2013年6月16日日曜日

ぎゃーてい、ぎゃーてい、赤子の叫びと般若心経の極意



   十牛図で盛り上がっている最中、主人が突然素晴らしい本を見つけてきました。



       
般若心経絵本


実は私は禅宗には関心が無くって(うちは浄土真宗西本願寺派なんでね)
般若心経には一通りの興味しか抱いていなかったんですけどこの本には心から
感動いたしました。
即ち色即是空の教えを広大な海に浮かぶ波の多様な形に例えた比喩。






それから特に羯諦羯諦、波羅羯諦(ぎゃーてい、ぎゃーてい、はーらーぎゃーてい)の
マントラのくだりを赤子が母親を求める無心な叫びに見立てた説明には心の底から感動して
しまいました。                                  


偶然と言うのはそれを求める心が見せる現象なのだと改めて感じました。


そしてあるいはそれを人は時に奇跡と呼んだりもするのです。


こういった「教え」が必要な時期に来ているってことなのかな?



とにかくオススメです。この本。







2013年6月15日土曜日

お灸はやっぱり効くね






         最近手が痛い。どうも職業病だ。




 私は指圧を毎日患者さんに施しているがうちは一回の施術30分。延長無し。
一日平均5人くらいかなあ。私が担当するのは。最近家庭の事情で勤務時間を
減らしてもらったから以前みたいに一日十人以上が当たり前なんて事にはならない。
これでなんで手が痛くなるのかなあ。やっぱり歳?
マッサージ屋さんなんかで一日中施術してる人は私の比ではないくらい手や腕を
酷使してると思うんだけど、わたしのやり方が悪いのかなあ?力の配分とか力の
抜き加減とかが上手じゃないんだろうなあ。経験浅いし。



 最近患者さんにお灸を据える時、こっそり自分の手の患部を患者さんの患部に
近づけて自分も一緒に治療してます。棒灸だしね。


          

こんなの。自分の手も一緒に暖められる。


すると効果てきめん。おお、癒されてる〜って思います。




お灸、えらい!!

2013年6月14日金曜日

牛を尋ねて〜尋牛〜




             人生七転八起     


            

 もちょっと素敵なんですけどだいたいこんな感じの湯呑みをプレゼントしました。
今日になって先生がやっとで包装紙を解いてくださったのです。んで、達磨大師の話題で
盛り上がっていたとこ飛び込みで日本人の患者さんがいらっしゃいました。



 このブログでは日本人の患者さんのお話は原則書かないつもりなのですがちょっと
さわりだけね。その方は禅宗に大変興味がおありになっていらっしゃる度に禅の話題を
携えて先生にお会いするのを楽しみになさっていらっしゃいます。


 今回、この方は京都相国寺所有の「十牛図」ポストカードをお持ちになられたので
その方の治療の間、(本当は先生のために持ってきた)そのカードを眺めていたら
突然、感動の波がどど〜んと押し寄せてきました。私はやっぱり文学畑出身なので
絵に添えられた漢詩にじんと来るものがあって、もう、心が久々に浮遊する感覚を
味あわせてもらいました。


      

              これは廓庵の十牛図




従来失せず、何ぞ追尋を用いん。
背覚に由って、以って疎と成り、向塵に在って遂に失す。
家山漸く遠く岐路俄かに差う。
得失熾然として是非鋒の如くに起こる。



:
初めから見失っていないのにどうして追い求める必要があろうか?覚めている目をそこからそむけるから、隔たってしまうのだ。外に求めるから、真の自己を見失ってしまうのだ。 真の自己からどんどん遠ざかり、別れ道があると行き違ってしまう。得るとか失うとかの分別意識が火のように燃え上がり、是非の思いがむらがる鋒(刀のほさき)のように湧き起こる。



茫茫(ぼうぼう)として草を撥(はら)って去って追尋す。
水濶(ひろ)く山遥かにして路更に深し。
力尽き神(しん)疲れて覓(もと)むるに処なし。
但だ聞く楓樹(ふうじゅ)に晩蝉(ばんせん)の吟ずるを。



