でもね、泣くっていうのは浄化の意味を持っているから
決して悪いことじゃないんだ。思いっきり泣いてそれですっきり
することってあるからね。
タッチ交代でいらしたドクターは(こういう場面には慣れていて)
大丈夫、大丈夫、上手くいくからねと言いながらひょいひょいと
鍼を刺していく。綾ちゃんは同時進行でお灸に火を灯す。
さて、もう少し。今度は輪廻の話をしましょうね。お灸しながら。
仏教で言うところの輪廻転生(六道輪廻)というのは一般に
スピリチュアルで言われる「生まれ変わり」よりももっとシビアで
暗い。意外に知っている人は少ないのだけれど。
そう、日本人もほとんど知らないトピックで無為に怖がらせるより
ここはさらっと飛ばそう。現代スピリチュアルのアセンションや
向上のための前世や来世といった概念の方がむしろ親しみやすい。
ここら辺までくるとハンナさんはやはり食らいつくように
目を輝かせる。うーん、仏教から逸脱しちゃってるなあ。
本当は五戒、布施の話に持って行こうと思っていたんだけど。
まあ、これは次回のお楽しみにするか。一週間間が空けば
もう少し上手いドイツ語訳を思いついたり検索するヒマもできる
訳だし。
そう、ハンナさんはまさにこのことが知りたかったんだ。
彼女と彼女の母親と彼女の病気のことと。生と死と病気、それが
彼女の今。
すべてを結びつける「糸」のことを。
暑くなったり寒くなったりの変な天気のただなかで
ふっと白い雪が恋しくなった。そしたら突然倉木麻衣さんの
この曲を聴きたくなっちゃった。
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