2015年3月30日月曜日

ハーブティーだと考えるとアバウトでもいいような気がする





       例えば大棗(だいそう=なつめ)は重要な生薬のひとつ
      なんだけど




            

ご覧の通り、ひとつひとつ結構大きい。


これを処方通りに5グラムとか9グラムとか
量ってぴったりにするためにナイフで三分の一とかに
切り分けるのはナンセンスだ。


綾ちゃんは大抵大きいのと小さいのを前もって選り分けといて
それらを組み合わせて等分に入れる。
大一個と小一個とかね。




生姜なんかもそうで風邪気味の時とか普通に生姜湯なんて
飲むことを考えるとグラム数が1グラム違ったからって
全体のバランスが大きく崩れるとか考えにくい。



ハーブティーだと考えるとさほど目を血眼にして
0.1グラムにまでこだわる必要はないんじゃないかと
思えるしこれは真実なのだと思う。





2015年3月28日土曜日

生薬の形状はすごく考えて作られている。




                         フリーハンドで計量できるなんて偉そうなこと言ってみた
      綾ちゃんだけど、それはある意味当たり前のことで多分、誰にでも
      出来ることなんだ。というより出来るようになっている。




                           例えば茯苓(ぶくりょう)などは四角に刻んで乾燥してある状態だけど、
      ウマイ具合に一粒0.1グラム位に揃っているのであとちょっとだけ
      足りない、又は多すぎる時なんてひょいと一、二粒足したり引いたりで
      オーケー。他のものも多くの根もの、茎のものが同状になっている。



             


使い勝手のいいように生産されている訳です。




                            

2015年3月27日金曜日

アバウトの真実?



                       そんな風にやり方を教わってゆっくりでもいいなら綾ちゃんでも
                     漢方薬の調合を任せてもらえるようになった。もちろんちょっとでも
                     不安材料があればドクターや奥様のところにすっ飛んで行く。
                     重大な任務だということは意識しているつもりじゃ。



                       そうこうするうち、フリーハンドの謎が解けてきた。目分量、
                     手分量(?)というのは実はかなり「アテになる」もので毎日この作業を
                     行っているとわざわざ量らなくてもまず正しいグラム数を手の感覚で
                    当てることができる。


                        言われてみれば綾ちゃん、昔、会社務め時代、郵便物の切手を貼る時、
                     封筒を量らなくても正しい切手を全部言い当てることができた。
                     感覚の慣れなどすぐに身に付くものなんだ。「切手くださーい!」と
                     やって来る同僚に不信感を与えないためだけに「一応のパフォーマンスと
                     して」計量計を使っていたっけ。郵便局の受付の人なんて御客さんから
                     郵便物を預かった瞬間、実は切手代がいくらかかるかなんてもう分かって
                     いるんだろうな。




                        とはいえ、綾ちゃんは毎度毎度かならず生薬を量っています。
                     責任あるお仕事ですし若輩者でもありますから。慢心は禁物です。はい。




                                         


                                       
                                                     
                                           

2015年3月25日水曜日

どんぶり勘定

  


     『生薬を取りだしたらこんな風にして量るんです。』




                  ほほう。この貝のようなさじ、一体どんな用途にするんだろうって
    以前から考えていたんだ。



ところがこれは全然スタンダードの生薬用さじではなかった。



                   漢方薬の生薬ってひらひらの葉っぱあり、ごつごつの根っこあり木の実とか
    妙なねっとり系とか多種多様ですくいにくいものも少なくない。
    でもこれだと中々具合いいぞ。



                    これって中国ではスタンダードの生薬専用の匙?またしても
    ここでGoogle検索してみると、、、






                                  全然違うし全然関係無いみたい?!?


      仕方ない。この問題は放っておこう。


                           『急ぐ時にはこんな風に量るんです。』





                           って、はああ?ふ、フリーハンド??ちょっとお、そんなええ加減な
     ことでいいのか?厳格で真面目なドイツ人は5gと書いてあれば5.1も4.9も
     許さない人たちなんだから!こ、この実態を知ったらショックを受けるぞ!




                      でも待てよ。綾ちゃん、ドクターの出してくれたお薬が効かなかった
    事ってこれまであったっけ?






