2013年2月22日金曜日

プロフェッサーのお友達 ③



やっぱり私にお鉢が回って来た。



ラルフ君(仮名)の教育係だ。



20歳の彼は背が高くって金髪、鳶色の瞳。でもとってもシャイな青年だ。
ただお母様の話だと、学習障害の彼はかなりひとつひとつの飲み込みが遅いらしい。     



実際、かなり大変だ。私の仕事はとにかくドクターの補佐をする事なのだが   
ファミリー的な(つまり「なあなあ」と言うやつだ)環境なので実に守備範囲が広い。
さて、教育ってどっから始める?

 
私が毎日のルーティーンワークで一番大切だ、と認識している仕事は診察室の  
メイキングだ。(意外?)                           

 


 病院業務の全ての流れを潤滑に行えるかどうかは4部屋ある診察室をいかに     
さりげなく、でも迅速に患者さん受け入れO.K.状態にするかにかかっている(と思う)。これ一つが私の仕事ならもちろん問題ないけれど四方八方に目を凝らしながら    
他に山ほどの仕事を抱えつつ頭の中のプライオリティに従って行動しなきゃならない  
しね。もちろん、この優先順位がドクターのそれと合致していなくてはならない。   
そしてどこまで「先回り」できるかでアシスタントの優秀さが計れる、ってなもんだわ。(自慢??)        



よおし、最初の「教育」は診察台のメイキングだ。これだけでもラルフ君にマスター 
させればずいぶん「役に立つ子」ってことになる。                 



いやあ、大変だったわ。彼に仕事を教えるのは。
でも私も人の親。母としてのプライドみたいなものがあるもんね。
ハンディキャップのある子と接するのには自然、力がはいっちゃう。



(つづく)                                   




うちの診察台ってこんな感じ。
普通だよね。



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