2014年2月10日月曜日

ドイツ青少年音楽コンクール ~ミュンヘン大会~ ④








         二男は二男で去年、チェロソロ部門でコンクールに出場、州大会まで行った。
今年は関係な~い 、はずだったのに今年出場することになったのには訳がある。
昨年の大会の際、知り合いのヴァイオリンの先生に会った。この方はご夫婦で近隣の町の音楽学校の先生をなさっていらしてユースのオーケストラ指導で大変優れた実績を
お持ちの方だ。以前から彼らのオケに誘われていたが種々の理由で辞退していた。
何よりうちの二男は身体が強くない。以前、合唱団の活動と学校の勉強、楽器
(当時はピアノ)3つの負担がどのような悲劇を招いたかは以前ブログにも書いた。





       今回久々にオケの先生にお会いした。その先生(奥様の方)は2年ぶりに会う
うちの子に興味を示しコンクールでの演奏を大変誉めてくださった。その上で、
来年は一緒にカルテット(弦楽四重奏)をやりましょうね、とお誘いを受けた。
彼らのオケでは常時チェロの子供が不足しているらしく、本当に熱心に誘って
下さる。熱意にほだされた形でコンクールまでという条件で承諾した次第だ。




         


二男のカルテットはここミュンヒェン音大の
大ホールが会場でした。
ものすごく大きな本格的な大舞台です。
母の方が緊張してしまった。




2014年2月9日日曜日

ドイツ青少年音楽コンクール ~ミュンヘン大会~ ③

       

     




       ところで我が家は今年、このコンクールとは関係ないゆったりまったりとした
   冬を送る心積もりでいた。コンクールというのは普通のコンサートとはまた異なる
  緊張を強いられる。観衆はプレイヤーに好意を持っている訳でもないし、
  他人と比較されたりあら探しされたりとにかく「結果」のお土産無しにいいこと
 なんて何もない。






          スポーツならともかく、「芸術」で他人と「競う」是非はおそらく誰の胸にも
一度は去来する疑問じゃないだろうか。この感性は、たとえそれが子供の演奏家であっても自然と溢れてくるもののようだ。だからプロの音楽家でそのキャリアをコンクールに
全く頼らず大活躍している人もたくさんいる。(反対に有名コンクール優勝者で
消えていった人も多い訳だしね。)




            ところが、ところが、コンクールなんてえプレッシャーは子供には負担が
大きいだけだろうと思いきや、そのスリルとサスペンス(?)を楽しみたい心も
半分あるらしく、今回何と子供の方から出場宣言が出てきたのにはたまげてしまった。




         幼い頃から本格的な音楽教育を受けて来た長男は3年前、この同じコンクールの
同部門で全国大会2位入賞した。ドイツで義務教育を終えるこの秋、当然音大進学を
志すものと期待を寄せる周囲に向けて「普通科大学」進学を宣言して周囲を驚愕させて
から2年近くが過ぎた。最近は大して練習もしなくなってしまった息子の姿に親も
このコンクールに対して半ば興味を失ってしまった頃、今度は突然の出場宣言、
一体なんじゃそりゃあ。



        まあ、こういうところがこのコンクールの面白い一面で趣味の子だって十分
参加し甲斐があるのだ。私は個人的にこのコンクールは日本でいうと(毎日コンクールとかよりむしろ)甲子園に似ていると思っている。甲子園に出場するような優秀なプレイヤーの子だって普通に進学の道を選ぶ子はいくらもいる。だけどだからって「本気」じゃない訳じゃない。その子の中で大切な部分を占めてるものの価値を再確認する、そんな
役割をはたしているんじゃないだろうか。






スタインウエイハウス入り口









フジコヘミング  ショパン「革命」
この曲今回弾きました。

2014年2月8日土曜日

ドイツ青少年音楽コンクール ~ミュンヘン大会~②





                    このテーマは漢方とは何の関係もありません。
             あしからず。





 このコンクールについてひととおりの説明を試みてみよう。
参加資格は年齢のみ。オルガンと声楽を除き(27歳!以下)21歳以下であること。
国籍や居住地、プロ・アマの別は問わない。もっともプロ活動してる人は普通
出ないけど。でもドイツ人でプロになった音楽家はまず皆このコンクールを
通過している。ユリア・フィッシャーさんとかアリス沙羅・オットさんとか。



