そのあとの日々が大変だった。
ドクターは使い物なならなくなった。
ハルさんがお亡くなりになって三日目まではなんとかなった。
励まし合って頑張って仕事をして来た。でもドクターは夜もほとんど眠って
いらっしゃらないようだった。そしてその時期うちの病院は悲劇的なほど
連日予約で満杯だった。
その日、ドクターは遅刻した。15分ほどだったが挨拶も無くものすごい
形相で受付に座った。
私 『先生、おはようございます。おかげんいかがですか?』
先生『夜中にハルさんがやって来たんだ。ずっと二人で話していたよ。』
そして台所に行ってぼんやり座っている。万事休すだ。もちろん私は
こんな風に自分を失っているドクターを目にするのは初めてのことだ。
私は断然やる気になって来た。(どういう性格だ?)
よおし、こうなったら今日は私がこの病院を仕切ってやる!
私はドクターに向かって高らかに宣言した。
『先生、少しゆっくりお休みください。今日は私が先生の
治療をいたします。先生は今日は鍼だけ打ってくだされば
いいことにしましょう。(何威張ってんだ!?)
お薬は出しません。(え〜?)あとは私がやります。』
三ヶ月目の新米アシスタントが一体何言ってるんだろう?
(つづく)
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