2013年10月20日日曜日

空蝉  〜不老不死薬伝説  その四〜






         蝉の抜け殻茶(?)を飲むヒトは私である。





         


         だからさ、こんなのうじゃうじゃしたの見てごらんよ。



 ああ、患者さんは渡される漢方薬の中身を知らないからありがたく飲めるんだあ。
もしかしたら目ざとい人がいて、「ワタシのオクスリの中に虫がいる!
お宅のの病院の衛生環境が悪いんだあ!」とか言い出したりするかもね。





 んでもって綾ちゃんは急いで薬品庫を出てドクターを捜しました。ら、いつもの
お昼寝室で昼寝中でした。



 もちろん綾ちゃんは普段、お昼寝中の上司を起こしたりしません。どうしてもの
時だってドアを出来るだけ細く開けてそおっと用件をささやきかけるのです。絶対に
覗き込まないようにして。




 でもね、そのとき私は仰天してたから前後を顧みず、ばばんとドアを開けて





    『これって、これって、セミ?ですかあ?』






と怒鳴り込むように蟬退の袋を振りかざして尋ねてみると






    『そうです、蝉の抜け殻ですよ。これはね、皮膚のかゆみに
    とっても良く効くんですよ。かゆい部分の皮膚がやがてかさかさになって
    新しい皮膚と入れ替わるんです。だから吉岡さんも湿疹の事で
    心配するには及びませんよ。』




と気楽におっしゃった。いや、皮膚が入れ替わるって、それはもしや脱皮?
これはホメオパシーもびっくり(ホメオパシーは類似療法だから病変と似た
形状の自然界の物質を薬にする)だ。しかし、さすが古代の中国人。本当に
何でも食べて茶にして試してみたんだ。これは命がけだったろう。




 で、綾ちゃんはドクターに「空蝉」の話をした訳。万葉集や源氏物語とか
不老長寿の話とかね(筆談も交えて)。そしたらドクターはとても興味深げに
私の話を聞いてくれたけど、中国にそういう逸話があるかどうかは
知らないって。






     とほほ。というわけで現在綾ちゃんは蝉殻入り茶を飲んでます。





              意外に味は酷くない。







         こころなしかこの数日湿疹が減り始めた様な気がする。




            早く良〜くなあれ!!








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