 毎年一月の末あたりから各地方で地方大会が行われる。全ドイツだから大変な数だ。
楽器はほとんど考えうる限りのものがある。ピアノ、ヴァイオリン以下弦楽器、フルートなどの金管クラリネットなど木管楽器、打楽器、声楽etc。そしてこれらの組み合わせ。
クラッシックだけでなくモダンやポップなども部門がある。ジャズは別にコンクールが
あるらしい。一昔前はこれらの楽器も組み合わせの可能性ももう少し制限されていた分、ピアノやヴァイオリンなどのメジャーな楽器は毎年ソロ部門のコンクールが
あったそうだ。が、現在は各種目が3年に一度のルーティーンとなっている。つまり、
3年に一度しかないチャンスなのだ。ね、オリンピックみたいでしょ。
それぞれ楽器や組み合わせごと、年齢に応じて曲目の時代と組み合わせ、演奏時間が
細かく定められている。


                               

           
       ミュンヒェン会場本部はかつてヒトラーの総統官邸だった
             事で有名なミュンヒェン音大です。







 10歳以下の子供たちはお祭りはここでおしまい。規定の点数によって
1位25点〜21点、2位20点〜17点、3位16点〜13点と定められている。
あとは参加賞。1位、2位というよりは金賞、銀賞と置き換えた方がわかりやすいかもしれない。



 11、12歳の子は1位の中でも23点以上の者が州大会へ進める。13歳以上の子は
州大会で24点以上をとると全国大会へ歩を進める事が出来る。もちろん審査はどんどん
厳しくなるし参加者のレベルもどんどん高くなって来る。





2014年2月6日木曜日

ドイツ青少年音楽コンクール~ミュンヘン大会~






            ここのところ毎年冬が近づくとにわかにこのテーマで子供の周辺は盛り上がる。



                                            ドイツ青少年音楽コンクール




    コンクールというかお祭りみたいな感じですね。なにしろ出場料無料(寄付金歓迎!)、
一位大量放出(ええ!?)、でも賞金や奨学金なども用意してある半官半民ドイツ国を挙げての一大イベントでドイツで音楽を習っている子供の大半はアソビの子も趣味の子も
本気の子も出場する。州大会以降は毎年開催地が変わるため開催地に選ばれた土地
(たいてい僻地な田舎)の宿泊•飲食施設、交通は賑わうので町おこしも兼ねている。



    国際コンクールではないため「本気」の子は二の足を踏むかと思いきや
そうはいかない。ドイツ中の各種音楽大学その他はここでの成績を専攻基準に加味する
ためむしろ「必須」だ。うちの長男はミュンヒェンにたった一つしか無い音楽学校
(ギムナジウム)に通っているが、ここは音楽のためというより学力が高いため
人気の学校で入学時に条件の成績をクリアした子供たちの中からさらにくじ引き選抜
となる。このくじ引きを避けれる条件が、この、ドイツ青少年音楽コンクールでの
入賞歴なのだ。他のコンクールでは(いかに有名でレベルが高くとも)だめなのだ。
うちの長男もまさかこんなことで役に立つとは思いもせず前の年に参加していたので
ラッキーだった。その他、ドイツでは16歳から若くて才能のある学生は音大に
特別予科生として入学可能だがその条件の一つにこのコンクールの全国大会入賞歴が
あるらしい。マストではないようだが。



