2014年11月29日土曜日

アスピリンでも飲んだ方が良い

                


        ~あの人はあ♪帰ってえ、来なかったあ~




                  ザント先生に止められたのかな?「常識」と「良識」ある「普通」の
   医学人ならば言いそうだもんね。明日は病欠していいからアスピリンでも
   飲んで寝てなさい、って。訳のわからん「ホークスポークス(ドイツで迷信の
   ことをこう言います)に100ユーロも払うなんて狂気の沙汰だ」ってね。



                     そして我々は今日も何事もなかったかのように互いに挨拶を交わす。

                 
                 

ウイーン少年合唱団


2014年11月27日木曜日

中医学への誤解

                     


      『実は私、明後日親友の結婚式で花嫁の介添人をするんです。
      絶対ドタキャンなんて出来ないのにすごく具合悪くて。今日も
      仕事が立て込んでいて早退出来る雰囲気じゃあないし。』





                   見たところ彼女は立派な「風邪」。赤ら顔で鼻をぐすぐすいわせ喉も
    痛いって。熱もこれから上がるんじゃないか?





                    ここら辺にな~んか誤解があるような気がしてならない。うちは
    自然療法だからね。身体に「本質的」な意味で負担を最小限度に抑えて
    治す。「明日までに」無理矢理治す、な~んていうのはむしろ西洋医学の
    発想だ。もちろん、辛い症状を軽減させたり、上手くいけばこのまま
    治っちゃったりもするけどね。



                     ドクターは相変わらずこんな時特有の能天気さを発動して、




                             『O.K.!じゃあ、ご近所特別割り引き(?)ってことで
        100ユーロで治療してあげよう!出来うる限りのこと全部
        やったげるよ。一時間時間取れますか?』



                     なんて突然言い出したものだから彼女びいっくり。まっ、そりゃそうだ。




                         『ひゃっ、ひゃくゆーろお?そ、そんなにかかるんですか?』



                           ほおらね!言わんこっちゃない。この場合、100ユーロセットコースが
      いかに「お得」なのかを綾ちゃんが慌てて説明する。診察にいくら、
      鍼にいくら、吸玉、指圧、漢方薬、、、普通なら200ユーロを軽く
      越えるところだ。



                              『いいわ、それで治るなら!私、一度戻ってドクター ザンダーに
          ちょっとお昼休みを長く取りますって言ってきます。』




        そう言い置いて彼女は二度と戻ってはこなかった






バイエルンミュンヒェンFC


2014年11月26日水曜日

水面下の攻防 歯科vs. 中医学

                     


             抜歯は行った。

            歯肉炎が漢方薬で治るなど、西洋医にとってはキテレツな話だ。腫れが
  完璧に退かない限りは説得は難しい。


             その治療(抜歯)を行うかどうかはあくまでも患者の意思なのでその気に
  なればいつでも止められる。医者だって嫌がる患者に治療を強行して後で
  裁判にでも持ち込まれたら大変だ。


              あくまでも綾ちゃんの意志でやってもらった。今回は残念。もっと早く
  この「技」知っていればね。


                      そう言えば以前、こんなことがあった。



                 お昼休みの時間にここの歯科のアシスタントの女性がうちに飛び込んで
   来たんだ。


                        明後日までに私の風邪を治せますか?ってね。




中国抹茶 お味見にまずはストレートで




すさまじいお味
残念でした


2014年11月25日火曜日

歯肉炎に漢方薬が効いた!

               


          でもいただいたお薬、早速煎じてみる。



     お味は悪くない。心なしかもう効いてきたような気がする。



                   うがい薬の方はこわごわ。でも綾ちゃんお家でも最近、口ゆすぎの
    お薬を歯みがきメーカーのものを止めてテイーツリーオイルのものに
    しているから抵抗は少ない、、かな?最後にお酢(ドイツだから
    ワインヴィネガー)を入れた。


                           うおお、き、効くうう!

