『ねえ、あなたは私の病気を治さなきゃならないの。
治さなきゃならないの。ならないの。』
治さなきゃならないの。ならないの。』
呪いの呪文のように耳元でささやく。
これだけ高額な治療費を請求するのだからとかこんなに遠くから
私は足を運んでいるのだからとか、つまり一切合切の恨みつらみを
この一言に込める。
『治さなきゃならないの。』
こちらとしては、請求額は医療「行為」に対して発生するもので、とか、
回復の約束は法律上出来ない、など型通りの説明をしながらも
そういった手続き上の「逃げ口上」が何の意味も為さない虚しさを
ひしひしと感じている。
年老いた魔女の吐く呪文には異様な迫力があり、綾ちゃんなんぞは
簡単に押し潰されてしまう。これは法律などの決まりごとを超えた
「人と人との」「対決の場面」なのだ。
だからたとえ我々の治療が彼女にとって何の役に立たなかったとしても、
極端な話、我々が詐欺を働いたとしても彼女は我々を訴えたりしないし
そもそもそういう話ではないのだ。
こんな、自分だけの理屈で生きているおばあちゃんが穏やかに
日々を過ごしているわけがない。ストレスがストレスを呼び限界に
達している。
そんな彼女と最近連日のように付き合っている。
昨日のブログで出し忘れていました。
コンクールで綺麗なお姉さんが聴衆者票を
集めています。
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