    その大会にまたしても今年、うちの子たちはトライする事になった。










長男はピアノソロ部門
スタインウエイハウスのルビンシュタインホールが会場でした。




本番前に5分間だけピアノに触れる事を許される。
後ろの写真はルビンシュタインがスタインウエイに口づけている場面。



2014年2月5日水曜日

眠りたいの。 その 6








                今日もまた新しい患者さんが来る。





         笑っちゃうほどなだれ込んでくる患者さんたちには、ある「流行」があり、
まるで流感の如く同じ症状を訴えるのだ。もちろん患者さん同士がクチコミで繋
がっているケースも多いけどね。
そういえばネットでチャット仲間の患者さんが「リアル」の場としてうちの病院を
「オフ会」状態にしてたことがあったっけ。つまり、当人たちは面識がなかったん
だよね。それは肥満(!)サイトの仲間だったんだ。他人に言えない悩みをネット上で
分かち合う、なるほど便利な世の中だね。





  不眠に話を戻すけど、一般的に女性の方が眠りが浅い。原始社会において
狩猟しなければいけない男性は昼間の重労働に供えて熟睡、女性はねぐらで
子供や家族に異変が無いかいつでも感知出来るように神経が出来上がっている、
らしい。




 綾ちゃんは専業主婦だった頃はすごく眠りが浅くて、ちょっと心配事や
小さなストレスでもあろうものなら直ちに眠れなくなったものだ。まあ、
そこは専業主婦だから翌日お昼寝ってテがあるので気楽なもんだ。対照的に
綾ちゃん夫は布団に入ると1、2、3で熟睡してしまう。 



 ただ、眠れない時、信じられないくらい頭の中で心配事が増幅していって
胸がどきどきしたり叫び出したりしそうな恐怖に駆られたり、つまりパニック
症候群に陥りがちだった。だから不眠で悩む女性を見るにつけ他人事とは
思えないくらい同情しちゃう。
幸い綾ちゃんの場合、現在の職業に就いたとたん、全ての入眠障害は雲散霧消して
いった。ブルーカラーな肉体労働だもんなあ。神経は男性化させる事が可能らしい。



 あともう一つ、当時太り気味だった綾ちゃんはちまたの噂で「夜ごはん食べない
ダイエット」を敢行してみた。倖田来未さんがそれで痩せた、という番組を観たのが
きっかけだった。そしたらダイエットはともかく(いえ、すごく効果あるんですよ)
それより何より信じられないほど「深く」熟睡出来たのに驚いた。もう、自分は
死んでたんじゃないかと思うほど深く、深く、そして翌朝の目覚めの爽快な事!
胃腸と腎臓を全て休ませた状態では身体全体が「睡眠」を堪能できるのだ。



 ただし、これは誰にでも当てはまる事ではないらしい。綾ちゃん夫などは
空腹状態では夜中に目が覚めてしまう。上手い具合に満腹中枢が働いていないと
熟睡出来ないらしい。



       ううん、難しいもんだ。









              
倖田來未   好きで、 好きで、 好きで

     

2014年2月3日月曜日

眠りたいの。 その5





      今日の患者さんは自然療法士。またもやかなり「厄介な」人だ。





      何でまあ、アンタたちはそう揃いも揃っておしゃべりなのか。




      でもね、「病気」と直接かかわり合いがあるかどうかわからないけど
     女性って大変なんだよなあ、ってしみじみ想う。こういう人見ると
     思うんだ、いつも。




      ドイツにやって来てからたくさんの「高学歴の」女性と知り合いになった。
     綾ちゃん自身もそれなりに学歴は高い方なんだけど、それは日本での
     話だし、ドイツでは専門学校を出ただけの身分だ。
     今、ドイツではものすごい数の「女医さん」がいるし、おそらく若い
     お医者さんの大半は女性じゃないだろうか?博士論文を書いてドクターの称号を取る人の割合も女性の占めるパーセンテージがすごく増えていると思う。




                   そして明らかに女性のほうが身分や地位、学歴を誇示したがる傾向にあると思う。多分、「弱い」から。いろんな意味で。
例えば子育てをしていて、うちの子が赤ちゃんだったころ赤ちゃん同士のお付きあいでママ会を開いたりすると、自己紹介の時に高学歴の人は必ずそれを付け加える。「私はキャリアウーマンです」とか絶対言う。名前も「私の名はドクター○○です」とかね。男の人はそんなことないもの。おいおい、ハイハイグループだよ、ここは。そんなこと言って周りをビビらせてどうするんだ、て思ったことも一度や二度ではない。