                          すごい!お口スッキリ!これは良い。

                          これで基本的には怖いものなしだな。


                        但し、今回の抜歯を取り止めるかどうかは別件だな。
     既にぐらぐらきてるし。毎日歯みがきのあと結構苦労して
     歯の間磨きをしている。それでも炎症が起きているのは
     歯の位置が悪く隣を圧迫しているせいだ。


         さてさて、どうなることか??


 

バイエルン国王ルードヴィッヒ二世


2014年11月24日月曜日

中医学による歯科治療

                      


       ドクター、さっと自分の部屋に駆け込むや数分後に処方を二枚
     綾ちゃんに手渡した。




                       『これを煎じて10日間飲みなさい。もうひとつはうがい薬。
      煎じてお酢を混ぜて使いなさい。』



                       ええええ~??綾ちゃんの抜歯は6日後だってばあ。10日も
     お薬飲んでられないよ。


                        そう、綾ちゃんは気がついている。ここに勤め始めて早や二年と半年。
     仕事一筋のドクターは里帰りの時以外に「平日」を休みにすることはない。
     昼休みも在ってなきがごときもので、うちらにとって、休憩時間とは即ち
     患者が(たまたま)いないときを指す言葉であって計画的なフリーの時間など
     そもそもない。つまり、綾ちゃんはドクターが前もってアポを取らなければ
     ならない歯医者の予約などというものを入れているのをスケジュール表に
     見たことが無いのだ。それはとりもなおさず彼が歯医者通いというものを
     してはいないということを意味しているううう??


                        決して本人に言えないが、いや、考えるのも恐ろしいことだが
     おそらくドクター、歯医者というものに行ったこと無いんじゃない
     だろうか?少なくともここで診療所を開いてから。




中華食材店で抹茶を発見。
中国茶抹茶??




2、50ユーロ???
安すぎるでしょう。







2014年11月22日土曜日

自然療法は歯科医と絶対気が合わない


                     歯医者は疲れる。


            普段、使わない顎の筋肉を使ってあ~んってお口開けて消毒だの
  歯石除去だの研磨だの。



            昔は気付かなかったけど最近、歳のせいか歯医者に行くとあとでどっと
  疲れが出る。翌朝起きたら上半身ががちがちに凝っていた。寝違えたか?
  いや!おそらく昨日の歯医者だ。普段使わない筋肉を動かして身体が
  「張っちゃった」んだ。



                    うおお、最悪うう~!



          



                 『悲しくったって~さみしくったって~コートの中では、平気っなのお。』
   とアタマの中で繰り返しつつ今日もお仕事にいそしむ綾ちゃん。
   (ちなみに『立て!立つんだ!ジョー!』と毎朝繰り返して早起きしつつ
   早朝出勤にお出になる友人の女性もいらっしゃいます。昭和世代よのう。)

          


                       今日は忙しかったけど、お昼過ぎにはすっと患者さんがいなくなった。
     ラッキー!ええん!ドクター!助けて下さ~い!


                         ドクターに泣きついて吸玉療法をしてもらった。吸玉は効く。
     ソッコーで随分身体が軽くなった。やっぱ歯医者のせいですかねえ、
     来週は抜歯だし。
                          するとドクター、突然顔色を変えて



                        『いかーん!抜歯などしてはいかん!ワシがそんなもの、
      治してやるう!』


                                   高らかに宣言なさいました。
                      

2014年11月21日金曜日

お向かいさんのお片付け度




                      ひさびさに歯医者に行った。



              PZR(日本語で何て言うんだ?私費の口内クリーニングです)におおよそ90分。
  それから残っていた最後の親知らずがぐらぐらして炎症を起こしていたので
  抜いてもらうことになった。いっぺんには行わない。来週また来なくっちゃね。



