1週間が過ぎた頃、綾ちゃんの湿疹は明らかに悪化し始めた。
もともとこんなんで入院なんて大袈裟を通り越して恥ずかしいほどの軽症だったし、
恐らくは良くなって行く過程にもサイクルがあるだろうから本人は大して気にしていなかった。自然療法に一時的な悪化は付き物だしね。
最悪の頃から比べたらいずれにしろ全然軽い。
だが医者たちは違った。看護婦さんたちが報告したのだろう、にわかに回診が活気付き(?)色んなドクターたちが代わる代わるやってきた。大先生(なんて呼んだらいいんだろう?病棟で一番エラい先生)まで顔を見せて、
『吉岡さん、悪化したんだって?』
と訊かれて、まあ、本当の事だからハイ、なんて言いながら患部を見せた。
『???そんなにひどくないじゃない!?』
だから、私は最初からそう言ってるでしょう!!でもまあ仕方が無い。
ここのお医者さんたちはもっとひどかった頃の綾ちゃんの悲惨な状態を
見てないしね。入院当初が大したことなかったのでちょっと悪化するくらいは
予想範囲内だったのだと説明したら、
『つまり、あなたはお小さいころからアトピー体質で
こういうリズムを知っているという事ですか?』
なんて訊かれたので、とんでもない、これまで何十年と言う人生で生まれて初めての
体験ですって答えたら、これはとても意外な発言だったらしく、
じゃあ、方針を変えよう
という事になった。
で、どうするの??
綾ちゃんの入院2日目にアンゲリカさんが
3日目にジェシカさんが去りそのあと1週間近く
この部屋は綾ちゃん貸し切り状態になった。
普通食になった初日の昼食。かぼちゃリゾット。
器を変えてお店で出せば間違いなく大ヒットするであろう
美味しさでした。
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