2014年2月19日水曜日

なくしてしまったもの ~それが身体の一部なら ⑥









     『先生、シェーンさん(仮名)の指圧終わりました。』






いつものようにドクターを呼ぶ。すると、





     『ハイ、じゃあ吉岡さん、台所に行って生姜(しょうが)をね、
        5ミリ厚さくらいにスライスして3枚ほど持って来て。』




 はあい。中医学において生姜はとってもエライ存在である。身体を温めるし
のどにもいいし胃腸にもいいし、外用にも良く使う。煎じ薬にもしょっちゅう
使うからお台所の野菜かごにはいつも生姜がどっさり入っている。
今日は何に使うのかな?お灸かな?日本でもせんねん灸みたいなヤツを
生姜のスライスの上に乗っけたりするもんね。うちでも時々やるからね。




 生姜をスライスしてシェーンさんのお部屋をノック。するとドクターはおもむろに
小さなハンマー状の剣山のようなものを取り出しているところだった。
おお、これは何だろうと以前から気にかかっていた代物だった。




            



以前、綾ちゃんがドクターに「これって何に使うんですか?」って尋ねたら
これも一種の鍼だよっておっしゃってらした。「梅針」というらしい。





 西洋の自然療法が専門の綾ちゃんは、これはドイツのレーベンスウェッカー
(生命の目覚まし!!)と呼ばれるバウンシャイト療法の道具に似ているなあ、と
思っていた。




         

                           これがレーベンスウェッカー




 バウンシャイトというのは人の名前でこの技を編み出した人なんだけど
日本では長野県などに伝わる「蜂療法」が一番近いかも。蜂に刺されると
リュウマチなどの筋肉痛その他が良くなる、という発見から蜂に刺された
感じを人工的に作り出す療法です。
剣山の部分がバネ仕掛けになっていてハンコみたいにポンポン打っていく道具です。




 ドクターを見ていると「梅針」(こちらはバネはなし)を患者さんの脱毛の部分に
打ち付けてちょびっと血がにじむまで傷をつけている。うわっ、痛そう!
そこに今度は綾ちゃんが生姜のスライスをこすりつける、という段取りでした。
うん、やっぱり似てるぞ、バウンシャイト。






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