2013年1月26日土曜日
シャボン玉 飛んだ ⑩
病院で寝たきりのハルさんに何かプレゼントしたかった。
彼はもう起き上がることも出来ないし食べ物ものどを通らない。
これは別件だが一昨年の原発事故騒ぎで私は白血病に興味を持ってずいぶん色々と
本を読んだ。今、日本人としていつ身近に放射線障害の相談が来るか分からないから
少し詳しく知っておきたいと思ったのだ。今もなおドイツの人たちは大変興味を持って
福島および日本国土のなりゆきを見守っている。詳しい状況を毎日のように患者さんたちに説明している。(日本の人たち、わかってくれているかな?理性的な対応をしているかどうか、世界中が今もなお、日本に注目しているよ。)
そんなにわか勉強がおもいもかけずこんなところで役立つなんて皮肉なものだ。というか、どっちにしても役には立たない。もう、打てる手だてはほとんどないから。
心癒されるような音楽はどうかなと思った。
いくつか私のお気に入りの音楽の中から静かで心癒されるようなメロディーを
USBスティックに入れて先生に預けよう!
先生『残念だけどもう無理だ。意識のある時間もわずかになっているしそれでさえ
気持ち的にとてもそんな感じじゃないんだ。ハルさんのために気を遣ってくれて
ありがとう。』
あと数日か。ハルさんの奥さんも看病疲れで病気らしい。
こんなときどうしたらいいんだっけ。みんなが疲れているからせめて仕事だけはミスをしないよう細心の注意を払う、そんなことくらいしか思いつけない自分が情けなかった。
(つづく)
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