『え~と、ハサミ、ハサミ、と。これ、これ。このカップに
ここまで入れて、、、。』
ドクターはおもむろに計量カップを取りだし7~8分目(!)のところに
(サインペンで印がついている)合わせて中身をふるい入れようとした。
とてもイヤーな予感がした綾ちゃんは
『まままま待って、お待ちください!先ずは小瓶に取り分け
ましょうか?』
と時間稼ぎにでて棚の収納に適した瓶を探してきた。米俵、いや、
餌俵からいくつかの瓶に移し変えながら順番に質問をした。本当に
餌の量はそれで正しいのかと。
『昨日、ペットショップの店員さんがこの量だとおっしゃったんだ。
因みにこれは鯉のためだけの餌だから金魚たちにはいつものように
普段の餌を与えないといけないよ!』
綾ちゃんにはどうしても信じられない。計量カップほぼ一杯の量は
お魚丸々一尾分以上の「嵩」があると思う。いくらなんでも大量に
過ぎるよ。お魚ちゃん、また、死んじゃうよ!!
綾ちゃんが必死で、どうやったらドクターを説得出来るだろうかと
思案を始める間もなく、、、ああ、ああ、やっちゃったよ、この人は。
餌をどばっとばらまいちゃった。
・・・・・・・・・
ばらまかれた固形物は水槽に浮かぶと思ったより遥かに
ものすごい量で一気に暗雲が立ち込めたかのごとく水槽内の光を奪った。
何よりも魚たちは食いついてこない。無視、ムシしてる。無反応?
アリか!?
いや、まずいでしょ、これ。
辻井伸行・作曲・演奏「それでも、生きていく」
(東日本大震災の被災者に捧ぐ!)2013 Nobuyuki tsujii
今日の日を忘れない。忘れられない。
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