2015年9月25日金曜日

マニキュアとランドセル




        施術中は患者さんに下着姿になってもらうからペディキュアも
       よく見える。皆さん本当に色とりどり。この夏は暑かったから
       納涼?なのかブルー系でキメてる方が多かった。





        もはやおしゃれにタブー色なんてない、と綾ちゃんが声高に
       叫ぶほどのことでもない。でも綾ちゃんが学生だった頃は
       口紅だってネイルだって基本暖色系と相場が決まっていたし
       口紅とネイルはセットでコーデイネイトするものだった。
       下着みたいにね。ばらばらだとチープな感じだった。



        今は堂々と指先と足元の色やデザインが違っていて全体で
       凝ったコーデイネイトをする人も多い。やるなあって思う。






        ネイルを見るとね、いつも思い出すんだ。小学生の頃、綾ちゃんの
       時代だとランドセルは女は、男は黒って暗黙の了解があって
       綾ちゃんはどうしても当時が嫌いだったんだ。綾ちゃんはどうも
       昔からはっきりした強い色合いのものが苦手で女の子はって言われると
       困っていた。洋服でなんて着れるようになったのはごくごく最近の
       ことなんだ。



        小学校入学の際、綾ちゃんはピンクのランドセルを買ってもらった。
       ごくわずかだけど以外の色も店頭にあったのだ。親に何度も
       確認された。本当にいいの?他の子はみんなだよ。目立ち過ぎ
       ちゃうよ。まあ、変わった子だねえ、この子は。




        同じ学年には違うクラスだけどもう一人ピンクのランドセルの
       子がいた。あとオレンジの子もいたっけ。




        綾ちゃんは特にいじめられたり仲間外れにされたりしたことは
       なかった。ピンクのランドセルは後悔するどころかそれを見るたび
       綾ちゃんを癒してくれたし他の子たちの赤いランドセルを目にするたび、
       ああ、私はピンクで良かった、と深い安堵を覚えたものだった。
       赤い色は幼い頃の綾ちゃんを不安に駆り立てる特別な色だったんだ。



        ミュンヘン日本人学校に子供をそれぞれ2〜3年通わせたけれど
       今時の子供はランドセルも皆色とりどり。あの頃変わり者呼ばわり
       された綾ちゃんも今なら普通だったのにな、って思う。




               
       

ドイツのランドセルは色、柄共に激しい。
交通事故を防ぐためらしい。




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