2014年10月26日日曜日

その重荷が生き甲斐だった




                 『娘の容体は悪くなったの。ここに通っていた頃と比べ物にならないほど。
    わずかに出来ていた発語もままならなくなって身体機能も衰え外出も
    簡単には出来なくなってしまったわ。』
 

                  おばあちゃんは日常のひとつひとつが苦痛の連続のようで口を開けば
    辛い物語、何度も何度も涙する。



                   でも、そんなに大変な娘さんを家に置いてきて大丈夫なの?


                    『娘は 、娘は、ああ、もういないの。あいつが連れて行ってしまったわ。
     あいつは娘を私から遠ざけて私に会わせてくれないの。』


                      「あいつ」というのは彼女の「夫」であるとのことだ。




お医者さん発見




くー!たまらん!欲しーい!


2014年10月25日土曜日

重荷

               


        患者だったのはもともと彼女のお嬢さんの方だ。
    

           綾ちゃんとほぼ同い年の。


                     障害者の御家族の抱える問題というのは計り知れない。
     障害者本人が高齢に達すれば介護人はもっとご高齢になるのは道理で
     社会保障率の高いドイツでもかなり難しい。




                       特にこのケースでは40歳を過ぎたお嬢さんが突然の脳卒中で
     要介護の脳障害者になってらっしゃるので周囲の抱えるストレスも
     突然訪れただった。


                     お嬢さんは医療の現場で出来うる事をやり尽くした後、うちの病院に
     やって来た。卒中の発作からはもう何年も過ぎていた。


                      初回の鍼治療の直後、車椅子から立ち上がって壁づたいに20歩ほど
     自立歩行が出来た奇跡には皆が涙した。これだけ自立すれば
     トイレに一人で行ける!


                       その後は3ヶ月ほど通院なさったけれども言語障害の方は
     これといって目立った回復は望めず

         「やれるだけのことはやった」

     とそれなりに’納得して治療を打ち切った。



      あれから彼女のこと、押しの強いおばあちゃんのことを
     時々思い浮かべてどうしてらっしゃることかと幸福を祈ることは
     あったが、このようにおばあちゃんが一人でご自分の治療に
     来られるとは予測していなかった。


       要介護のお嬢さんはどうしたのかしら??

    

ミュンヒェンマーク


2014年10月24日金曜日

『治さなきゃならないの。』

         


        『ねえ、あなたは私の病気を治さなきゃならないの。
       治さなきゃならないの。ならないの。』



                呪いの呪文のように耳元でささやく。



                 これだけ高額な治療費を請求するのだからとかこんなに遠くから
    私は足を運んでいるのだからとか、つまり一切合切の恨みつらみを
    この一言に込める。


                      『治さなきゃならないの。』



                こちらとしては、請求額は医療「行為」に対して発生するもので、とか、
   回復の約束は法律上出来ない、など型通りの説明をしながらも
   そういった手続き上の「逃げ口上」が何の意味も為さない虚しさを
   ひしひしと感じている。


                 年老いた魔女の吐く呪文には異様な迫力があり、綾ちゃんなんぞは
   簡単に押し潰されてしまう。これは法律などの決まりごとを超えた
   「人と人との」「対決の場面」なのだ。


                だからたとえ我々の治療が彼女にとって何の役に立たなかったとしても、
   極端な話、我々が詐欺を働いたとしても彼女は我々を訴えたりしないし
   そもそもそういう話ではないのだ。



    こんな、自分だけの理屈で生きているおばあちゃんが穏やかに
   日々を過ごしているわけがない。ストレスがストレスを呼び限界に
   達している。

      そんな彼女と最近連日のように付き合っている。 






昨日のブログで出し忘れていました。
コンクールで綺麗なお姉さんが聴衆者票を
集めています。


2014年10月23日木曜日

ARD、エクソシストすればよかった??

                 


       コンクールというのは様々な意味合いでお祭りだ。
    反対に言うと「お祭り」の域に到達出来なかいコンクールは
    自然淘汰される運命にある。


                  栄誉と賞金、何より「お仕事」をもらえる。各社音楽プロデューサーが
    目を光らせ次の「スター」を探してる。

                    さて、本番今年のファイナリスト三人は三つの課題曲の中から二人が
    ドヴォルザークを一人がシェスタコーヴィッチを選んだ。




その時の演奏(ドヴォルザーク 3楽章)
一位をとったIstvan Vardaさん
ちなみに綾ちゃん&審査員席は
テレビ放送では全部カットされてました。

                                         

                     綾ちゃん的には残念。誰も選ばなかったエルガーのコンチェルトを
    一番楽しみにしてたのに、、、。でもドヴォルザークも超名曲!
    シェスタコーヴィッチの曲の方は綾ちゃん、実は知らなかった。
    夫に尋ねたら、これもすごく有名な良い曲だよって。
    でも前予習するヒマがなかった。

                   このくらいの大コンクールになるとネットでライブ中継がある。
    綾ちゃんのお席は審査員席真後ろ!きゃあ、緊張お!お願い、カメラさん、
    美しく撮って!(おいおい!)息子なんて、本番中何度も設置カメラに
    じっくり撮られたって。やったぜ!息子、テレビデビュー!(←ばか)



                   先に結論から言うと、息子は全然映っていなかった。審査員席が
    映し出される瞬間、綾ちゃんのおかっぱ黒髪が(まるでちびまるこの
    漫画のように)黒いかまぼこ型の影が何度も浮かび上がった。
    後部カメラばかりが採用されたんだな。我々のすぐ近くに
    あったカメラは近くというよりプレーヤーの表情を撮るのがメインの
    仕事だったらしい。


            