      いや、ない。つまり、、、結果よければすべてよし、、で



           こ、これでいいのか??
      





2015年3月24日火曜日

今日は何の日?三本のバラの日





今日は綾ちゃん記念日でドクターに3本のバラの花を
贈りましたー!




綾ちゃん、ここにお勤めを始めてから3年が過ぎたのです。
これから4周目に入ろうとしています。



もう、駆け出しだなんて言ってられないなあ。
まだまだ中医学のこと何にもわかってないのにお恥ずかしい限りです。



でも初心忘るるべからず。



頑張っていきます。









2015年3月22日日曜日

戸棚から正しい薬を見つける





        戸棚から正しいお薬を見つけるだけで大往生。





      中国語で書かれた生薬にアルファベット頭文字を打って
     もらってそれを捜す。見つけたらドクターに手渡して正しいか
     見てもらう。交換に今、ドクターが使い終わった生薬を元の棚に
     戻す。棚を開けっ放しにしているのでこちらは見つけやすい。



      処方箋の漢字と棚の表記が違うこともあり、いちいち確認を
     とることもしばしば。地黄なんていうのは生地、塾地、乾地黄と
     分かれていて生地、と書かれていてもこれが地黄を指していることが
     わからない。




              

                    地黄



             

でも生薬はこんな感じ。煎じ薬の中で発見すると
かなりグロテスク。



これ、綾ちゃんでさえグロテスクだと思うから
ドイツ人が絶対抵抗強いだろうなあ。味もすごいし。






2015年3月21日土曜日

中国語って漢字を音読みしたものじゃなかったんだ!

      


        ドクターのヘルプで薬品庫に入った。(2年近く前の話です。)




                生薬は普通2日分をひとまとまりにして5袋、つまり10日分出す。袋を
   用意して、処方に従って戸棚から一つずつお薬を取り出す訳だけど、この
   仕事を綾ちゃん、仰せつかった。生薬とアルファベットの対応一覧表を
   渡されて一生懸命見比べる。




                 う~ん。中国語って漢字を音読みにしたのとは随分違うんだ!(←当たり前。
   でも漫画とかドラマではみんなカタカナ読みのいい加減ななんちゃってチャイ
   ニーズ喋ってるじゃないか!)



                同じ漢字をアタマに持つ薬草は全部同じ音で始まるからすぐに覚えれる。
   (きっと。)例えば白。唐代の詩人李白は「リーバイ」とドクターが発音してた
   から白は「Bai」、つまりbで始まるんだな。




お友達のかえさんとランチをしました。
アフガニスタン料理やさん。初めてです。


エスニックリゾット
コリアンダーが効いてた。
ヴェジタリアンメニューでしたがこってりでした。



2015年3月20日金曜日

ハグはやめて





                        結果から言うとO.K.なんだけどね。ただし、綾ちゃんはこの仕事を
     始めた当初はよくわかっていなかった。




                        ある日のこと、仕事がピークに差し掛かって来た頃、例によって
     お薬の調合がもたもたして間に合わなくなってしまいそうだった。
     患者さんには出来るだけ早くお薬を渡してあげた方がいいに
     決まっている。勇気を出して言い出してみた。




                     『あ、あの、私でも何かお役にたてないでしょうか?どんな風に
     調合するのか見せてもらえば、そのお手伝い位は出来るんじゃないかと
     思うんですけど。』



               その次の瞬間、綾ちゃんは「殺気」を感じた。いや、間違えた。
      殺気じゃなくて、でも危険信号だ。ドクターの目が一瞬、ぽやーっと
      ハートに変わったのだ。




                         『いやあ、もちろんだよ!素晴らしい!』




            と、両手を広げてこっちにどすどすやって来るので慌てて綾ちゃん逃げた。




                                   ハグはやめて。綾ちゃん苦手なの。




お花畑のつもり


写真を撮り忘れましたが
チョコフォンデュやりました。


チョコフォンデュって子供のテンションがめちゃ上がります。



2015年3月19日木曜日

漢方薬の調合に綾ちゃんが参加してもいいの?


