2014年2月9日日曜日

ドイツ青少年音楽コンクール ~ミュンヘン大会~ ③

       

     




       ところで我が家は今年、このコンクールとは関係ないゆったりまったりとした
   冬を送る心積もりでいた。コンクールというのは普通のコンサートとはまた異なる
  緊張を強いられる。観衆はプレイヤーに好意を持っている訳でもないし、
  他人と比較されたりあら探しされたりとにかく「結果」のお土産無しにいいこと
 なんて何もない。






          スポーツならともかく、「芸術」で他人と「競う」是非はおそらく誰の胸にも
一度は去来する疑問じゃないだろうか。この感性は、たとえそれが子供の演奏家であっても自然と溢れてくるもののようだ。だからプロの音楽家でそのキャリアをコンクールに
全く頼らず大活躍している人もたくさんいる。(反対に有名コンクール優勝者で
消えていった人も多い訳だしね。)




            ところが、ところが、コンクールなんてえプレッシャーは子供には負担が
大きいだけだろうと思いきや、そのスリルとサスペンス(?)を楽しみたい心も
半分あるらしく、今回何と子供の方から出場宣言が出てきたのにはたまげてしまった。




         幼い頃から本格的な音楽教育を受けて来た長男は3年前、この同じコンクールの
同部門で全国大会2位入賞した。ドイツで義務教育を終えるこの秋、当然音大進学を
志すものと期待を寄せる周囲に向けて「普通科大学」進学を宣言して周囲を驚愕させて
から2年近くが過ぎた。最近は大して練習もしなくなってしまった息子の姿に親も
このコンクールに対して半ば興味を失ってしまった頃、今度は突然の出場宣言、
一体なんじゃそりゃあ。



        まあ、こういうところがこのコンクールの面白い一面で趣味の子だって十分
参加し甲斐があるのだ。私は個人的にこのコンクールは日本でいうと(毎日コンクールとかよりむしろ)甲子園に似ていると思っている。甲子園に出場するような優秀なプレイヤーの子だって普通に進学の道を選ぶ子はいくらもいる。だけどだからって「本気」じゃない訳じゃない。その子の中で大切な部分を占めてるものの価値を再確認する、そんな
役割をはたしているんじゃないだろうか。






スタインウエイハウス入り口









フジコヘミング  ショパン「革命」
この曲今回弾きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