2013年4月9日火曜日
夫と妻と犬と私 ⑮
彼女の「能力」は生まれつきのものなのかと思っていたら、はっきりとした
「きっかけ」があるらしい。
曰く、彼女が10歳の頃、3歳年上の姉とともに自転車で二人乗りをして遊んでいたときの事、自転車が横転して後ろに乗っていた彼女は右足をタイヤに巻き込まれてしまうという事故に遇ったそうだ。お姉さんはとても慌ててなんとか彼女の右足をタイヤから外した。妹に痛い想いをさせた事が親にばれると大目玉を食らうと判断したお姉さんはこの事件について他人に語る事を妹である彼女にきつく禁じたのだそうだ。だが、足のけがは
ただごとではなく痛み、時間が経っても良くなるどころかますますひどくなる。堪え難い痛みの中で彼女は自分の「意識」を自分から「はずして」耐えたのだそうだ。
痛みが本当に引いてしまうまで数ヶ月を要した。彼女は痛みの発作が来るたび「意識」のチャンネルを変えてしのいだ。後に20数年後足のレントゲンを撮る機会があり
その際、複雑骨折を起こしていた(!)のだという事を識る。
それ以来、「意識のチャンネルを変える」ことが痛みから逃れるだけの用途でないとこに様々な偶然から気づかされていったのだと言う。不思議なもので動物たちは、自分たちと同じレベルの意識状態を彼女が持っているという事にすぐに気付くのだと言う。
言葉を持つ前の赤ちゃん、動物、それから本能に頼って生きている脳障害児童とは
同じようにわかり合えるのだとか。
(つづく)
ミュンヒェン日本人学校は明日が入学式です。
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