                     漢方薬の調合は綾ちゃんの大切なお仕事のひとつだ。

                     綾ちゃんの前任のカリンさん(仮名)はこの仕事をやっていなかった。
    ドクターは処方を全て中国語で書くためドイツ人の彼女には無理だったのだ。


     うちの薬品庫の棚は中国語とその表記をアルファベットで書いた文字が
    両方並んでいてABC順に並んでいる。陳皮Chenpi(チェンピ 
    温州みかんの皮)、人参Ginseng(ギンゼン 朝鮮人参)といった具合だ。


     このくらいならワケないんだけど、百以上ある棚に取り囲まれた
    薬品棚は最初の頃綾ちゃんにとってもちんぷんかんぷんでとにかく
    まあこの仕事は綾ちゃんには無理だなと静観していた。


          1年くらい。



     というより漢方薬の処方に関する仕事の流れが上手く把握できなかった
    という事情もある。


     ドクターが患者さんの診断を終えて(問診、舌診、脈診その他)から
    処方を専用のメモ用紙に記す。この時処方の手引き(ヨーロッパの専門用語
    ではレパートリーという)として幾つかの文献を使う。どのケースでどの
    文献を使うのかの判断基準はいまだもって綾ちゃんには不明だ。パソコンに
    ダウンロードしている文献を使用することもある。例えば本草網目とかの
    古典をズバリオリジナルダウンロードから引き抜くこともままあり
    または本から処方を引き抜いた後、ドクターが自分のオリジナルで一部
    加筆、訂正をしたりすることも多い。いづれにせよ全て中国語
    (または漢文)の世界だ。



     でもだんだん、病院が戦争状態でチョー多忙な時に




       『綾ちゃんもこの仕事ができたら戦力になるだろうになあ。』




     と思うようになってきた。薬品庫も見慣れてくると日本にいた頃から
    聞き慣れていた薬草が多いことにだんだん気がついてきた。桂皮(ケイヒ)
    とか杜仲(トチュウ)とか。
    正体を知ればなあんだって思うようなものもある。大棗(ダイソウ=なつめ)
    とか山葯(サンヤク=山芋)とかね。綾ちゃんもこの仕事、やれるんじゃ
    ないのかなあ?ただし、、、。



     法律的にやってもいいのかは別問題だった。





お花を並べて何をするかと思いきや、、


今日はお客さんを呼んでパーテイーです。
ごちそういっぱい作りました。



2015年3月18日水曜日

ミュンヘンで語る?福岡の歴史

             


        バイエルン独日協会の主催で講演会に行ってきました。



        同郷のお友だち、あすかさんも一緒です。出身大も一緒なんだ。







                          S ホルスト准教授(福岡女子大学)
                           『アジアの門戸としての福岡』




                 ホルスト先生のお噂はかねがね聞いていましたがお会いするのは初めて!
   綾ちゃんがドイツに住むようになってから先生は福岡にいらっしゃったのですね。



                  ミュンヘン中心部のマリエン広場にある会場に集まった聴衆はドイツ人、
    日本人。日本人がやや多いかな?このタイトルで集まった方々だから福岡が
    どこに位置しているか知らないなんて人はいないよね。



                    だけど綾ちゃんの故郷、福岡(市)は世界的にはマイナー都市だから
    普通の人は名前も聞いたことない。病院でしょっちゅう出身を訊かれるけど
    日本に詳しい人しか知らない都市です。


     しかーし、内容はおっとびっくりコアなものでした。

高取焼の説明


金印の説明



親睦会であすかさん、独日協会の方(ドイツ人)、ホルスト先生



2015年3月17日火曜日

大きくおなり

                    


      苦労して餌を取り除きはしたものの水槽の水の汚れはただ事ではなく
     沼地に住む魚のごとき可哀想な風景になってしまった。(それで
     写真をアップできないでいる)




                      水槽って元々お魚の泳ぐ様子とか見て心和ませるためにあるんだよね。
     患者さん来るたびに水槽を見て、あらあら、お水替えなくっちゃとか
     あるいは水槽から目を背けてみたりと、いやはや、訪れる人に心配の種を
     植え付け不安にさせる光景って、ここどんな病院なんじゃ!?



