忘れもしない。綾ちゃんが初めてドイツで苺を買ったとき、、、
苺はスーパーマーケットで一パック固定料金だった、、らしい。
当時大学生で一人暮らしだった綾ちゃん。なんだか急に苺を食べたい
気分になった。
ドイツの閉店法は以前はすごく厳しくて夕方にはお店というお店は
閉まってしまう。綾ちゃんがお買いものに出かけた時刻はすでに閉店間際で
あった。果物コーナーを見ると特売の残り物らしき苺パックが一つだけ
取り残されている。うん、どれもよく熟れてるし傷んでもいない。
たった一つ残されていたパックに違和感を感じないでもなかったが
とにかく安いし。確か1マルク=65円くらいだった。綾ちゃんはその苺
パック一つだけを持ち、レジに並んだ。
『ねえ、あなた、本当にこの苺を買う気なんですか?』
そうなの。レジのおばちゃん。教えて。私もたった一つだけ取り残されて
いたこのパックの違和感の正体が知りたかったの。私の一体どこが
「間違っている」のか?なぜ皆はこの苺を買わなかったのか?
ドイツで苺ケーキといえばこんな感じ。
『スーパーの苺は量り売りじゃなくって一パックいくらで
売ってるからみんな自分の苺を買う時に他のパックからちょいちょい
つまんで自分のに乗せて大山盛りにしてからレジに来るの。
ほら、あなたのは平らどころか7割方しか入っていないじゃない。
あなた、これを買ったらずいぶんお高い買い物をすることになるのよ。』
な〜るほど。そういうことか。
で、結局綾ちゃんはそれでもその苺を買った。綾ちゃんにとっては
それでも多すぎると感じていた量だったので、、、。
あれから時は流れ、スーパーマーケットの苺は平等に盛られていても
レジでもう一度量って売ってます。
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