2016年1月20日水曜日

雨のステイション




           今日から数日間、友人のオープンしたタイマッサージ店
          宣伝をします。興味のある方、HPの携帯の方の番号に電話をかけて
          Ayakoの紹介と言ってPimさん(女性)をご指名くださーい!





        まず最初に私と「彼」の関係から始めよう。こんな風に始まる
       友情というのは綾ちゃん、初めてのことなんだけれど。




        確か、あれはもう3年以上前になるのだろうか?暑い、とても暑い
       これがドイツの夏だと信じられないほど蒸し暑い夏の日の午後だった。
       蒸し暑い中にどっしりと湿気の匂いのする空気に雨の予感を覚え
       綾ちゃんはカーディガンと折りたたみ傘をバッグに忍ばせて
       仕事に出かけたものだった。




        仕事帰り。郊外電車に乗るまでは35度ほどでムシムシしていた空が
       とうとう壊れた。夕立だ。雷雨はそれまでの憂さを晴らすかの如く
       荒れ狂い耳を覆うような雷鳴に稲妻。外に出るのが空恐ろしいほどの
       強い雨。綾ちゃんの電車が降車駅に到着したのはそんな時だった。
       真夏とはいえドイツの空気は一気に冷え切って一度に20度を
       切ったんじゃないだろうか?蒸し風呂から冷蔵庫だ。雨の冷たさも
       手伝って体感温度は冬並み。綾ちゃんは急いでカーディガンを
       羽織り傘を手にホームに降り立った。出口に近い庇(ひさし)の
       ある側だ。傘を持たない人々は一様に携帯を取り出して家に
       電話をかけている。または諦めて土砂降りの道路へ駆けだしていく。




        その時、綾ちゃんの視界にその「少年」の姿が現れた。とても、
       とても線が細くシャープペンシルの芯を想起させる。背が高い。
       ホームの反対側(屋根がない)の端っこに佇み雨に打たれている。
       シャワーを浴びているようにずぶ濡れでかわいそうな捨て犬を
       連想させた。




        薄手のTシャツにボクサーショーツにリュックサックを背負っている。
       無理もない。つい30分前までは本当にうだるような暑さだったの
       だから。




        けれどそれだけならばホームの反対側の端にいてひさしのある
       安全地帯で上着も傘も持っている綾ちゃんの心が動くということは
       なかった。男の子なんだし家まで走って帰れば良い。でも綾ちゃんは
       彼の姿を認めるなり見ず知らずの彼に向かって駆け出して行った。
       



          なぜなら彼は両手で松葉杖をついていたから。



ETALIAのパスタ!すごい種類!




   水牛モッツァレラ!お豆腐屋さん?


       見てるだけで楽しい。




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