その病院に入るためには主治医の送り状が必要だった。
だが多くの場合、西洋医は自然療法と聞くと態度を硬化させる
ケースが多く、なかなか送り状を書いてくれないという噂だった。
綾ちゃんの行き付けの皮膚科の病院は長期冬休み中で
仕方なく別の病院に行ってみた。
こんな時、うちのドクターに頼めれば言うことないんだけど、
残念ながら彼はプライベート医で健康保険医ではないのでダメだ。
送り状自体は書けるが保険負担にならないので、それでは意味がない。
皮膚科で患部を医者に見せて、集中治療のための送り状を書いて
もらえないだろうか、と尋ねてみるとけんもほろろだった。
『私はね、あなたが具合悪くて入院治療を要すると判断したら、
迷わず大学病院の皮膚科へ送るよ。だが、あんたの言うそんな
ところへは送る気はないね。まずはもっと強いステロイド薬を使いなさい。』
ううん、なかなか上手くいかんもんだ。第一、多くの医者は綾ちゃんの職業を聞くと
とたんに「構え」る。自然療法医者のアシスタント?こいつは「敵」だ、という
モードに一気に変わってしまうのだ。
とりあえず行き付けの皮膚科が開くまで数週間待った。それからそこの先生に相談すると、
『入院治療の場合は私たち専門病院の医師には送り状を
書くことはできない決まりなんです。これはあなたの
かかりつけの内科医のところに行って頼んでみてください。』
だって。なんだあ。だったらはじめからそう言ってくれたらいいのにい。
それなら「当て」はある。綾ちゃんの「公称」主治医は(本当はうちのドクターなんだけどね)例の、
「太郎くん」つながりのあの先生だ。ようし、早速行ってみよう。
んで、近所のその先生のところで事情を話すとホイホイ書いてくれた。もちろん私の患部の状態を見て、納得して下さってのことだ。
昨日まで入院していた病院の病棟に飾ってあったツリー
メリークリスマス