2013年3月14日木曜日

TATOO ①



         新しい患者さんは若くてしとやかなお嬢さんだった。
       黒髪を短めのボブにまとめて身なりもすっきりまとまっている。
       いかにも良家のお嬢様風でぱっちりしたお目めがなんだか
       お人形さんみたい。もてるだろうなあ。この人。
       ミュンヒェン大学で心理学を専攻し始めたばかりなんだって。



        結婚を考えている方がいるんだけど婦人科系の障害に悩まされている。
       このままじゃ子供が出来ない。家庭を持ちたいからと受診に来た。
       あと、全身がものすごくこわばってるんだって。若いのにね。


        初診の時も2度目の時もたまたまものすごく忙しい日で
       私は他の患者さんのケアに追われて受付で彼女に挨拶を
       しただけで治療には参加しなかった。
       全部ドクターがケアした。3度目の時も似たような状況だった。
       治療のほとんどの行程を先生一人でなさったのだけど鍼を抜く
       作業だけ私がやった。5分もかからない。




私『は〜い、お時間です。鍼を抜きますね。じゃあ、頭から抜いていきま〜す。』


        上にかけていた毛布を肩からゆっくりとはずす。と、そこには
       驚くべき光景が横たわっていた。肩から背中にかけて一面の



            TATOO〜刺青〜だ。




             これは映画だけどね。こんな感じ。



(つづく)


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