                         でもすぐにはお水の入れ換え出来ないし、いずれにせよ少しずつしか
     水は替えられないし。大丈夫かな?



                          りんちゃんがクビになった後、ドクターは元々の掃除婦の人に電話を
      かけて、毎日でなくて良いのでこれる日だけでもうちに来てくれる
      ように説得した。彼女は自宅で魚を飼っているらしい。彼女が
      来てくれるまであと3日はある。仕方ない、待つしかないか。



                           一週間後、水槽の水は随分透明度があがった。ほっと一息。餌も
      最初は正体がわからなかったようだがすぐに覚えて綾ちゃんが餌やりを
      始めると我先に寄って来るようになった。かーわいー!!


                             ただ、鯉ってものすごい勢いで大きくなる。ちいちゃかったのに
      元々の体長の1/3分くらい大人数になったんじゃないだろうか?
      それとも餌のやり過ぎ?成長期?

                              そのうちがががんと大きくなって水槽に収まりきれず外に
      (誰かのお庭?)に放す日が来るかも?
   


綾ちゃんちの玄関です。
パンジーを買って並べてみた。

2015年3月15日日曜日

二度手間

                        




      水槽に漂う異常な量の餌を取り除く任務を仰せつかった綾ちゃん。
     えっと、網とか無いのかな?金魚すくいみたいなの。備え付けの
     引き出しを漁る。ものすごく大きな網を発見するも(生け簀屋さんとかで
     鯛とか捕まえそうなやつ)ボツ。こんなの間違ってお魚さん傷つけちゃうよ。
     大体何でこんなのあるのか?さっぱり理解不能じゃないか?


                                 やっぱここは茶漉しだな。



                         台所には茶漉しが3つある。そのうちのひとつは古くって
     変色しちゃったりしてるから、棄てるつもりでもらってもいいよね。
     綾ちゃん台所に行ってお料理のマイさん(仮名 ドイツ語出来ない)に
     身振り手振りを交えて事態を説明する。



     
                     椅子をよいしょと持ってきて踏み台代わりにして水槽の蓋を全開、
    さあ始めるかあ、と腕を構えた瞬間、マイさんが突如として血相を変えて
    やって来てなんだか怒っている。



                          『ナイン!ダス、エッセン!!(ダメ!ソレ、タベモノ!!)』




                      調理用器具を水槽に使うなと怒っているらしい。そっか。さっきの
    綾ちゃんの説明、わかってなかったんだ。ものすごく易しい単語を使って
    コミュニケートしたつもりだったんだけどな。うー、がっかり。



                     綾ちゃんしぶしぶ台所へ引き返し、プラスチック製の使い捨てスプーンと
    取り替える。




                     と、そこに今度はまたしてもドクター登場。舞台か、ここは!



                          『フラウ ヨシオカ、何やってるんだ!それじゃあラチがあかん
        じゃないか。こういうときは、、、。』



                      台所へ飛び込んだドクター、マイさんと二言、三言話して、
    「あの」茶漉しを持って来た。あーあ。



                   『いいかね、この茶漉しはこれをもって水槽専用とする。
         飲食用には今後使用しないこと。』



                      当ったり前じゃあないかあ!っとは綾ちゃんは怒らない。私はオ・ト・ナ。



                                           ちっ。



                           もう、何でもいいから早く仕事に取りかからせて。




うちもこんな風にしようかなあ。


2015年3月14日土曜日

後始末

                


             1分経過。2分経過。



                   興味本位につつく魚はいるが真面目に(?)食べようとする子はいない。
    というより一度口に入れても大き過ぎるのかペロンと吐き出してしまう。


                          絶対間違ってる!絶対!ぜーったい!



                  いやいや、そんなことより問題はこのままじゃ水が汚れる。お魚さん、
    死んじゃうよ!


                 えーと、何とか説得しなくっちゃ。綾ちゃんはGoogle検索で鯉の餌、適量と
   入れる。あった、あった。鯉の餌の量。なになに?量は全体重の2~4%?
   ここには体長別おおよその体重(グラム数)も載っている。そうそう、これだよ、
   これ。最初からここ見て予習すりゃあよかったんだ。



                   綾ちゃんの計算結果では多くて(夏場など)14グラムとなった。薬品庫の
    計量計を持ってきて餌を測ると、16粒!!い、今、一体何粒入れたっけ?
    百粒以上あったぞ、絶対!


