2012年11月30日金曜日
お誕生日
今日は一年に一度のお誕生日。やっぱりお仕事。お誕生日。
今日は朝、先生が花束を抱えてやって来た。
『おめでとう!フラウ ヨシオカ!」
きゃあ、嬉しい。なんだか嬉し恥ずかし。そしたら今日一番の患者さん。
ドイツ警察官の彼がまたもやプレゼントを抱えてやって来てくれた。
パソコンを開けたら福岡の姉からメールが入ってて大学時代の友人からも
お祝いメールが届いてた。
ドイツでは誕生日の当人がバースデイケーキを持ってくるならわしだ。
昨日、必死で夜なべして(!?)紅茶のシフォンケーキを作った。先生も奥様も
甘いもの苦手だしこれならいいよね。
お昼にやって来た先生の奥様はアジアショップで日本の抹茶餅を買って来てくれた。
『ごめんなさい。日本の人が誕生日に何を食べるのか見当もつかなくてこんなものしか
買えなかったの。』っておっしゃって。
午後一番の患者さんの彼女はシフォンケーキを食べて私の誕生日と知り、
即座に『それならこれを受け取って。』と老舗の高級チョコトリフの包みを差し出した。
なぜこんなものを持っているのかと尋ねたら『いつも持っているのよ。自分用よ。』
と平然と答えた。
彼女の病気は体重過多から来るひざの不調だ。120キログラムはあるからね。
それじゃあ、いつまでたっても治らないよ。
「メルヘンおばさん」ことパンツエルさんは私のためにドイツ語の誕生日の歌を
唄ってくれた。先生が鍼を刺す間も私の手を握りしめたままでずっと唄ってくれたけど
先生も一緒になって唄っちゃったから時間がかかりすぎちゃった。
メルヘンおばさんが今日最後の患者さんで時間はまだ16時20分。やった!
今日は早く帰れる!と思ってにこにこして『パンツエルさんお灸終わりました!』って
受付で報告したら先生が『申し訳ない!フラウ ヨシオカ!どうしてもあなたの施術を
受けたい患者さんからたった今電話が入って、今日はあなたの誕生日だからって説明したんだけど「10分で飛んでくるから」って言われちゃったんだ。もう一人だけ!
お願い!』と例によって泣き落としをかけられ最後の患者さんを待つ。
結局30分の残業。家庭持ちにはとても辛い30分だ。先生は私が治療室から
出て来るのを待ち構えて私に紙袋を握らせた。
『さっき行商のおばさん(あるんだ!そんなの!さすが中国人パワー!)から
買った手作り餃子だよ。肉まんもあるからね。ごめんね。残業させて。今日はこれを
家族で食べてお誕生会をしなさい。もう、今日は自分でお料理しちゃいけないよ。』
あ〜あ、いっぱい入ってる。正直、今晩どうしようと思ってたからものすごく
助かる。こんな幸せな誕生日を迎えられるなんて。
家に帰って餃子と肉まん、それから抹茶餅の誕生会。子供たちはそれぞれ
プレゼントを用意してくれていた。太郎はお小遣いをはたいてとてもきれいななペン。
二郎は念入りに描いたカードとマッサージ券。主人は週末に私と一緒にお買い物に行って
プレゼントを見繕ってくれるって。
そして子供たちは私のためにミニコンサートを開いてくれた。ヴィヴァルデイ、
サンマルテイーニ、そしてサン サーンス。心がこもっていて最高だった。
上手になったじゃない。
もう、これ以上幸せな日を思い出せないくらい一瞬一瞬が幸せで満たされた
一日だった。
みんな、ありがとう。
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