そんな日々が続きおばあちゃんは病院を訪れるたびにオンオン泣いて
近況を語るというパターンが繰り返された。彼女から聞かされる話は
どれも聞くに耐えない酷い話で、これほど醜悪な環境でいつ終わるとも
知れない地獄を高齢の身の上で引き受けるのはさぞかし大変なことだろうと
同情を禁じ得なかった。
おばあちゃんがやって来ると先ずお茶を一緒に飲みながら
綾ちゃん、ドクター、おばあちゃんの三人で近況を尋ねる。
一通り涙にくれたあと、治療室に場所を変えて綾ちゃんが
足の反射区マッサージをしてあげる。夜、まるきり眠れない
おばあちゃんはここでだけはぐっすり眠れるとおっしゃって
いびきをかきながら熟睡。爆睡。良かった。
最近、ヒマだったからね、うちの病院。彼女のために
たっぷり時間が取れる。
指圧が終わってドクターにタッチ交代すると、ドクターはなんと
彼みずからもう一度指圧マッサージをしてあげる。
これは料金取らないサービスだよ。他に緊急の用がない限り
随分長い間身体を揉んであげながら世間話(大抵はおばあちゃんの
昔話)を二人きりでしていた。
時間を取ってあげられないときは吸玉療法をしてあげる。
最後に鍼を打ってチャイムを手のひらに持たせたら治療おしまい。
鍼が全身に刺さった状態だけど赤外線ランプもつけてぬくぬくお昼寝。
起こして欲しいときにチャイムを鳴らしてくれればいい。
これにお灸が加わるパターンもあるね。
治療が終わるとだいたいお昼の12時。マイさん特製野菜スープを
飲んでから家に帰る。
おばあちゃんにとって今やうちの病院での治療タイムだけが
大きな心の安らぎの時間となっているのは明らかだった。
お、探偵もう一パターン発見
大集合!壮観!
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