                    綾ちゃん、ドクターを呼んできて説得を試みる。って、説得以前に
    この奇っ怪な暗黒城と化した水槽を見れば一目瞭然!ドクターは再び
    水槽を見て、なにかしらとんでもない事態になったことに突然気づいた様子。



                         『フラウ ヨシオカ、上に浮いてる餌を取り除いて下さいね。』



                  って、アンター!!許さーん!!


                        因みにこれらの出来事は全て通常業務をこなしながら同時進行で
     行われている訳です。だからいちいち綾ちゃんは余計な業務が増えて
     もう、アタマからぶもーっと湯けむりが出ている状態な訳です。




近所のお庭 奥に雪が見えてる


2015年3月12日木曜日

正しい餌の量は?




                     『え~と、ハサミ、ハサミ、と。これ、これ。このカップに
     ここまで入れて、、、。』




                    ドクターはおもむろに計量カップを取りだし7~8分目(!)のところに
    (サインペンで印がついている)合わせて中身をふるい入れようとした。



                    とてもイヤーな予感がした綾ちゃんは



                       『まままま待って、お待ちください!先ずは小瓶に取り分け
      ましょうか?』


                      と時間稼ぎにでて棚の収納に適した瓶を探してきた。米俵、いや、
     餌俵からいくつかの瓶に移し変えながら順番に質問をした。本当に
     餌の量はそれで正しいのかと。

                        『昨日、ペットショップの店員さんがこの量だとおっしゃったんだ。
      因みにこれは鯉のためだけの餌だから金魚たちにはいつものように
      普段の餌を与えないといけないよ!』



                         綾ちゃんにはどうしても信じられない。計量カップほぼ一杯の量は
     お魚丸々一尾分以上の「嵩」があると思う。いくらなんでも大量に
     過ぎるよ。お魚ちゃん、また、死んじゃうよ!!



                           綾ちゃんが必死で、どうやったらドクターを説得出来るだろうかと
     思案を始める間もなく、、、ああ、ああ、やっちゃったよ、この人は。
     餌をどばっとばらまいちゃった。



                                ・・・・・・・・・



                           ばらまかれた固形物は水槽に浮かぶと思ったより遥かに
      ものすごい量で一気に暗雲が立ち込めたかのごとく水槽内の光を奪った。
      何よりも魚たちは食いついてこない。無視、ムシしてる。無反応?
      アリか!?

                                  いや、まずいでしょ、これ。





     辻井伸行・作曲・演奏「それでも、生きていく」
       (東日本大震災の被災者に捧ぐ!)2013 Nobuyuki tsujii

           今日の日を忘れない。忘れられない。    




2015年3月11日水曜日

鯉の餌



                      また仲間が増えた。



                お買い物好き(!)のドクターが後続隊の魚を買ってきたのだ。





                              鯉、コイ、KOIFISCH。これは画像検索の鯉です。




                  ドイツでもコイフィッシュと言えばああ、あれね、っと誰もが思い浮かべる
    ことが出来るほど有名な魚らしい。でもあれってお庭の池で飼うもので
    水槽に入れる種類じゃないでしょう?患者さんは皆、口々にそうおっしゃる。




     大丈夫、小さい種類の鯉を買うから。ドクターはいつもそうお答えに
    なっていた。ドクターは着々とご自分の思い描く病院を作り上げていって
    いる、、、らしい。なにせこの発言を最初に聞いたのは綾ちゃんが
    働き始めて間もない頃だったし、度々口にしてらしたから。今に台所を
    改造して患者さんにお昼ごはんを振舞いたいとかロビーの真ん中に
    水槽を買って鯉を買うとか。
    綾ちゃんはその度に、おいおいどうするんだ、と思っていたが
    はたと気がつけばいつの間にやらあれもこれも実現しているではないか。




     今回、本当に小さい魚を買ってきた。金魚ちゃん達よりひとまわり
    大きい程度。


     いやん、可愛い。ええと、じゃ、綾ちゃんがいつものように餌を
    あげていいのね。水槽の棚をごそごそ始めた綾ちゃんに向かってドクターが



        『鯉の餌はね、専用のものでなければいけないんだ。
        これをあげなさい。』




     といって20kgはあろうかという米俵のような袋をえいさほいさと
    持ってきた。



     で、どうすんの?これをやれって?ちょっとちょっとお魚ちゃんたち
    大丈夫かな?