              ここはうちの病院のお向かいさん。(ここのドクターに前回がっぽりふんだく
  られた)しかし全く同じフロアと思えないパーフェクトな清潔さ。
  歯医者だから当たり前だけどね。不衛生な歯科医なんて患者が寄り付く訳がない。
               こちらのザンダー先生(仮名)、典型的なドイツ人のお医者さんと見た。
  7時40分。毎朝きっかり同じ時間に地下駐車場からいらっしゃる。
  おそらくアシスタント(6人!)の誰よりお早い。



                この時間帯に綾ちゃんがお預かりものなんて持っていくとオープン前に
  スタッフ全員でザント先生陣頭指揮のもと、お掃除をやっている。いやあ、
  エライもんだ。綾ちゃん、身の縮まる思いとはこの事。うちのドクターに
  見せてやりたいよ。ま、もっともうちのドクターに掃除、お片付けに
  参加させるとどうせロクなことにならない。



                        それぞれキャラがあるからね。



         

2014年11月20日木曜日

手作りソーセージの行方




                            ちい~ん!御愁傷様でした。




                          冷暗所というのが失敗だったらしい。充分乾燥した場所じゃあ
     なかったんだな。カビを生やして異臭を放つようになってしまった!
     ああ、もったいない!





                         ああん!職場で何て言おう、、、。




       


こんなの期待していた。


でもネットで調べるとソーセージは腸詰したら
すぐに茹でるって書いてあった。熟成させる必要ないみたい。
ええん!試してみればよかった〜!!


2014年11月19日水曜日

日本人はエライ? カレーライス





                      辻井伸行コンサートに行った時、ドクター御夫妻とインド料理を食べた。
    会場の真向かいにレストランがあって綾ちゃん以前から目をつけていたお店だ。



                        奥様に話すと大喜び。お二人はインド料理食べたことないんだって。


                         『以前から行ってみたかったんだけど、ほら、初めてのことに
      チャレンジって何だか勇気いるじゃない?メニューが判らなくって
      恥かくんじゃないか、とかね。』



                       解る、解る。日本人はカレー大好き民族だからさして違和感ないけど、
     インド屋さんのメニューなんて目が点になっちゃうカタカナの羅列だし、
     その意味ではフレンチよりずっとタチが悪い。


                        インド料理なら高級感ある割には和食とかよりお値段も張らないから
     綾ちゃんのお財布でも大丈夫、なんて下心も実はある。嫌がるドクターを
     説得して今日は綾ちゃんの奢り。お誕生会だからね。


                        じゃ、じゃーん!張り切ってThali(ミックスプレート)に
     タンドーリチキン。うわー、豪華!







こんな感じ。綾ちゃんたちは合計9種類ものカレーを
賞味しちゃいました。
(グルメブログの方の写真を転用させていただきました。
http://osakacafe.seesaa.net/article/96394878.html)


『ターメリック、サフラン、ナツメグ、生姜、コリアンダー、、、。
身体にいいものをこんなに食べるなんて、日本の人たちは
これを国民食に取り入れてしまうなんて凄すぎる!!」



またまたお二人感心しまくり!!


い、いや、カレーは美味しいし食べやすい、作りやすいからね。


そのうちお二人に日本のカレーをご馳走しなくっちゃね。




2014年11月17日月曜日

日本人はエライ? 茶碗蒸しに銀杏




     お料理のマイさん(仮名)が茶碗蒸しのような食べ物を作った。




     スープ(牛の骨)に卵をいくつも混ぜ込んでカチャカチャやってから
    茶碗に入れて蒸し器で蒸したものだ。わざわざ泡立てるように激しく
    混ぜてから蒸すし、具は何も入っていない。だからこれを日本風の
    茶碗蒸しと呼んでしまうには相当無理があるが名付けるならば
    茶碗蒸しとしか言いようがない。



     日本で横浜中華街の華僑の有名人コックさんが中華風茶碗蒸しを
    披露しているのを以前テレビで見たことがあったのでまあ、こんな
    ものなのかなあとお昼時にいただいた。




