2013年2月17日日曜日

蔑視




外国人蔑視の話題で思い出した。
ちょっと前にこんなことがあったっけ。



うちの古い患者さんでゴールドさん(仮名)という方がいらっしゃる。
キャリアウーマンのナイスミドルで私は愛情を込めて「金さん」と心のあだ名で呼んで 
いる。彼女がこの間、ひどい不眠症でやって来た。もう、かれこれ一週間くらい続いてるんだって。彼女はもちろん、うちの治療をとっても信頼してくれてるんだけど、でも、 
今日だけはそれとは別にどうしても睡眠導入剤を処方して欲しい、っておっしゃった。 「眠れないかもしれない」って思うのが怖いんだって。お守り代わりだからって。   


ドクターはね、こんな時にはほいほい西洋薬でも処方しちゃう。
ちょっと待っててねって5分くらいで処方箋をタイプで打ってハイよって手渡した。



ゴールドさんは、薬局が閉まる前にって(夕方でした)治療前にまず病院を飛び出して
行って下(同じ建物の下の階前方が薬局)に行った。               


       ところが15分ほどして彼女は戻って来てこう言った。             
『ドクター、申し訳ないんですけど下の薬局に電話をかけて私に睡眠薬を渡すように
お願いしてもらえませんか?ちょっと口論になっちゃって。受付の若い女の子があんまりわあわあ言うから頭が痛くなって飛び出して来ちゃったんです。』          



なんと、「金さん」の話によると、うちの先生の処方箋は受け付けてもらえなかった。
こんな医者がいるのか、本当に医者なのか、医師免許を見せてもらえ、とか言われたん 
だって。アヤシいからねえ、中国人の名前が • • • 。             



『あのね、普通、薬局ではオンラインで開業医の検索が出来るようになってるから、
「怪しい」と思ったら彼らが調べればいいんであって病気の患者さんと言い争いを   
するなんてちょっとありえないよ。辛い想いをさせちゃったね。』とドクターは   
おっしゃった。                                
         


だけど、うちらって、同じビルで商売やってんだよお!?
どういうこと?


そうこうしている間に時間切れ。夜間受付の薬局に行くには疲れすぎていたので
金さんはもういいやってお薬をあきらめてうちにストックしてある漢方薬を持ち帰った。
鍼も打ったし。(鍼はたいてい不眠症にはすごくよく効くから大丈夫だと思うけどね。)



医者でさえ外人だと、中国人だと、こんなことがあるんだあってかなり真剣に驚いた。


先入観と蔑視。





これが海外で生活するってこと。






漢方薬製剤。私は胃弱なのでこれらのお薬によくお世話になっている。症状がひどくなると先生にお願いして煎じ薬を作ってもらう。

0 件のコメント:

コメントを投稿