2016年6月8日水曜日

「無理」しなくっちゃ菜食なんてできないお国柄





   ヴェジタリアニスム(菜食主義)という言葉は西洋発だけれどその歴史は浅い。



  日本から初めてドイツに来た頃、意外にもドイツではヴェジタリアン文化が
 浸透していて(今にして思えばあれは「流行り」の最中だったのかも?)大学の
 学食の定食だったりレストランにもヴェジタリアン食あります!の札がかかって
 いたりして菜食人口の多さを伺わせた。そういえばいつぞや紹介した大学の
 友人ミヒャエルも菜食だった。綾ちゃんがミュンヘン大学で知り合った友人は
 その多くがヴェジタリアンだった。



  ドイツでエスニック料理が流行りだした背景にヴェジタリアン人口の増加が
 挙げられると思う。ドイツ料理ではあまりにも限界のある野菜食。



    なんだかんだ言って日本ではヴェジタリアン文化は浸透してはいない。
   綾ちゃんは意外にも日本で外食するときファミレスとかでご飯に困るときがある。
   カレーとかグラタンとか庶民の洋食ってまずどこかにお肉入ってるもんね。
   お肉食べないっていうとカラダ大丈夫か?って顔で見られるし。
  

           まっ、当たり前ちゃあ当たり前だ。



    これは日本が遅れているとかいう問題ではなくて日本はもともと菜食に
   ごく近い文化だったわけで今更お坊さんでもあるまいし普通食と菜食を
   切り離したりしない。日本ではお肉を食べない理由を宗教以外で理解することが
   できないんだ。動物虐殺とか、おかしいでしょ、豚を殺すのは可哀想で
   魚はいいとか、じゃあ植物を食べるのはいいのかとか、このまま捕鯨問題にまで
   発展しそうだな。こういう点、実は日本人の方が西洋人よりずっと「論理的」
   だと思う。




         日本にいればおうちごはんで食べ物に困ることはない。



    うどん食べて納豆食べて豆腐食べてわかめスープ飲んで野菜の天ぷらに
   大根おろし、博多はもずくが美味いし、、エトセトラ、いくらでも思いつくし
   自分の好きなもの食べてて今更菜食しているなんて意識もない。


                

もずく酢。美味しいよ。


    でもドイツではそういうわけにはいかない。狩猟民族だもんね。
   ご飯というのはお肉のことで主食はじゃがいもでそれ以外のお野菜は添え物。
   だいたい気候の厳しいドイツにもともと育つ伝統的な野菜なんてじゃがいも
   人参、(硬いから)キャベツの酢漬け、以上でおしまい、なんだもの。


        本来「無理」しなくっちゃ菜食なんてできない。



    つまり、ヴィーガン食品なんて流行っててそのくせ結局代用肉を使って
   西洋食の「ものまね」食品を食べるしかない不自然なやり方が矛盾を
   誘う。健康な筈のヴィーガンなのに添加物だらけの出来合いインスタント食
   だと結局本末転倒を招くだけだ、ということを言いたいわけなんです。








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