草を撥って、:無明の荒草をひらき、煩悩の葛藤をはらって、
追尋す。:多くの善知識について、真理を追究し、心牛(真の自己)を探究する。
水濶く山遥かにして路更に深し。:どこまで行っても、川の水は広く、山並みは遥かに続くように、煩悩と妄想はいよいよ盛んに湧き起こり、路は果てしなく遠い。
晩蝉の吟ずる:晩蝉はひぐらしのこと。雑念妄想がひぐらしが鳴くように湧き起こるのを喩えている。




 これは禅の悟りを得るまでのプロセスを逃げた牛に例えているものだそうなのですが
始めからそばにあるものをそれと気づかず追い求める様が格調高く唄われる起き上がりの
一句からもう、ぼうっとしてしまうほど感動してしまいました。


 今日は朝の湯呑みに始まって心が高揚する一日でした。











2013年6月13日木曜日

浸水の翌日 ビデオと写真



集中豪雨(私に言わせると夕立が長引いたと言う程度の雨に思えたんですけど)の日の
翌朝の道路の様子を二男がビデオに収めていました。我が家のすぐ側の幹線です。









  写真で見ると結構迫力ありますね。これ、川じゃなくて道路ですもんね。







パッサウ地方などは床上浸水ですから大変な被害です。


ちなみに我が家の地下室の浸水はいまだ進行中です。大分収まっては来ましたが
私が仕事から帰って来ると毎日バケツ3杯分ほどの水が滲み出てきています。 





2013年6月12日水曜日

ドクターのお誕生会




            先生のお誕生日でした。



 うきゃあ、今年はどうしよう、プレゼントどうしよう、っと悩んでいたら
数日前いきなり先生のお気に入りのお湯呑みが壊れてしまいラッキー!、これっきゃ
ない!(おっと、罰当たりな発言)と的を絞る事が出来ました。念のため申し上げますが私は無実です!別に誰かが壊したとかいう訳ではありません。触ってもいないしね。
いつの間にかひび割れていたらしくじわっとお茶が漏れてきました。アンティーク蚤の市で(好きだねえ)求めたもので船の帆船の彫りの入ったとても立派な湯呑みだったから
残念だったんですけどね。でもラッキー!と思った事は事実で即座に私は『先生、私が
お誕生日プレゼントに新しいお湯呑み買ったげます。』って言って、先生が新しいのを
自分で買わないように釘を刺そうとしたんだ。そしたら先生は一瞬考えて『それは
嬉しいね。じゃあ、せっかくだからその日は一緒にごはんでも食べに行こうか。』って
誘ってくださった。


 この会話だけだと私と先生が二人で密会でもするようだが、もちろんそれぞれ家庭持ちの身の上。二家族合流の大パーティと相成りました。最近知り合いの人に教えてもらったって言う安くて美味しいビュッフェバイキングの中華レストランへみんなで行きました。
中華火鍋もあって各自のテーブルで一人鍋を楽しめるようになってました。このお店、
びっくりするほど美味〜し〜かったです。お寿司のコーナーもあってこれがまた
美味かった。






豚の耳を生まれて初めて食べました。
甘辛く煮付けてあって歯触りよかった。
Foto by Jiro Y.



病院は結局19時半まで患者さんがいてそれからみんなで出かけたのですが、更に
遅れてうちの主人が合流したのが20時半頃。ずいぶん遅い夕食会でしたが盛り上がりました。主人が「大学」「中庸」の文庫本を携えてきて、四書五経などの中国古典哲学
の話題に始まって昨今の日中情勢までもう、話題は尽きず。(いや、本当に日中問題ってのはいくらでも話題が出て来るものだ。改めて我ながら感心しちゃいました。)子供たちはマジックで盛り上がってました。先生が酔っぱらって出来上がったらしく
私と女子トイレで遭遇するなどの事故もありましたがとにかく時の経つのも忘れ気がつけばもう真夜中!慌てて家路につきました。



 ちなみに私の買ったお湯呑みはお店の人がとても綺麗に包装してくださいました。
そしたら先生はなんだか開けるのがもったいないと思ったのか、未だ開封せず
ご自分の机に飾ってらっしゃいます。もう、早く開けてくださらないと使えないし
どんなの買ったか人に説明も出来ないでしょう!ということでどんなプレゼントだったのかはまた日を改めて書きにきますね。



