その女の子は中医学の学校を出ていて、これからこちらの大学に
入学するために準備しようという娘らしい。
鍼も打てるしもちろん指圧もバッチリ。
ということでなんだかよくわからんがその娘が急遽雇われることになった。
うちとしては渡りに船状態。だけどいいの?こんなことで?男の子は来なくって、
ふらりと、いや、ぶらりと訪れた正体不明の娘だよ、アンタ。
シェフが良いと言うのだからまあ、とりあえずは良いということでプレー続行。
じゃあ、お手並み拝見でいきなりその娘をメインに据えて綾ちゃんがサブに回る。
私 『ホワッチュワ ネーム?』(これくらいの英語判れよ!)
女の子 『オウ! アイ ハブ イングリッシュ ネーム! ルーシー!』
大急ぎで彼女のネームプレートを作ろうとしていた綾ちゃんの手が止まる。
はあ? ルーシー? なんだい、そりゃあ。洗礼名なのかな? ま、いいや。
今日来る予定の医学生の男はどうなったんだろう?
私 『アイム アヤコ。 グラッチュー ミーチュー。アイル ショウ ユウ ナウ ザ ルーム オブ • • • 。』
ルーシー 『 • • • ???』
お〜い!!ルーシー!おまえさんの英語力、もうそこ止まりかよおお!アタシだって
英語はからきしだけど、今のは初歩レベルだぜ。アンタ、ドクターに向かって
「自分はドイツ語は出来ないけど英語ならOK!」って言ったらしいじゃないか!
もう、綾ちゃんヤケクソ状態でルーシーをAさんの治療室に連れて行く。
綾ちゃんは綾ちゃんで仕事がいっぱいいっぱいなのでルーシーに付き添う訳に
いかない。いきなり放ったらかしにしちゃう訳だ。アリか??
Aさんに事情を(取り繕って)説明したあとAさんに呼び鈴を渡して
コミュニケーションで不都合が出てきたら綾ちゃんを呼ぶようにお願いする。
懇意にしている患者さんだからこそ出来るお願いだ。アリか?いや、普通、
ないでしょう。
ルーシーがAさんの指圧をしている間、綾ちゃんはAさんのご主人(こちらの
方が病気が重い)の指圧を担当。それが終わると今度は持ち場をチェンジして
綾ちゃんがAさんのお灸、ルーシーがご主人のお灸をドクターに指示してもらいながら
やった。そうしてこっそりAさんにルーシーの指圧の感想を聞く。
ルーシー
愛してくれればいいの。でも時々チョコレートをもらうのもいいわね。
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