    やっぱ面白いものは面白い。これってドイツというお国柄かと思いきや
    長らく日本を離れて暮らしている本人としては何が常識で何が常識外れなのか
    判断に苦しむこともしばしばだ。




       これまでここドイツで見聞きしてきた男女の仲ってやつそれからもちろん
 病院絡みのお話を語ってみたりしちゃおうかなっと考えているところです。








中国三大文学の一つ「紅楼夢」
人物挿絵の切り貼りです。




そして其の一人一人の人物説明(中国語)
なぜか綾ちゃんのお仕事


これについてはそのうち説明いたします。









2014年2月24日月曜日

これはセクハラなのだろうか?   其の弐

       



       その方はその日の朝、二番目の患者さんだった。男性。






  昨日が初診であったが夕方の綾ちゃん不在時。つまり、綾ちゃんは初対面の人だ。
 その方がいらしたとき綾ちゃんは最初の患者さんのお灸をしている最中だった。
 綾ちゃんが奥の部屋から戻ってくると、ドクターが二番目の患者さんのためにお灸に
 火を灯しているのが目に入った。すでに鍼を打った後らしい。



 
              『先生、こちら、お灸終わりました。次の患者さんは私が引き続き
      やりましょう。』





    いつものやり取りだ。が、しかしその日はドクターの応対がいつもと違った。
   



           『あ、いいよ。僕がやるから。』



  え??いいの?あるいはV.I.P.か?時々、いかなる治療もドクター本人からでないと
 「許さない」患者さんもいらっしゃる。まあ、ここはドクターの名前で看板挙げてる
 訳だからそれもいたしかたないが • • • などと想い描いた数秒間をドクターは
 あるいは別の意味に解釈したのかもしれない。私がいつもの仕事を「させてもらえ
 なくて」「不満に思っている」とかね。例えば、よ。例えばの話。



  ちょっぴり複雑な、というか何となく妙な表情を顔に漂わせながらドクターは
 一瞬の逡巡ののち、こうおっしゃった。




      『吉岡さん、患者さんのお灸はぼくがするけれど、あなたは後学のため        (???)側で見学しておきなさい。』





  はあい。よくわからんけど、まあいいや。んで、お灸を持ったドクターの後について
 一番の治療室に入った。お灸はいつもの棒灸。何だか難しい「ワザ」でもあるのか?




  ドクターはお灸と灰皿を一旦洗面台に置き、医療用ビニール手袋を取り出し
 両手にはめた。んん??何で?そして患者さんの下腹部の毛布をそっと持ち上げる。
 これは全然珍しい事ではない。下腹部の太陽叢にお灸をあてるのは補陽、
 つまり生体エネルギー補給の第一歩だからしょっちゅうだ。が、恐ろしい事に
 その患者さんは下着を着用していなかった。このケースは初めてではないものの
 実際珍しいことだった。ドクターはおもむろに患者さんの足を広げさせ
 患者さんの「ブツ」を持ち上げ(ああ、それで手袋!)その「裏側」に
 当たる部分をお灸で暖め始めた。ここは何ていうツボなんだ!?





      そのツボの名前はいまだにわかりません。
   その時のドクターの説明によると、この患者さんは重度の前立線炎で
  ここが一番のツボなんだけど鍼を打つよりお灸で暖めた方が効果的との事。 




   綾ちゃんは5分ほど見学していたがこれ以上見るべきものは無いと
  判断、『失礼します。』と言い放って退席した。
  受付のパソコンで早速検索してみたがイマイチわからん。尋ねる勇気もない。




   でも、これって、やっぱり一種のセクハラ?それともクールにお仕事って割り切る  ものかな?いつか綾ちゃんも「は〜い、失礼しま〜す」って言ってあんな風に
  しなきゃいけない日がくるってことかな?




          


      「ざ•つぼ」より ううん、わかったようなわからんような
   

2014年2月23日日曜日

これはセクハラなのだろうか?  其の壱








綾ちゃん夫が日本から帰って来た。





一週間だけだが仕事の引き継ぎだ。多忙を極めている。
夫の話題はとりあえずおいておくが、その夫が先日うちのドクターに
頼まれた買い物をしてくれた。書道の筆である。



ドクターは書道が趣味でヒマさえあれば毛筆で色々書いている。
ウソかホントか知らんが彼によると中国の筆は悪筆で中々良いものが
ないそうで、日本のものなら良質の製品が手に入るのではと夫に
頼んだものだ。写経用の極細筆をご所望だった。
主人の母も書道が趣味の人なので姑にも相談の上、
これが良いだろうと言う小筆を何本か買って来た。





もう、ドクター、大喜び。



早速試し書きして大感激。さすがニッポン!素晴らしい!!
いやあ、ご主人によろしくお伝えください。あのね、申し訳ないんだけど
これもこれもあれもそれも、つまり次に往復する時にまた買って来てもらえないだろうか
と、綾ちゃんに合計で200ユーロほどの現金を手渡しながら
おっしゃった。





いやあ、お忙しいのにスマナイねえ。ええっと時差や激務で
身体の消耗も激しいだろうから • • • と薬品庫に駆け込む
ドクターを見て、綾ちゃん即座に




『あのお、ドクター、いままで朝鮮人参なら十分たくさん
いただいていて(そう、彼は何かあるとすぐ他人に高価な朝鮮人参を
配る癖があるのだ)飲みきれないくらいたくさんありますから結構です。
お代もいただいていますし特に何もしていただかなくても • • • 。』




『何?朝鮮人参は十分だって?ようし、それじゃあ。』




と、いただいたのがコレ





虫草鞭丸


これはね、素晴らしい精力増強剤なんだ。
ご主人もきっと気に入ってくださると思う。








ネットで検索してみるとホントにそのテの丸薬だった。
「中国古来から伝わる高級漢方薬材「冬虫夏草」を主原料とする画期的な性機能改善、精力増強剤」とある。




これってセクハラ???




2014年2月22日土曜日

エコバッグに感動しました。

   




         ドイツにdmというドラッグストアチェーンがあります。





        綾ちゃんはこのdmが好きでよくここでお買い物します。ドイツにしてはかなり
色んな部分が行き届いていると思う。Bioの商品が安く色んな種類そろっているのもいい。ちょうど楽譜を入れる手頃な手提げ袋が欲しくて買い物用のエコバッグのお洒落なのは
ないかなっとdmを覗いてみたらあったあった。綾ちゃん好みのライトブルー。
派手な模様とかは苦手なので単色がいいな。










             これもbioの素材仕立て。2ユーロ。しかも、、、


   ダメになってしまったり、もう気に入らなくなってしまった時にはいつでも新品と
交換もしくは返金いたします、ってわざわざ書いてある。









     偉いなあ、と真剣に感心しました。相手への思い遣りに満ちている。このバッグを
作った「信念」を明確に打ち出していて共感を持ちました。綾ちゃんはあまりエコだの
ビオだの好きじゃない。好きな時期もあったんだけど社会の利害やお金もうけの手先に
なったようなファッションみたいな感じがし始めてどうもダメになっちゃった。
「本当に良いもの」が判りにくい時代だ。


     このバッグはきっと静かなブームを呼ぶんじゃないだろうか。