     ドクターも奥様も一緒にお昼を食べたのだけれど、綾ちゃんが


        『日本では普通、決まった具材がちょっとずつ数種類
        入ってるんですよ。その中でも特徴的なのは銀杏ですかね。』


    と何気なく話すと突然、ドクターと奥様、二人とものけぞって
    驚いた。(のでむしろこっちが慌てた。)




         『何だって〜!!いやあ、こりゃあまいった!
         日本人ってどこまで素晴らしい民族なんだあ!』




      漢方、中医学では銀杏は白果といって薬剤だ。詳細はここでは省くが
     肺経を主としてまたはそれ以外でも処方される。



      西洋薬としても頭の血の巡りを良くする薬として、頭痛、めまい、
     認知症などの特効薬としてポピュラーになっている。 




      そういえば秋の味覚として(大人の味わいですよね)楽しむもの
     として、おもに茶碗蒸しの具材として行き渡っている銀杏だけど
     なぜ茶碗蒸しにはマストなのか知ってる人はあまりいませんよね。
     ネットでも調べてみたけれど納得できる説明は見つからなかったなあ。



      まっ、昔の人の知恵ってことで一括ですかね。





          

綾ちゃん、特に美味しいと思って食べたことは
ないんですけど、無いとさみしい銀杏です。



2014年11月15日土曜日

片付けの出来ない女たち



                       「片付け」られない女性というのはもちろんドイツにも存在する。
     というか、いた。少なくとも学生時代には多数出会った。この場合、
     ぐっちゃんぐっちゃん度は日本人のそれより遥かにすさまじい。
     純然たるドイツ人のご家庭で、ご実家はママがクラシカルな家具と共に
     ピカピカなんだけど自分の下宿は空き巣に入られた状態 、というやつ。



                      だが不思議なことに綾ちゃん結婚後、そういうドイツ人女性には
     出会っていない。共働きで行き届かないからおおざっぱなお片付けしか
     出来ていない方のお家は何軒も知っているけれどね。多くの場合、
     そういう家庭は掃除婦さんを雇っているせいだろうか?



                    男?ああ、男性に関しては古今東西皆一緒、というのが綾ちゃんの
     観察結果です。多くの殿方はチョー几帳面か全然そんなこと考えたこと
     ないか(または能力がない)どちらかです。


                     でもドイツ人女性が素晴らしく綺麗好きだから整然とした美しい環境に
     身を置くのが当たり前だと感じている殿方が多いのも事実。


                                お掃除の話題って止まらない。





でも実は綾ちゃんちでこんまり流はボツ。
綾ちゃん夫は断捨離魔。
「捨てたがる病」が超加速させることがわかり
必要なものまで捨てられてしまうから。


         

2014年11月14日金曜日

ヨーロッパ人の思考の転向

                  



       実はエンゲルさん、今月末にアフリカへ向けて旅立つ。
    今月中に大学の学位を取得出来る見込みなので、そのあとすぐに
    憧れの地、アマゾン(本屋じゃないからね、念のため)に向かうのだ。
    動物が好きで好きでたまらないという彼女。恋人も振って出掛ける
    という。今、部屋の片付けに大わらわ。



                     『KONMARIの本はアマゾン(こっちは本屋)で「お片付け」で
     検索したら一位に出てきた(!)から取り寄せてみたの。
     何より誰にも分かりやすく実行可能なのがいいわ。』


                       『アフリカへ旅立つ前にシステマテイックに持ち物を整理整頓
      したかったのよね.彼女の本から学ぶものは多かったわ。
      私ってなんて不要なものばかり持っていたんだろうって
      目からウロコだったわ。洋服のたたみかた、収納するときのコツ、
      そうすることで「持ち物」に対する愛情をキチンと確認出来たの。
      お片付けが人生が豊かになるきっかけになるなんてホント、驚きだわ。』



