今日は復活祭の日曜日(Ostersonntag)
けれど
現在世界中を暗くしている新型コロナ武漢肺炎騒動。
バイエルン州その他では罰則付きの厳しい外出制限令がしかれ
これを4月19日、イースター休暇最終日まで、とした。
綾ちゃんはこの知らせを受けた時、その日にち設定に
一種の感動を覚えた。
もちろん学校休暇にタイミングを合わせた措置。それはわかる。
でもね、
復活祭には全ての「恩寵」と「救い」がもたらされる、、、
西洋キリスト教社会にとっては最も象徴的な日々なんだ。
タルコフスキー「サクリファイス」ラストシーン
『憐れみたまえ、我が神よ(Erbärme dich!)』マタイ受難曲のアリアにのせて
神に自らとその家を捧げた「キチガイ男」が哀しく美しく描かれる。
燃える邸宅の炎が清らかに見えるのは綾ちゃんだけ?
ミシマ「金閣寺」を意識していると思う。
本当のラストシーンはこの直後。奇跡はやはり起こっていた。
口のきけなかった男の子の一言。
『はじめに言葉ありき。なぜなの、パパ?』
その昔、14歳だった綾ちゃんが、綾ちゃんの運命を決めることになる
一冊の本に出会ったのも中三の、奇しくも春だった。
ゲーテ「ファウスト」(ドラクロワ画)
ドイツ語も一言もわからない、おそらく1/100も内容を
理解していなかったに違いない綾ちゃんだったが
冒頭の復活祭のエピソード
人生に絶望したファウスト博士が毒杯を手にしながら
復活祭の鐘の音に天使の歌声を聴きとり
涙にくれ自殺を思いとどまる。
そのくだりを(手塚富雄先生の)翻訳で読んだ時の感動を忘れられない。
宗教というのは単に宗教的天才の説く「教え」「哲学」に終わらない
地方に根付いた土着の人々の「思想」と「祈り」の代弁なのだと思う。
全世界をすっぽりと覆ってしまった暗闇を抜け出す象徴的な瞬間として
政府がイースター休暇明けを選んだことには深い意味がある。
現実にはどうなっていくかまだ先が読めない状況だけれど
私たちは自分でできることをして明日の明るい1日を考えよう。
復活祭の金曜日(Karlfreitag)にはこの曲を聴きましょう!
この曲はぜひ歌詞を見ながら壮大なオペラを鑑賞するように聴くのがオススメです!
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