                  

2015年3月8日日曜日

これだけでいい


                      今回の拉致事件でまたしても大きな問題提起がなされた。
     心に引っ掛かる棘のようなものだ。
                        とモヤモヤしていたら武田先生がまたしてもナイスなコメントを
     出していた。もはや綾ちゃん信者だな。是非紹介しよう。



       

    「日本は日本国憲法の思想に戻り、世界に憲法の思想と私たち日本人の信念を訴えるチャンス」と言える。「悲劇の連鎖=小さな悲劇がだんだん、大きくなり、恨みも増え、さらに大量の悲劇を生む」を断ち切り、悲劇の根元を根絶することこそ、今回の悲劇の犠牲者に対する私たちの責務である。   
   憲法は前文で「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」と述べ、本文で「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とある。
この全文と本文をそのまま素直に読んで、その通りの行動をすることが求められていると思う。つまり、第一に「戦争や武力による威嚇は永久に放棄する」ということであり、それを「国際社会に訴えて名誉ある地位を占める」ということだ。
イラクとシリアの混乱は、フランスが1920年に武力でシリアを植民地にしたのに始まり、それから継続して欧米の武力の下でイラクとシリアは「隷従と圧迫」を強いられてきた。そして近年のイラク戦争では、アメリカが国連決議にも反し、ウソの開戦理由(大量破壊兵器の存在)を構えて戦争を行い、残念ながら日本も自衛隊を派遣した。
さらに昨年にはアメリカ空軍がほぼ地球の裏側までいって、イスラム国を空爆し6000人を殺害した。もちろんイラク戦争でも昨年の爆撃でも多数の民間人が犠牲になっている。
このような「恨みの連鎖」こそが戦争拡大、生命喪失に繋がるからこそ、武力による威嚇と行使を放棄したのである。この精神は、他国が武力を使っているとき、双方に非協力的な態度をとるということであり、それを世界に向かって高らかに宣言するのに絶好の機会である。
欧米の思想は「自らが「正義」を決め、その正義と反するものは武力で成敗する」ということだが、まさにその思想によって私たちの父母は戦地や国土で命を落としたのである。戦争当時、日本人もまた「みずから正しいと思えば武力に訴えても良い」と考えた。もちろん軍部だけではなく、それは現在でも続いていて、時として「イスラムは悪いから武力で罰しても良い。アメリカに協力する。」という考えが日本の大勢だと思う。
しかし、それでは永久に平和は来ないし、今回のような犠牲をなくすこともできない。それこそが憲法の精神である。憲法に立ち返ろう!


                       




春の訪れ 野生のスズラン
近所のお庭に自生していた



2015年3月5日木曜日

どこにも正義なんてない

               


        『ヨシオカさんって日本人なんですよね。お名前でそう思いました。
     この間、シリアで二人の日本人が殺されたでしょう?お痛わしい話です。』





                    治療の終わったあと、お昼をご一緒するチャンスに恵まれた。彼女は
    シリアから難民としてやって来て苦学してドイツの大学に入り弁護士に
    なられた方だった。同じく弁護士のご主人(ドイツ人)と事務所を構えて
    いらっしゃる。



                   ちょうどその頃ドイツの新聞一面を飾っている世界情勢は主に
    ウクライナ問題でメルケル首相の姿が連日紙面をにぎわせていた。
    その合間合間にシリア過激派情報が飛び交うといった感じだ。
    日本人拉致事件はドイツのメディアにとっては一瞬のトピックだった。
    ほどなく公開されたヨルダン人パイロット火刑報道が人々を震撼させた
    からだ。