                     なるほど。彼女の発言の示唆するところは、①「お片付け」を
     「システマテイック」に習おうとする真面目さ。②整理整頓によって
     新しい人生を切り開こうというポジテイヴな心持ち、ということなんだな。


                         例えばドイツでもここ数年、「風水」への認知度が高まり
     綾ちゃんも患者さんから話題をフラレることも多い。

                         風水への関心なんかは典型的な「ヨーロッパ人の思考力の転向」だ
     という気がするんだよね。

                          つまり、どこまでも機能的な思考をしてきた彼らが日常の行動に
     別の視点からの意味と「意義」を見いだす、ってとこと。
     「物の置き方」、インテリアのチョイスが「エネルギー」「パワー」を
     変えるとしたら?って。




            

こんまりさん
チャーミングな方ですねえ。


2014年11月13日木曜日

ドイツ人にもお掃除本が必要?

                

            「あの本」とはこのことで~す!




             


                   そう、ご存じの方もいらっしゃると思います。「コンマリ」こと
     お掃除、お片付けの達人、近藤麻里絵さんです。


 
                    綾ちゃんは一昨年日本に里帰りした時にジュンク堂書店で
     この本を見つけて買ってきた。綾ちゃんは小さい頃から大のお片付けべた。
     お掃除はまだ気合いで(?)何とかなるんだけどお片付けとなると
     何をどうしていいやらアタマが麻痺してしまってどうにもならない。
     お恥ずかしい限りで棚の中にがらくたをぐしゃんとまぜっかえしに
     しているかと思いきやがらがらのタンスの引き出しも多数存在。
     しょっちゅう夫や息子たちに叱られている。



                    自分でも何とかしたいと思っている。何よりここドイツはお片付け、
     整理整頓天国。これまで出逢ったドイツ人ママ友たちのお片付け上手な
     ことといったらない。誰のお家にお呼ばれしたって、
     アポなし突撃隣の晩ごはん的奇襲をかけたって家はまるでモデルルームの
     ように整然としている。


                     磨き抜かれたシステムキッチンなんか見ていると、この人たちは
     料理なんてしたことないんじゃないかと嫌みにも思ってしまうし
     台所を「使う」より「磨く」ことに命を賭けているんじゃないかと疑う。
     いや、思うことで自分を慰める。が、大抵そういう人のお宅に招かれると
     お料理上手で随分手の込んだご馳走を気持ちよくサービスされて、
     綾ちゃんショックに打ちのめされちゃったりする訳なんです。



                   そんな国、ドイツで異国のお片付け本が翻訳されている不思議、、、。
     一体どこにそんな需要があるというんだろう?


                                    ??????


                         先ずはエンゲルさんに感想を伺ってみよう。

2014年11月12日水曜日

KONMARI

               


         天使のエンゲルさん(仮名)は今もまだ通ってらっしゃる。
      11月いっぱいまでのご予定。



            エンゲルさん『ねえ、吉岡さん。私、最近、スッゴク良い日本の本に
         出会っちゃった。MARIE KONDOって知ってる?』




              そう言いながら彼女はご自分のバッグ(プラダかあ!)からドイツ語の本を
   取り出した。








               んん?何、何?コンドー マリエ?ええと、待てよ、そんな作家いたっけ?
    名前から推すに現代文学?若手女流作家?純文学?エンターテイメント?
    いやあ、でもその名前どっかで聞き覚えあるんだけどなあ。何だっけ?



                 綾ちゃん一生懸命頭の検索キーを押し続ける。コンドーマリエ、コンドー
    マリエ、、、やがて不意にヒットした。そうか、小説畑じゃない、
    コンマリじゃあないか!




