今、改めて思い返すとあの頃うちの事務所には
9人のスタッフがいた。
管理職は支店長以下2人のマネージャー。現地職員として
男が4人、女性が5人、この9人のうちドイツ人は2人
(ミヒャエルとゲンちゃんだ)。2人ともそのテのヒトだった。
若かりし綾ちゃんはそれまで○モだのオ○マだのという人には
お話やメデイアで聞き知ったりしたことがあるだけで
実物を目の当たりにしたことはなかったので、いや〜、
ドイツの人ってすごいな、オープンなんだな、とかびっくらこく
日々の連続だった訳です。
それに比べるとミヒャエルと綾ちゃんと同期で入社した
日本人男性社員のTさんは、なんていうか軽〜い感じの人で
いかにも女好きのオーラを出しまくってる人だった。
綾ちゃんが入社してすぐの頃、一番最初に「一緒にごはんに行かない?」って
誘われたのが彼だ。当時住居が決まるまでの間支店長宅に
お世話になっていた綾ちゃんは、支店長夫人からわざわざ
『Tさんには気を付けなさい。誘われても2人だけで
出かけたりしないほうがいいわ。』
なあんて釘を刺されたりしていたほどだったのだ。
まっ、そういう人もいるかもね、なんて軽く受け流していた。
そうこうするうち綾ちゃんは無事、自分のアパートを契約、
晴れてフランクフルトでの一人暮らしをスタートさせる訳だが
偶然の導きと言うべきかひょんなことからあるとき綾ちゃんは
このTさんのプライバシーをかいま見ることになるのだった。
レーマー広場
フランクフルトって皆さんどんなイメージの街でしょう?
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