『ほ、本当にドクターがそう言ったんですか?後生だからもう助けて下さい。
おおお!おおお!うおおおお!!』
ああ~あ!!唸り出しちゃったよお。獣みたいに叫び続けるおじいちゃんに
怯え、慌てて報告に向かう。今日は病院は超満杯。全室患者さんでふさがって
いてそのうち一人は初診の方。
『あのお、おじいさん、随分お辛そうなんですけどどうしてももう一度
鍼を打たなければなりませんか?』
ドクターもあっちに行ったりこっちにきたりで大わらわ。
『あ、そうね。もうちょっと待っててもらって。』
ドクターがたったこれだけのことを言い終わらぬうちに呼び鈴がわんわん
鳴る。おじいちゃんだ。あのお、ドクターがやっぱりあと少しだけお待ち
下さいって。
なんて綾ちゃんの言葉も耳に入ってないみたいにうおお、うおお、と獣の
唸りは続く。綾ちゃんがドアを出て別の患者さんのところに行こうとすると、
またしても呼び鈴。おじいさん。あれから2分も経ってないぞ。
一瞬、次の行動を迷ったが廊下に出てきたドクターと目があって目配せして
自分の持ち場に行った。ドクターが自分であの惨状を目にするべきだ、うん。
足つぼは意外に鍼を打たれても痛くない。
でも京骨(けいこつ)は刺されるとき結構くる。
マッサージにはとてもいい場所。
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