お話しかけていたところだった。
大阪箕面公園 残念ながら名所の滝へは台風の影響で行けませんでした。
実は今回他界した義母もわずかに認知症が芽を出していた。
85歳だから無理もない。綾ちゃん実母も現在進行形だ。
この手の話は昨今あちこちで聞く話らしい。綾ちゃんの近い親戚筋で
やはり進行した認知症の方がいらっしゃる。奥さんの介護に疲れた夫が
やけを起こして親戚のあちこちに迷惑をかけていてうちうちでは悪評高い夫婦だ。
よくよく考えてみるとそのご夫婦のシチュエーションは綾ちゃんの父母の
置かれた状況に酷似している。うちの両親よりも10歳ほど年若いから恥ずかしい。
最近、そこのご主人がお酒に酔っ払って介護の憂さを晴らすべく
綾ちゃん父の元にやってきて認知症の奥様の愚痴を並べた、ということがあったらしい。
その時綾ちゃん父は言下にこう言ったということだ。
『いいかい、良く聞きなさい。私はね、あんたが今から五十年前(!)に
やってきて皆の前に頭(こうべ)を垂れた時のことをよーく覚えとるよ!
あんたはこう言ったんだ、この人を私にください。私はこの人と
どうしても結婚したいんだ、と。あの時ね、あんたに彼女を任せたいと
考えとった人は親戚内でだーれもおらんじゃった。あんたが、あんたたちが
どうしても一緒になりたいと言ったからしぶしぶ承知したのであって
誰一人あんたに頭を下げてこの人をもらってやってくださいなんて
言わんかったよ。そのあんたがどうして嫁の悪口を言えるんじゃ。
どうして嫁の生涯に責任を持ってやろうとせんのじゃ。
そりゃあきついさ。嫁がアルツハイマーになるなんて予測もせんじゃったさ。
だけど男はいつでも、人生のどんな時でも向かってくる試練から顔を背けちゃ
いかんだろうが!』
自分自身がいつ人生を終えるかわからない再来週89歳になろうという
綾ちゃん父がこれほどまでに誇り高く人生の矜持を持っていたということに
改めて驚きまた尊敬の念を新たにした綾ちゃんだった。
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