話をマヌカン嬢に戻そう。
彼女も彼と一緒にサンテイアゴ デ コンポステーラへの巡礼の旅をした。
うらやましい限りだ。でも彼女にとってこの体験はもはや思い出したく
ない体験になってしまったそうだ。
まあ、巡礼の旅は永い道程を歩くものだから体力もいるし宿泊所も質素、
ごちそうが待っているとか楽しみがあるわけでもない。道程そのものが
一種の修行なわけで雨や嵐、暑さもなんでも耐え忍ぶ以外無い。それで彼女は
だんだん憂鬱になってしまいパートナーの彼の手前、ギブアップする訳にも
いかず辛さだけが思い出として残ってしまったのだ。次から次へ走馬灯のように
過去の辛い思い出ばかりが蘇る苦行の道程となってしまったらしい。
最悪の精神状態に陥ってしまった彼女はそれでも何とか最後まで頑張った。
綾ちゃんは彼女の体験談を聞きながら、なんとなく、「とっかかり」の
ようなものを見つけ出したような予感がした。
前回の記事と同じ木です。
こんなに花咲いてきました。
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