そんな風にやり方を教わってゆっくりでもいいなら綾ちゃんでも
漢方薬の調合を任せてもらえるようになった。もちろんちょっとでも
不安材料があればドクターや奥様のところにすっ飛んで行く。
重大な任務だということは意識しているつもりじゃ。
そうこうするうち、フリーハンドの謎が解けてきた。目分量、
手分量(?)というのは実はかなり「アテになる」もので毎日この作業を
行っているとわざわざ量らなくてもまず正しいグラム数を手の感覚で
当てることができる。
言われてみれば綾ちゃん、昔、会社務め時代、郵便物の切手を貼る時、
封筒を量らなくても正しい切手を全部言い当てることができた。
感覚の慣れなどすぐに身に付くものなんだ。「切手くださーい!」と
やって来る同僚に不信感を与えないためだけに「一応のパフォーマンスと
して」計量計を使っていたっけ。郵便局の受付の人なんて御客さんから
郵便物を預かった瞬間、実は切手代がいくらかかるかなんてもう分かって
いるんだろうな。
とはいえ、綾ちゃんは毎度毎度かならず生薬を量っています。
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