                 綾ちゃん『思い出したあ!ええと、彼女はニックネームがあって、、、。』




                                  『KONMARI!!!』


                           二人同時に声を合わせてそれから大笑い。



                            ええ~!「あの本」がドイツ語訳されてたんだあ!
        綾ちゃんびいっくりでした。




                                 


              

2014年11月11日火曜日

辻井伸行 イン ミュンヒェン



行ってきました〜!!





毎度おなじみプリンツレゲンテン劇場


昨日は辻井伸行ピアノコンサートに行ってきました!
綾ちゃんの大好きなラベルを二曲
ショパンも二曲
特にラベルの「夜のガスパール」は綾ちゃんお気に入りの一曲





休憩用のホール天井

実はドクターと奥様をご招待。お食事付き。
劇場前のインド料理店で夕食を一緒にしました。
食い意地が先に立ってまたもや写真を忘れました。




ドクターと奥様


実は今年のドクターのお誕生日プレゼント、
何にしようかすごく迷って(だって欲しいものは何でも
お持ちだもの)コンサートご招待を思いついた。


辻井伸行さんのピアノはとにかく素晴らしくって
繊細で暖かくって人の心をくすぐる長〜い倍音を聴かせる
かと思いきや若さ溢れる力強さ、男らしさに溢れて
聴衆を圧倒する。


アンコールはまたもやラベルの「水の戯れ」ショパンの「革命」
それから自作の震災応援ソング「それでも生きて行く」


結構うるるっとくるコンサートでした。
前回行った時はかなり空席が目立っていたけれど
今回はかなり知名度も上がったようでだいぶ席も埋まっていました。





            【HD】辻井伸行・作曲・演奏「それでも、生きていく」
            (東日本大震災の被災者に捧ぐ!)2013 Nobuyuki tsujii




           辻井伸行さん、素晴らしい時間をありがとうございます。



2014年11月8日土曜日

手作りソーセージ


                    

           ずばり、これです。いただきものですが。





                    一昨日、マイさん(お料理担当、仮名)が帰ったあとぶつ切りのお肉
    (牛肉?)が大量にたれに漬け込まれた状態で放置されているのを発見。
    明日のご飯かな?それにしちゃあ大量だなぁ、と思っていた。

                      昨日、午前中から台所がぺちゃくちゃおしゃべり(中国語)で騒がしい。
    何だろうと見てみるとマイさんとドクターの奥様が二人で腸詰め作業中だった。
    しかもぶつ切りお肉をそのまま(唐揚げ位の大きさ)どんどん入れている。
   

                      もらってきた。一週間乾燥させてから茹でて(または蒸して)そのあと
     オーブンとかで焼くんだって。
                                      ???
                          一週間後、また報告します。



2014年11月7日金曜日

山奥のヴァイオリン製造の村 ミッテンヴァルト

                       


           またしてもお出かけシリーズ!









                         綾ちゃんと二男君は夏休み前から新しい楽器を探して
     チェロの工房を渡り歩いております。お高い買い物なので
     後悔の無いようほとんどミュンヘン中のお店をしらみ潰し状態で
     あたっています。






                            先月でしたがヴァイオリン製作で世界に名を馳せる山間の美しい町、
            ミッテンヴァルトまで足を運んで来ました。









                             ここは冷涼な気候と適度な乾燥、美しい空気、それから何より
      良質の木材があるため世界的に有名なヴァイオリン製作学校がある町です。



                             ヴァイオリン、ヴィオラチェロ、コントラバスというのは
      基本同じものなのでヴァイオリン製作者はどれでも作れなければ
      マイスターとは言えません。が、もちろん得手不得手はあるはずなので
      優れたヴァイオリン製作マイスターがチェロ製作も一流かというと
      必ずしもそうではない。かのストラデイヴァリだってヴァイオリンが
      ものすごい名器な訳だけどチェロの世界ではゴフリラ(または
      モンターニャ)などの歴史的名器が他にもあって雌雄を争ったり
      している訳です。この二つのモデルを型どって(或いは
      オリジナリティーを加えて)現代の製作者は楽器を作っているんですね。









                      綾ちゃんたちがこの町を訪れた日は遥かアルプスを見渡せ
    る空気の澄みわたった美しい秋晴れの日でした。






あれ?



