『ほらほら、お母さん、ドイツから来てくれたよ、綾子さんたち。
そろそろ目を覚まさんかいね。』
義父の呼びかけが続く。
姑のまぶたがピクピクと動く。
我々も肩や手のひらをさすりながら呼びかける。
まぶたのところがぴったり重なって開けたくても
開けられないような感じだ。
綾ちゃん、おしぼりで軽くまぶたを拭ってあげた。
ゆっくりゆっくりとまぶたが上がった。
ものすごく力がいるらしく気力の総てを振り絞っている感じだ。
まぶたを押し上げた後、今度は眼球をよっこいしょと回す。
目の使い方というものを忘れてしまったような動きだ。
見事な菊の花 靖国神社にて
白目が1分ほど続いた後ようやく目の焦点が合った。
すると意外にも声を出す方は素早く準備できたようで
もう次の瞬間には喋り始めた。
『まあ、綾子さん。遠いところから。本当に申し訳ないわあ。』
信じられない。意識が戻った。バンザイだ。
ドイツから駆け付けた甲斐があったというものだ。
東京で靖国参拝してきました。綾ちゃん靖国さんは初めてです。
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