綾ちゃんの知り合いの男の子は留学中、奨学金給付団体からの取り決め、
即ち、ドイツ語中級を終えて大学の正規学生の登録をすること、大学寮、
またはそれに準ずる住宅に居住すること、等の条件をクリアすることが
できぬまま、お茶を濁した状態で(大学には聴講生登録をしてそれと
語学学校の初級終了証、アパートの契約証で)なんとか奨学金を
打ち切られずに過ごすことが出来た。
ただし、彼は本来、裕福な家庭の出身で親御さんから相当額の資金援助を
受けていた。彼は予算的には私費留学に切り替えても全くやっていけたが、
もちろん公費留学のステイタスの高さは日本もドイツも変わらない。
だからできるだけ現状維持でやっていくために随分焦ったし、時間と労力の
浪費も多かった。まあ、若かったしね。
でも今になって思うと色々なことがばかばかしく思われる。
特に家探し。
不動産屋さんに頼めば一発で良い物件を紹介してもらえたのだ。手数料だって
家賃の一ヶ月分なのだからそれほど滅茶苦茶とは言えない。家賃だってもっと
払えた。たった1年の貴重な時間をストレスで台無しにする云われは無かった。
海外で専門の勉強を深めるという本来の意味からいうと、どたばたして
あっという間に経った一年で「ドイツでの生活方法」を「学んだ」に過ぎない
みのり薄い日々だったと思う。
ただし、彼は何と言っても若かったので、この一年は彼の人生においては
まるきり無駄どころか大きなモチベーションになって彼に働きかけた。
その後始まる彼の長い研究生活のすべての端緒はこの日々にあったのだ。
まあ、失敗ばかりの日々だったけど、それが未来への活力を育んで
ええー?オクトーバーフェストの行列みたい!!結婚式かな?
携帯指差して「撮ってもいい?」ポーズしたら「いいよー!」って
許可いただきましたー!
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