おや?










ヴァイオリン屋さんちのお庭
趣味で日本庭園仕様にしている。
すごーい!


2014年11月6日木曜日

丸薬製造器

      



          こんな器械を買いました~!!



これでーす!



これは漢方薬の生薬を丸薬にする機械なんだって。
作り方はね、定められた分量の生薬を粉砕して粉にして
ふるいにかけて粉の粒を均一にしたら
蜂蜜と片栗粉を混ぜて大きなお団子にします。
手毬くらい。
それを機械に投入してスイッチを入れると
小さなお団子になって出来上がり。
これを風通しの良い場所に数日〜1週間ほど置いて
乾燥させます。
完全無添加丸薬の出来上がり〜!!

でも出来上がった実物は飲み込むには
ちょっと大きすぎて形もイマイチ。
結局半分にナイフで切って手で小さく丸め直しました。
ちょっと手間がかかりすぎ、ていうか
お団子まで作ったなら包丁で小さくこねても
手間は同じな気がするなあ。

風邪薬とか手軽にハイって患者さんに
渡したい。完全無添加だって胸を張って言いたいしね。

へへ、頑張ってます。



2014年11月5日水曜日

後味の悪い治癒




                            おばあちゃんは全快した。
             80歳近いお年寄りの神経痛(が主訴だった)が「全快」するというのは
  信じ難い話だが事実だ。義息子の死後二回ほどおばあちゃんは治療にやって来て、
  綾ちゃんの目の前で体操まで披露してみせた。顔色もまるで別人だ。




                        改めて環境や精神の人間の身体に及ぼす影響のすごさに驚くばかりだ。


                 おばあちゃんが泣きながら日常の不幸をえんえんと語った日々は
   丁度こちらも閑古鳥が鳴いてヒマだった期間と見事に一致している。
   例えば今、同じ状況の患者さんがやって来ても我々がおばあちゃんに
   割いてあげられたほどの時間はあげられない。まるまる午前中とかね。
   これはおばあちゃんの「運(この表現は適切だろうか?)」の強さを
   物語っている。彼女にとってはまさに「聞いてあげる」ことが
   治療だったのだから。


                 そしておばあちゃんご自身も家に帰って来る身体の不自由なお嬢さんの
   お世話をするという仕事が待っているからうかうか茶飲み話なんかに、
   じゃなくってゆっくり治療に来るわけにいかない。


    心からの祝福をたたえておばあちゃんは帰って行った。
   病院テキにはおばあちゃん回復バンザイだ。



    ・ ・ ・ しかしなんとも後味の悪いケースだった。



さてこれは何でしょう?


いやあ、どう見てもウ⚪️チに見えますね。



正解は明日のお楽しみ





2014年11月4日火曜日

魂の救済

                    


       惨めに滑稽に絶望的に訳の解らない状況を受け入れざるを得ない
     グレゴール ザムザ。一家の長男で真面目な公務員で家族と信頼の絆で
     結ばれていたはずのザムザ。しかし「変身」した彼は最も信頼厚い家族に
     とって疎まれ忌み嫌われストレスの元凶でしかなかった。



                        大作家というのは本当に凄い。ね。カフカの名作「変身」に解釈の
     必要なんて全く必要ないから。例えば「アル中に陥った義理の息子が
     毒虫のように忌み嫌われその死を歓迎される」という、ある「現実」を
     そのまま当てはめると「な~んだ、そういうお話だったんだ!」と
     すんなり納得できる。もちろんうちの病院のおばあちゃんちのパターン。
     グレゴールは別にアル中の息子である必要はない。世界中の家庭に
     存在する「忌み嫌われ」る人間の代表だ。愛情に育まれ生まれ来た
     生命が全て愛情に満ちた生涯を送る訳ではないのだ。カフカはラストの
     シーンでぐっと背伸びをする美しく育った妹の姿に作品全体のアイロニーを
     全て投影する。