2013年6月10日月曜日

反面教師  ③





                 だけどそれは間違いだった。ああん、キビシイもんだ、「仕事」ってやつは。




 彼女みたいな「ベテランさん」だと「指導」もしにくい。やっぱり若い頃にきちんと
修行しとかないと難しいなあ。今更誰も「ちょっと、アンタ、下手くそだね。」なんて
言えなくなっちゃうもんなあ。



 あの頃、午前と午後でアシスタントの質が違うって問題提起したのはリードさん
(仮名)だったけど私はあんまり真に受けてなかったし(というか自分の事で精一杯
だったし)ね。




 私は彼女の施術に文句を付けなかった。にこやかに笑ってお礼を言って規定通りの
料金を支払って家路についた。ヒュウちゃん、正直言ってものすご〜く勉強になったよ。
そう、私だけではないはずだ。「ありがとう。」ってにっこり笑って心の中で「いや、
こりゃあ、二度と来れないなあ。」って思うお客さん、たくさんいるはずだ。


 うちのドクターが彼女の履歴だけ聞いてほいほい雇ったようにこちらの主も彼女の
「実力」を知らないで雇っているに違いない。いっぱいお客さんを失っているはずだ。




 なんだかヒュウちゃんの悪口をずいぶん書いてしまう結果になったけれど
これが「お仕事」というものの正体だと思う。どんなに「いい人」でもだめなんだ。
働くからには仕事が「出来」なくっちゃ。



      そう、私が仕事が出来なくっちゃだめなんだ。うん。





                 背中のツボ
          私はドイツ人の男性の背中の指圧が苦手。
          大男が多くって力が要るからね。

2013年6月9日日曜日

反面教師  ②






 もう、コメントも出来ないひどさだったんだけど必死で頭を回転させながら一体、彼女の施術のどこがどういけないのか分析しながら痛みと不快さに耐えていた。とにかく
ツボどころか基本的な解剖学の知識が頭の中に入っていない、または目の前の施術と
結びついていない。おそらく一つ一つの動作を(どこで誰に教わったのか知らないが)
自分自身で試した事が無いに違いない。例え「センス」がなくとも努力で補えるポイントを全てすっ飛ばしている。想像力とか相手への気遣いとかそういう言葉が頭の中を飛び交っている。



 人間の身体は一人一人体質や感受性が違う訳だからいわゆる「相性」だってある。私自身にしても患者さんから「ダメだし」を食らう事はしょっちゅうだ。うちのドクターでさえ
指圧施術のあと「ドクター御自らの指圧だったんだけど、私は吉岡さんの方が上手だと
思うわあ。」なんて言っちゃってくださる患者さんも(まれに)ある。ただ、今、ここで言う「下手さ加減」はこれとは別次元の問題だ。



 ヒュウちゃんの履歴は確か先生から聞いた限りでは、中国にいた頃看護師さんをしていてその頃研修の一環で指圧の講習を受けた事があるらしい。ドイツに来てからはずっと
指圧のマッサージ屋さんで働いていた。彼女はもう40歳をずいぶん超えているから
今の仕事に就いてキャリアも長い。医学の基礎知識もあって指圧もベテラン、ということで一も二もなくうちの病院で雇われた訳なんだけど、ドクターは彼女の事をあまり気に
入ってらっしゃらないようだった。彼女が辞めたあと聞いたんだけど「ひとつひとつの
仕事に心がこもっていないし、患者さんはすぐそんなの見抜いちゃうんだよ。」と
おっしゃってたっけ。ヒュウちゃんはヒュウちゃんで労働条件に不満があった。
マッサージ屋さんにいた頃の方が稼ぎがよかったなって。私は職業に貴賤があるとか
いう理由じゃないんだけど、どんなにお給料よくてもマッサージ屋さんで働く気には
なれない。健康な人には興味湧かない(!)人なんだ、私ってさ。


 私たちは皆彼女はベテランさんだから仕事を基本から教えてあげる必要なんて無いと
思っていて特に研修のような事をしなかった。仕事の手順を教えただけだ。素人は私の
方だったから皆、当時、私の「教育」に関心が向かっていたのだ。


(つづく)




              手のひらのツボ(左手)