                    ネットのアーカイブを見た夫は



                      『ダメだよ。本番中にくるりと後ろを振り返ってにっこり笑う位の
      ことしなくっちゃ。』

                 とのたまわった。(するか!エクソシストだ、それじゃ。)




2014年10月22日水曜日

ミュンヘン音楽コンクール(ARD Wettbewerb)

        



          ちょっと以前の話題に戻りますがお出かけネタをもうひとつ。



                   9月初旬、ミュンヘン国際音楽コンクールへ足を運びました!!
    会場はミュンヒェンの中心地、宮殿レジデンツ内のヘラクレスザール。



                  これは若い音楽家の登竜門。とても権威のある音楽コンクールです。



                   書類選考の後、一次、二次、三次まで厳しい予選があって
     三人のファイナリストに絞り込まれます。そしてファイナルでは
     課題曲三曲の中から一曲を選んでバイエルン放送響とコンチェルトを
     競うのです。



                       音楽コンクールというのは「お祭り」なのでそれぞれに趣向を
     凝らしてあるものですが、ARDの「醍醐味」は何と言っても
     観客参加型(投票)の「聴衆者賞」の存在です。
     聴衆の心を最も「掴んだ」プレーヤーは「聴衆賞」という名の
     名誉に預かります。



                        三年サイクルで各種目のルーテイーンです。今年はチェロの年なので
     行ってきました。
     (ピアノ部門は審査員として日本から小山実千恵さんがおいででしたね。)


                         審査員たちも有名なプレーヤー揃い!綾ちゃんたちは審査員たちの
     真後ろの席でした。おお、ダニエル ミュラー=ショットだあ!
     カッコいい!シュタルンベルクのコースで一緒だったんだけど
     レッスンは受けなかった。


                             コンクールの始まり始まりい~!


審査員席。審査員たちは拍手で迎えられます。




ダニエル ミュラー=ショット




2014年10月21日火曜日

天使が変えた「気」の流れ

                  


              天使さんがやって来た。


      天使(エンゲル)を名字に持つ人はドイツ人に多く、彼女もその一人である。
  (名字の中に組み込まれている、という意味。) 


           彼女は確か、2年ほど前に吹き出物の悩みで三ヶ月くらい
    通院してらした学生さんだ。吹き出物が顔を覆っていても彼女の若さと
    美しさは見間違えようもなく、陽気だけどしとやかな立ち居振舞いは
    良家に育った証に見える。




             前回、彼女はかなり早い段階で完治していたが、うちの病院を
    いたく気に入って下さってウエルネス替わりに、平たく言えば
    お昼寝に通っていた。


                そう、ウエルネス!!




           いつの頃からか、このお金持ちの暇潰しっぽい人々がとんと姿を
     見せなくなっていた。保険会社がこうした出費に対して還付金を
     渋りだしたからだ。




              以前は何だか煙たく思えていたこのスノッブ族も懐かしくて
     愛しく思えるじゃないか!いやいや、エンゲルさん、あなたは
     誰に対しても丁寧で気持ちのいい方だものね。あなたのことを
     言ってるんじゃないの。



                    『ドクターお元気かしらって久し振りに電話してみたら、
      電話口で泣かんばかりに喜んで下さったものだからって私ったら、
      もしかして患者さんが少なくなってお困りなのかしらって
      こっそり心配してきたの。あら、ご免なさいね。失礼なこと
      言っちゃって。でもなあんだ、私の取り越し苦労だったわね。
      むしろご迷惑だったわね。こんなときにのこのこ現れて。』



                       鋭~い!大正解い!そうでえす!私共はヒマだったのでーす。
     いいなあ、エンゲルさん、そのおおらかさ。


      が、今日はどうしたことかこの忙しさ。息をつくヒマもなく
     次々に患者が訪れる。
     げげ、明日も、明後日もお?


            勘弁だわ。


                        『ほら、今年も残すところわずかでしょ。お陰様でこの一年、
      風邪ひとつひかずに元気でいられたからここはウエルネスってことで
      「気」の流れをドクターに整えてもらおうって思って。
      それから吉岡さん、あなたの指圧とお灸も楽しみにしてるわあ。』



                           いいなあ。幸せそのもの。


                   天使さん、あなたが良い「気」を運びいれてくれたのかも。

            またまた忙しい日々が戻ってきました。皆様のおかげです。
   (もちろん、侮るなかれGoogle!なのですけど)




お医者さん
よく見ると床屋かも



看護婦さん


2014年10月19日日曜日

宴 ・ Augustinerばんざ~い!

          



       独日協会理事のAさんの計らいで歌枕直美さんコンサートの後の
   打ち上げに混ぜてもらった。コンサート会場がミュンヘンど真ん中、
   マリーエン広場近くだったので近所のアウグステイーナービアハウスへ。


        


                ご存知の方も多いと思うが、このアウグステイーナー(Augustiner)は
         ミュンヘンっ子に最も愛されているビール屋さんです。


                 有無を言わさずここのビールがミュンヘンで一番美味しい!

             



       

               ミュンヘンで一番旨いということは世界一!ウマイ!ということで
     あーる。やったー!!ぱちぱち!


                   日本からのお客さまにここのビールを飲んで頂けるのは在住者として
     誇らしいです。



                     ということでテンション上がりまくりの綾ちゃんはブログ用の
     写真撮りなぞ忘却致しておりました。



                       綾ちゃんは スタッフ(音響、脚本その他を取り仕切ってらっしゃる
     本職は技術者兼内科医という異色)のSさんとついついお話にのめり込んで
     しまいました。日本の政治の行く末その他、もう話題は尽きない。
     主婦だって政治や社会の話をしたい!!貴重なご意見、ものの見方を
     教わり、楽しかったあ~!

                 来年もコンサートに来て下さるとのこと。

                       楽しみにしています!




歌枕さんといっしょに