                        そして綾ちゃんの目の前にはその「美しく伸びをする妹」の姿と
     おばあちゃんがダブって見えた。



                        おばあちゃんは何度も繰り返し"erlöst "という言葉を使った。
     これは宗教的な意味合いの単語だ。この言葉は単に
     「救われた(gerettet)」のではなく「神によって」「魂」の「救済」が
     行われたということだ。





                                 2009 07 17 Tölzer Knabenchor Teil 1A 

                                Motetten Felix Mendelssohn Bartholdy

         綾ちゃんにとって魂の救済はこんな音楽。
         手前味噌で古い画像ですが最前列の左から三番目が
         うちの長男。まだ幼く可愛かった。

   

2014年11月2日日曜日

フランツ カフカ 「変身」  ラスト








                   それから三人はそろって住居を出た。もう何カ月もなかったことだ。
               それから電車で郊外へ出た。彼ら三人しか客が乗っていない電車には、
               暖かい陽がふり注いでいた。三人は座席にゆっくりともたれながら、
              未来の見込みをあれこれと相談し合った。そして、これから先のことも
              よく考えてみるとけっして悪くはないということがわかった。というのは、
              三人の仕事は、ほんとうはそれらについておたがいにたずね合ったことは
              全然なかったのだが、まったく恵まれたものであり、ことにこれからあと
              大いに有望なものだった。状態をさしあたりもっとも大幅に改善することは、
              むろん住居を変えることによってできるにちがいなかった。彼らは、
              グレゴールが探し出した現在の住居よりももっと狭くて家賃の安い、
              しかしもっといい場所にある、そしてもっと実用的な住居をもとうと思った。
    こんな話をしているあいだに、ザムザ夫妻はだんだんと元気になっていく娘を
    ながめながら、頬の色もあおざめたほどのあらゆる心労にもかかわらず、彼女が
    最近ではめっきりと美しくふくよかな娘になっていた、ということにほとんど
    同時に気づいたのだった。いよいよ無口になりながら、そしてほとんど
    無意識のうちに視線でたがいに相手の気持をわかり合いながら、りっぱな
    おむこさんを彼女のために探してやることを考えていた。目的地の停留場で
    娘がまっさきに立ち上がって、その若々しい身体をぐっとのばしたとき、
    老夫妻にはそれが自分たちの新しい夢と善意とを裏書きするもののように
    思われた。(原田義人訳)


              フランツ カフカ 「変身」より抜粋
     




        

2014年11月1日土曜日

身内の死を喜べるほどの地獄





    おばあちゃんの義理の息子は急性アルコール中毒による突然死だった。



                 『アル中の息子は昨日も朝から浴びるように酒を飲んでいて我々が
    気がついたときにはもう冷たくなっていたのです。彼はキリスト教信者では
    ありませんでした。ですからお葬式はしません。荼毘に伏して遺骨を葬る
    業者にお任せすることにしました。これで全ておしまいです。
    やっと我々は救われたのです。』
                  


                        穏やかに、しかし決然といい放つおばあちゃん。まあ、ストレスの
     元凶であるところの義理の息子が突然死んじゃった訳だから豈に計らんや
     というところだ。が、そんなにロコツに喜べるものなんだ。
     こっちとしてはかなりフクザツ。どうコメントすりゃあいいんだ?



                       この静かな深い歓び、アイロニーに富んだ「歓迎さるべき死」を
      綾ちゃんはどこかで識っている、何だったっけ?と必死で考えて
      不意に思い出した。



                        カフカだ。カフカの「変身」のラストシーンだ。





         

キャロライン リーフの砂絵
グレゴール ザムザ