2014年3月6日木曜日

ドイツ、男と女の物語 ⑦







     菜食主義の人というのは欧米では広く受け入れられていて
    基本的にはそれほど(つまり日本でコレを貫くより)大変ではない。
    それでも典型的なドイツ食というのはどど〜んとした肉の固まりが
    メインで綾ちゃんが初めてドイツにきた頃にはお魚にありつける
    タイミングでさえかなりラッキーで、野菜サラダ以外の主食メニューを
    お野菜オンリーで見つけるのは結構難しかった。
    今だってパーティーやお呼ばれの時には気を使っちゃうもの。




     で、どうして綾ちゃんがお肉を食べなくなったかと言うとね、って
    話を始めたの。




     綾ちゃんが今回ミュンヒェンで暮らし始めた10年ほど前、綾ちゃんは
    そういえばまだお肉を普通に食べていた。厳格な菜食を始めたのは夫だった。
    あれは確かミュンヒェンにやってくる少し前、フランクフルトに住んでいた頃。
    夫が突然、「人体実験」を行うと言い出したのだ。(そう、彼は実は結構
    変わった男である。)きっかけはルドルフ シュタイナー





          


「健康と食事」
という一冊に出逢ったことだった。




ちなみに綾ちゃん夫は大変穏やかで優しい人なのだけれど
当人には当人にしかわからない「悩み」というものがあるらしく
当時の彼のテーマは自己の内側に内在する「怒り」とどう向き合っていくか、
ということだった、らしい。




怒りたきゃあ、怒ればいいじゃん、というあっぱらぱ〜な綾ちゃんと違って
真面目な夫はこの本の中で一つの解釈を目にしたのだ。
即ち「怒り」は肉食によって導かれる、と。
ほほう、では肉食を止めてみるか • • • 。





かくして突然の菜食主義宣言って、あの、お料理する人はワタクシなんですけど。





最初の頃、ずいぶん苦労しました。
何と言っても妻であり我家の料理番である綾ちゃん本人はこの思想を
さっぱり理解できず(いや、本は読みましたよ、もちろん。)
せっかくだから「ちゃんと」やろうということでおる日突然、
肉も魚もアルコールも、さらに乳製品までやめるという
完全菜食生活が始まったからです。もちろん夫の希望で。




まあ、綾ちゃんはお料理好きだから一応いろいろ考えてメリハリある
食卓にしようと努力致しました。
ただし、綾ちゃん本人は全くこの思想には同調出来ないため
主人の分の特別食およびお弁当は完全菜食、それ以外は
それまでと変わらぬ普通のごはんにしていました。




さて、その綾ちゃんが何故、今では菜食になったのか、
何と、綾ちゃん夫は今では肉食野獣へと戻ってしまったのに(!!)です。



それは明日のお楽しみ。






「変わり者」の綾ちゃん夫は昨日のファッシングで
ぶっといバレリーナになって周囲の度肝を抜いていました。
写真右が当人です。もちろんこれはナイロン製の衣装に
空気を入れて膨らましてあるだけ。
夫は中肉中背です。












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