2013年4月11日木曜日
夫と妻と犬と私 ⑰
それにしても、この一家(??みんな同じ姓を名乗っているがパーシー以外の三人は
誰も血のつながりが無い)皆、「患者さん」としては理想的に素晴らしい人たちと
いえる。そりゃあ、私だってうちのドクターは腕のいい人だと思っている。
そうでなくっちゃ私はきっとここにいないしね。でもそれにしても治りが早すぎや
しないかっていうほど早く効果が現れた。
4番目の奥さんである謎の能力を持つ彼女は腫瘍摘出の後不眠症と頭痛に悩まされ続け
この半年、一度としてきちんと眠れた事がなかったらしいが、なんとうちの治療を
受けたらたった一度でぐっすり眠れたんだって。
一応、まぐれってこともあるからその一週間はずっとご主人と一緒にいらしたけどね。
そしてつまり私(たち)はこの一週間、ご主人の治療中にはご主人との会話にぽおっとしたりわくわくしたりして、今度は奥さんの治療室に行くとスピリチュアルな話題におおっと驚きの声を上げるという、またしても起伏に富んだと言うか飽きないというか面白い事が続く日々を味あわせてもらっていた。
(つづく)
腎系の弱い方は意外と多いんですね、
そんな方には六味地黄丸がおすすめです。
2013年4月9日火曜日
夫と妻と犬と私 ⑯
驚くべき事に、彼女はこれまでの人生で3度手術を受けているとの事だ。
麻酔なしで。
一度は口腔外科。ひいぃ〜!あごのところに穴をあけたらしい。2度目はくるぶしの
故障で(このときレントゲンを撮って子供の頃の骨折が判明したとのこと)腱の手術を受けたって。これも痛そう。3度目が今回の手術で胸の上部にできた良性腫瘍の摘出術。
彼女はとにかく手術台に横たわってすぐにトランス状態に入れる。自分の意識を
10歳のときの「あのときの痛み」の状態を思い出すとすぐに意識のチャンネルを
切り替える事が出来るのだそうだ。ただし、これまでの経験上、その時間はだいたい
2時間で2時間過ぎるとどうしても痛みを感じ始めてしまうらしい。そこで、そろそろ
終わりだぞ、と思うと右手を動かして合図して早く終わってもらう(!)のだそうだ。
そうして彼女は今回、良性腫瘍を摘出してもらったらしい。
(つづく)
いやあ、私なら麻酔で眠らせてもらった方がいいなあ。
夫と妻と犬と私 ⑮
彼女の「能力」は生まれつきのものなのかと思っていたら、はっきりとした
「きっかけ」があるらしい。
曰く、彼女が10歳の頃、3歳年上の姉とともに自転車で二人乗りをして遊んでいたときの事、自転車が横転して後ろに乗っていた彼女は右足をタイヤに巻き込まれてしまうという事故に遇ったそうだ。お姉さんはとても慌ててなんとか彼女の右足をタイヤから外した。妹に痛い想いをさせた事が親にばれると大目玉を食らうと判断したお姉さんはこの事件について他人に語る事を妹である彼女にきつく禁じたのだそうだ。だが、足のけがは
ただごとではなく痛み、時間が経っても良くなるどころかますますひどくなる。堪え難い痛みの中で彼女は自分の「意識」を自分から「はずして」耐えたのだそうだ。
痛みが本当に引いてしまうまで数ヶ月を要した。彼女は痛みの発作が来るたび「意識」のチャンネルを変えてしのいだ。後に20数年後足のレントゲンを撮る機会があり
その際、複雑骨折を起こしていた(!)のだという事を識る。
それ以来、「意識のチャンネルを変える」ことが痛みから逃れるだけの用途でないとこに様々な偶然から気づかされていったのだと言う。不思議なもので動物たちは、自分たちと同じレベルの意識状態を彼女が持っているという事にすぐに気付くのだと言う。
言葉を持つ前の赤ちゃん、動物、それから本能に頼って生きている脳障害児童とは
同じようにわかり合えるのだとか。
(つづく)
ミュンヒェン日本人学校は明日が入学式です。
2013年4月6日土曜日
夫と妻と犬と私 ⑭
『目を見れば全てがわかるのよ』
そう彼女は言った。
曰く、彼女の専門は重度脳障害児童でコミュニケーションの方法がほとんどない
子供たちだったのだそうだ。こういった子供たちと接するにあたって色々なやり方、
マニュアルの類いがあるらしいのだが彼女はそれらのいずれも必要なかったらしい。
全てを「己の本能に従って」行っていたのだとか。
即ち、子供の目をじっと見つめる。子供の「声」を目の中に捜す。すると浮かび上がって来るのだそうだ。彼らの「声」が。そこでもう一度本物の声に出して確認する。
多くの子供は話す事も身体を動かす事もままならないのでまばたきで返事をする。
他の誰よりも子供たちの「声」を聞く事が出来たから子供たちにとても愛されて
仕事ができたそうだ。
適材適所とはまさにこのこと。
これは城崎温泉の桜だそうです。満開の桜、懐かしいなあ。
3月11日に福島復興支援&脱原発コンサートをヴァイオリニストの
ヤンケ有紀さん、日本人会女性コーラスの方々と行いました。
コーラスの方々が歌った「さくら(独唱)」(ドイツ語訳詩付き)
には泣けました。ドイツ人の方々もいっぱい泣いてた。
脱原発運動は生涯を通して続けていきます。賛同の方は是非
ご連絡ください。ドイツにはいっぱい仲間がいますよ。
2013年4月3日水曜日
夫と妻と犬と私 ⑬
昨日のブログで話題にした小説は伊坂幸太郎の「オー!ファーザー」でした。
彼女の職業は障害児介護士でした。
ちなみに彼女の夫は精神科医で音楽療法の専門家なのでおそらくその辺りの「つながり」なんだと思う。2番目の妻であるガルミッシュのおばあちゃんと比べるとちょっと
陰気で内にこもった感じの人。内省的っていうのかな、とっつきにくいのかなっと
思っていたら意外におしゃべり好きな人だった。
彼女は自分の「特技」を生かしてこの職業に就いたのだとか。つまり、「言葉」を
用いないでテレパシーを使う、という意味。彼女は森のお散歩が日課なんだそうだけど
ありとあらゆる動物が彼女に寄って来るそうだ。
「森」というのは「ドイツの」森です。そう、あの、ヘンゼルとグレーテルの。
ちょっと10分、20分のお散歩とは訳が違うんだと思います。だって、彼女に「ついて来る」動物のリストって、鹿だとかリスだとか狐とかウサギとか鷹(!)だとか、
普通のお散歩で出くわすような方々ではないんですもの。まさに白雪姫の世界!?
