2013年3月19日火曜日

夫と妻と犬と私  ①




          私は舞台の袖にいる。




 シェイクスピアさんのおっしゃる通り、この世はまるごと舞台と同じ。




 今の職場に勤めだしてからいっそう強く思うようになった。ここは病院という
人間ドラマの舞台。私は司会進行役で傍観者。ときどき寸劇もやるけどね。



          そして神様は喜劇がお好き。



 なんでこんな事になっちゃったのか、ここ数週間、ある一家のドタバタ騒動に
うちの病院はどっぷりとはまり込んでしまっている。おかげで私は一週間の大半を
朝5時起きの寝不足状態で過ごしている。



 実はこの話を書こうと(もう、絶対書かなくちゃと)思ったのは先週の事だったのだが
つい間違えて(?)タトゥーの彼女の話を先に書いてしまった。彼女の治療は始まったばかりなのでこれからまだまだ進展があるかもしれない、しまったなあ、なんて考えていたらこれから描く一家の騒動の方がさらなる展開を見せ始めたので、おおう、今週まで
引き延ばした甲斐があったものだと(「天の配剤」に?)妙に感心してしまったりした。



 誰の事って、以前「あの世の存在を信じる彼女」に描いたガルミッシュのおばあちゃん
のお家のお話です。




 ガルミッシュのおばあちゃんが急病でうちの病院に再びやって来たのは2月の
半ばの事でした。




(つづく)

           

           ガルミッシュ•パルテンキルヒェン
           高速が渋滞していなければ車で30分かかりません。
           美しくて空気のきれいな町です。


 

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