そう、綾ちゃんが狙っていたのはまさにこれ。この反応。綾ちゃんは
マヌカン嬢とより深く知り合うにつれ、急速にずっと以前の記憶、
あの美しい女性を思い出すことが多くなり姿を重ねていたのだ。
二人はちっとも似ていない。見た目も環境も何もかも。けれど背後に漂う
悲しみの影のようなものが同質に思えてしょうがない。
これが治療者の勘というやつだ。プロはここからが本当の仕事で、
勘頼りには決してしない。
でも、綾ちゃんの場合はどうしよう?ここから先は明らかな逸脱行為だ。
そもそも漢方・中医学と何の関係も無いどころか下手すると患者の
横取りという最もやってはいけない背徳行為ととられかねない。
『ねえ、ヨシオカさん。私、ドクターには本当に感謝しています。
あんなに酷かった婦人科の病気が今では嘘のように飛び去ってしまって。
これまで何をしても駄目で何十年も苦しんできたのに。ただ、頭痛だけは
全然去りません。そして残念なことですがここまでの治療で私は
2000ユーロ以上をつぎ込んでしまいました。そろそろ切り上げねば
ならない頃なのに。』
うう。綾ちゃん、どうする?
サミュエル ハーネマン
ホメオパシーの開祖
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