                       『でもね、アメリカは訳も分からず介入してきてヨルダンと連合して
      3000人以上殺戮を行っているでしょう?過激派のやっている残酷な
      ネット公開処刑は最悪だけれど人間一人一人の生命という観点から
      みるとどこにも正義なんてないのよね。ISILがアメリカから資金援助を
      受けているという情報もあるし。』



                    うん、その記事は綾ちゃんも読んだ。真偽の程は定かではないとは言え。
    まあ、いずれにせよ真相はわからない。



                       『日本の首相がテロ憎しってやってるのも憎悪の気持ちを助長させて
      軍事に舵を取るアメリカのやり方になんだか似てるし。』




                    そうそう、そこ、それ。綾ちゃんは相づちを打つ。復讐、復讐の連鎖では
    どこまで行っても出口がない。



       軍需産業で潤う者たちだけが利を得る。それだけが真実か。





うちの町のたった一件のアイス屋さん。
出稼ぎご主人がイタリアからやってきた!
綾ちゃんの住む町に春の訪れ




2015年3月4日水曜日

事件後ドイツ人はより関心を示したか?




                  明けて月曜日。(ところでコンクールは無事一位入賞州大会進出でした。
   一位といっても順位的には2番手でしたが。)


                   ドイツのメディアは今回の日本人拉致事件の顛末を取り上げている
    ようだった。が日本のように一面扱いというわけではない。


                     意外にも、ドイツでは日本のニュースが結構流れている。一番多いのは
    原発関連。放射能問題は世界規模の問題だし特にミュンヘンはチェルノブイリ
    事故の際、遠方にも関わらず多大な被害を被った都市だ。皆、並々ならぬ
    関心を示している。あと、皇室トピックとかサッカーで日本人プレイヤーが
    活躍しても駅のホームの大画面に香川や長谷部の大アップで流れることがある。


                     地下鉄のホームの大画面にはその日のニュースダイジェストが流れて
    ひととおりのニュースを見れるからすごく便利だけど、この日(おそらく、
    だけど)日本人拉致事件の顛末は流れていなかったように思う。



     でも新聞報道はかなり大問題として日本人拉致事件を取り上げていた。
    おそらくテレビでも。ドイツ人で普通にニュースを見ている人たちの
    知るところとなった。(ドクターは知らなかった、というより綾ちゃんが
    前々週に概要を教えちゃったからね。)



     そこに新患の方でシリア出身の女性がやってきた。弁護士さんだって。



     もちろん綾ちゃんは彼女にこの件をどう思うか尋ねてみた。



         

今日はひな祭り
うちは男の子だから何にもしなかったけど。



2015年3月3日火曜日

放蕩息子は許される

          


            生命は助けられねばならない。




             身代金を支払えば敵の財源を豊かにするだけだとかそもそも自分の好き勝手で
  危険区に入り捕まったのだから助けなくていいなどという理屈はもはや
  成り立たない。前回の記事と矛盾するように聞こえるかもしれないが、「こと」が
  起こってしまったならばもはや議論の余地はない。生命の助かる方法があるのなら
  無益な血が流されてはいけない。父も母も子供を赦す。赦さずにはいられない。
  たとえどれ程愚かしい所業をした放蕩息子であったとしても。生命は常に尊く
  扱われるべきものなのだ。親と子の関係に立てばそれは一目瞭然だと思う。




               そして身代金(となる条件)を外交カードとして「政府(首相)」に突き付けた、
  ということは日本国という組織を大きな意味で「家庭」を延長した単位と
  捉えていることを示している。



                今回は結果的に全てが上手く運ばなかったようだが、全てが結果と
  なってしまった今、そのことで私は誰も責める気にはならない。現場の空気を
  部外者の我々に語る権利がないと思うからだ。



              生殺与奪の権利を手にした者は恐ろしい。犯罪の頂点。もうここに
  たどりついた者にはいかなる議論も通用しない。殺戮の権利は神たる権利を
  手にした充足感を与えることだろう。


                     今、我々は何をすべきなんだろう。



太巻きはエビやシャケのてんぷら巻き
アボカド、卵焼きその他お野菜も入れて
豪華だけど見た目はイマイチ。
美味しかったけどまた挑戦!します。