         これも女性の悲哀だ。真面目で責任感の強い女性ほど肩に重くのしかかってくるものがあるに違いない。
     














2014年2月2日日曜日

眠りたいの。 その4

             





             今日も新しい患者さんだ。






            『とにかく、友人がホメオパシーをやっていて昨日は体質レメデイーを
   処方してもらったんです。私自身自然療法士ですし様々な方法を試みています。
   明日はニュルンベルクにある甲状腺の専門医を訪れる予定です。
   甲状腺異常が睡眠障害を引き起こすことがあるらしいので
   橋本病(甲状腺病)持ちの私としては治療の必要があるんです。』






ってアンタ、やり過ぎだってば。それじゃ身体のほうがびっくりしちゃって
ますます眠れなくなっちゃうよ。




       そう、不眠症はインテリジェントの女性に多い。彼女はご自身が自然療法士で下手に色々知識があるから、手当たり次第に治療を受けまくっている。どちらかというと自己満足に過ぎないぞ。これも一種の依存症。けっこうアブナイパターン。そう言ってあらゆる治療を(他力本願的に)行いながら睡眠導入剤とはただの一晩も縁を切れない。





 べらべらしゃべり続ける彼女をとりあえず治療室へ誘うと、交代におとつい
わあわあ泣きわめいたラインさんがおみえになられた。ずいぶんすっきりした
顔をしてらっしゃる。ほらね、上手くいったでしょ。





    『昨晩ね、時間にすると4〜5時間くらいなんだけど
    ものすごく深く熟睡できたの。目が覚めた時、もっと
    眠っていたいって身体と頭が睡眠を求めているのが
    わかったんだけどあいにくもう起きる時間で。
    でも顔を洗ったらすごくすっきりしていて
    ここ数ヶ月の疲れがずいぶん取れてるのが実感出来たわ。
    今日は金曜日でしょう、私、今日はゆっくりして少し
    早めにベッドに入ろうかと思っているの。
    いっぱい眠りたいもの。』



 おおお〜!!コングラッチュレーショオン!!!やったぜえ〜!!そう、
そして彼女はこの日の晩は早く寝て翌朝10時まで熟睡、寝坊を満喫する
ことになるのだ。そのあとは規則的な睡眠ペースを取り戻す。全快。




 このラインさんはおとついうちにやって来てひとしきり泣きわめいた後、
熱々のスープを飲んで、涙に暮れながらたくさんの打ち明け話をした。
子供時代の事、恋人との不運な別れ。会社(ドイツ最大手の銀行だ)で
昨年大リストラが敢行され幸い肩たたきには遭わなかったものの、
人員削減の余波を見事に受け、ものすごい分量の仕事と次は自分が
首切りに遭うのではという恐怖に怯える日々の話などなど。



 興味深い事に不眠症でうちの病院を訪れる女性たちは皆同じパターンで
働き盛り、インテリジェントのキャリアウーマン、溢れる教養、しかし
知識が溢れすぎて自らの重圧となり己を苦しめる事がある。子供の頃の
(多くは父親との関係)幼児体験、現在の仕事のストレス、が重なって
躁に近い状態になっている。一人きりになると鬱に陥りネガティブ思考が
止まらない。




 対照的に男性の不眠症はどっからどう見てもいつも「鬱」、
つまりネクラ男のパターンが多い。ううん、男女の違いは大きい。
男は正直者、女子は自分にムチ打って頑張るんだ。




 今日、初診で来た方の彼女もこれがまたビックリするほど同じパターンだった。









これ、ミュンヒェンの目抜き通りカウフィンガー通り
で売っていたドイツ国旗模様のメガネ。
ガラスは入ってません。
息子がかけてみた。目は見えるんだって。
サッカーの観戦用か?