2013年10月6日日曜日

ハルさんの遺言と裁判    その5







              そもそも一体何の訴訟なのか、それから説明しなければならない。





          ハルさんは急性白血病でお亡くなりになった。事の起こりは足の怪我だったので
まさかこんなものすごい経過を辿る(敗血症から白血病)ことになるとは誰も当時考えては
いなかったのだ。






   もうひとつ、ハルさんを理解する上で大切な事は彼が自由を愛していたということだ。
別の言葉でいうと極端なほど束縛を嫌っていた。







     例えば彼は生涯結婚しなかった。「奥さん」と我々が呼んでいる女性とは
籍を入れていない。





  例えば彼はエンジニア時代に一サラリーマンとして真面目に職務を終えた後、
出来るだけ自然と共に生きようとキャンピングカーで野外の生活をメインに放浪に
近い毎日を送っていた。公的医療保険も解約した。(これが致命的な失敗となるの
だが。)死ぬときには動物のようにひっそりと死にたい、と。




       残念ながらこういうことは男のロマンに過ぎずいざとなったら彼が
具合が悪いのに放っておくなんて周囲の人間には出来ない。









ベルリン ソニーショップ








ソニーセンター内を闊歩する男二人






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