2015年3月19日木曜日

漢方薬の調合に綾ちゃんが参加してもいいの?


                     漢方薬の調合は綾ちゃんの大切なお仕事のひとつだ。

                     綾ちゃんの前任のカリンさん(仮名)はこの仕事をやっていなかった。
    ドクターは処方を全て中国語で書くためドイツ人の彼女には無理だったのだ。


     うちの薬品庫の棚は中国語とその表記をアルファベットで書いた文字が
    両方並んでいてABC順に並んでいる。陳皮Chenpi(チェンピ 
    温州みかんの皮)、人参Ginseng(ギンゼン 朝鮮人参)といった具合だ。


     このくらいならワケないんだけど、百以上ある棚に取り囲まれた
    薬品棚は最初の頃綾ちゃんにとってもちんぷんかんぷんでとにかく
    まあこの仕事は綾ちゃんには無理だなと静観していた。


          1年くらい。



     というより漢方薬の処方に関する仕事の流れが上手く把握できなかった
    という事情もある。


     ドクターが患者さんの診断を終えて(問診、舌診、脈診その他)から
    処方を専用のメモ用紙に記す。この時処方の手引き(ヨーロッパの専門用語
    ではレパートリーという)として幾つかの文献を使う。どのケースでどの
    文献を使うのかの判断基準はいまだもって綾ちゃんには不明だ。パソコンに
    ダウンロードしている文献を使用することもある。例えば本草網目とかの
    古典をズバリオリジナルダウンロードから引き抜くこともままあり
    または本から処方を引き抜いた後、ドクターが自分のオリジナルで一部
    加筆、訂正をしたりすることも多い。いづれにせよ全て中国語
    (または漢文)の世界だ。



     でもだんだん、病院が戦争状態でチョー多忙な時に




       『綾ちゃんもこの仕事ができたら戦力になるだろうになあ。』




     と思うようになってきた。薬品庫も見慣れてくると日本にいた頃から
    聞き慣れていた薬草が多いことにだんだん気がついてきた。桂皮(ケイヒ)
    とか杜仲(トチュウ)とか。
    正体を知ればなあんだって思うようなものもある。大棗(ダイソウ=なつめ)
    とか山葯(サンヤク=山芋)とかね。綾ちゃんもこの仕事、やれるんじゃ
    ないのかなあ?ただし、、、。



     法律的にやってもいいのかは別問題だった。





お花を並べて何をするかと思いきや、、


今日はお客さんを呼んでパーテイーです。
ごちそういっぱい作りました。



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