そして、彼女曰く、施設の脳障害児たちとも全く同じ方法で「語りあえる」
らしいのです。
(つづく)
2013年4月2日火曜日
夫と妻と犬と私 ⑫
伊坂幸太郎の小説だったと記憶してるんだけど、確か4人の夫と
常時不在の妻と(誰の実子かわからない)息子が同居してみんなで
仲良くやっていくってお話があった。ほんわかした良作だった。
現実離れしているから、面白くって暖かい小説に仕上がっていた。
そう、現実離れしているから。
ああ、ああ、本当に来ちゃったよ。こっちは現実だよ。「私の妻です。」って
アンタ、何考えてんだ!まさかこれはないだろうと思っていた風景に脱力。
今日のメンバーは夫と妻とパーシーとそれから • • • 犬。
とっても可愛くって人懐っこくって私を見ると「大好き!大好き!遊んで!」って
後ろ足立ちでだっこをせがむ。
まあ、かわいいって私がだっこしたりなでたり、、、出来る訳無いでしょう!!!
私は今、仕事中なの!ここは病院なの!たとえ全然病院っぽくない雰囲気でも
他の患者さんに悪いでしょう!患者さんにだって触れるんだから素手で犬に
触れたり出来ません!!、、、とは怒らず努めてにこやかに、
『ごめんね。可愛いわんちゃん。私はあなたをなでてあげられないの。
おとなしくしてられるかな?』
するとわんちゃん、突然私の ひざから離れ、おとなしく座った。
どうも言葉がよくわかるらしい。
『そう、その子はね人間の言いたい事がすごくよくわかる仔なの。』
奥さんはそういった。
『私はね、どんな動物とも話が出来るの。ベラ(犬の名前)はいつも
私と話しているから人間の言葉がまず何でも理解出来るのよ。』
こ、この奥さん、何者?
(つづく)
馬と鹿って交配出来ないんでしょうね。
ちなみに馬とロバの交配したものは漢方薬の材料にあります。
2013年4月1日月曜日
夫と妻と犬と私 ⑪
ガルミッシュのおばあちゃんの元夫で音楽家兼医学部教授の彼(長い!)の
疾患は驚異的な回復を遂げた。しかも3日で!
84歳という高齢からは信じがたい回復例といえる。彼曰く、これまで何年も色々な
医者にかかってきたのにどうしても改善しなかったのだとか。鍼もドイツ人の医師のもと試してみた事があるが全くだめだったので自分には向かないと思っていたのだと。もう、喜ぶ、喜ぶ、喜ぶ。そうだよね。わたしらも嬉しいよ。アンタたちには苦労させられたし。精神面でね。なんていうか、おばあちゃんと元ご主人との板挟みで「自分」を
保つのが難しかったんだ。こちらもいい勉強になりました。
予後のため一応、予定通り一週間は結局いらっしゃった。パーシーはその間、
ずっと毎朝運転手役に徹していた。
後に聞いたところでは、うちのドクターが名医だと彼に告げたのはパーシーであった
らしい。そうじゃないかと思ってたんだ。ガルミッシュのおばあちゃんがうちの先生を
心から信頼しているのはよく知っている。うちの病院の事をとても大切に想ってらして
彼女にとってうちは一種の「隠れ家」のような場所になってるんじゃないかと思うんだ。
だからおばあちゃんがわざわざ元夫を「連れてきた」ことに違和感を感じていた。
そりゃあ、人として誰か困ってる人がいたら大切な情報でも出し惜しみしないで教えて
あげるべきだし、おばあちゃんはそういう親切な心根をお持ちの方だ。(彼女のペンションには受付にいつもうちのパンフレットが常備されている。)でも、相手は
こんちくしょうの(!)元夫でしかも医者なわけだし、私ならわざわざそういう
おせっかいするかなあ?わかんないなあ、と思う。
まあ、とにかく終わり良ければすべて良し、めでたく一件落着。
• • • では済まなかった。
何で?まだ来週も来るの?まあ、ご高齢だし、予後のためこちらにいらっしゃる間は
通ってくださるのも嬉しい限り(ウオッホン!)なんですけど。まあ、いいか。
良くなあああああああいい!
嘘でしょ!冗談も程々にして欲しい!Hr. & Fr. につづく女性の名前は
またまた新患。まさかの、4番目の妻。
ってことは、まさか、ね?さすがに、それはないよね。
(つづく)
TÖLZER KNABENCHOR Mahler, Symphony No.3, BimmBamm by Jansons
少年たちの最前列左から2番目が二男です。ちょっぴり映ってます。
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