ハルさんの病状が私には今ひとつ理解できなかった。
具体的には足の傷だ。右のくるぶしの辺りからふくらはぎにかけて
大きな傷口が見えている。外科?事故にでも遇われたのかな?
先生はハルさんの傷口の包帯を解いて粉状のお薬を振りかけた。
傷口を乾燥させるのだ。
最初はちょっとした怪我だったらしいのだが2週間ほど全く治る気配を
見せず敗血症を起こしたらしいのだ。
あの頃は私も今よりずっと経験が浅く、なぜそのようなことが起こるのか
不思議だった。
でも例えば時期を同じくしてループスのおばあちゃんの身の上にも同じような「出来事」が起こっていた。ベランダで椅子を移動させていたおばあちゃんは足を椅子にぶつけて
小さな出血を起こした。傷口は2センチほどの小さなもの。けれど何時間たっても
出血は止まらない。出血量もどんどんひどくなる。結局救急病院のお世話になったが
傷口を縫うことは出来ずテーピングで止血した。その傷はその後5ヶ月ほど(!)
開いたままだった。
ハルさんのケースは彼が消化器系の不調で17年間抗生物質を摂り続けていた
というところから端を発しているものらしかった。
彼はただの怪我をしただけの患者さんというより重大な病気を抱えている
疲れたお年寄りに見えた。
そして幸いなことにずっとふさがらなかった傷口は先生の治療の成果が
すぐに現れて三日ほどで完治した。
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