ドクター、さっと自分の部屋に駆け込むや数分後に処方を二枚
綾ちゃんに手渡した。
『これを煎じて10日間飲みなさい。もうひとつはうがい薬。
煎じてお酢を混ぜて使いなさい。』
ええええ~??綾ちゃんの抜歯は6日後だってばあ。10日も
お薬飲んでられないよ。
そう、綾ちゃんは気がついている。ここに勤め始めて早や二年と半年。
仕事一筋のドクターは里帰りの時以外に「平日」を休みにすることはない。
昼休みも在ってなきがごときもので、うちらにとって、休憩時間とは即ち
患者が(たまたま)いないときを指す言葉であって計画的なフリーの時間など
そもそもない。つまり、綾ちゃんはドクターが前もってアポを取らなければ
ならない歯医者の予約などというものを入れているのをスケジュール表に
見たことが無いのだ。それはとりもなおさず彼が歯医者通いというものを
してはいないということを意味しているううう??
決して本人に言えないが、いや、考えるのも恐ろしいことだが
おそらくドクター、歯医者というものに行ったこと無いんじゃない
おそらくドクター、歯医者というものに行ったこと無いんじゃない
だろうか?少なくともここで診療所を開いてから。
中華食材店で抹茶を発見。
中国茶抹茶??
2、50ユーロ???
安すぎるでしょう。
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