2013年3月17日日曜日
TATOO ④
『ご家庭でお辛い事があったんですか?』
『いいえ、私の両親は私を愛情深く育ててくれたの。とてもいい家庭で育ったのよ。』
そう、良家のお嬢様風は見かけ倒しではないのだ。
『これまでの私の人生で2度、とても辛い事が起こったの。とても仲良しの女友達が
いてね、その子のうちでお兄さんに性的暴力を受けたの。そのお友達のお家は名家で
うちの両親もとっても信頼していたから誰にも言えなくってとてもとても辛かったの。
逃げられないまま同じ事が何度か繰り返されたわ。そして悟ったの。本当の被害者は
私じゃなくって私の親友のその子だったんだって。その子はもっと前から暴力を
受けていてそして誰にも言えなくて一人で悩んでいた。私は、彼女がお兄さんから
逃げたくって私を「生け贄」としてお兄さんに捧げたんだって知ってもっとすごい
ショックを受けたのよ。
結局私は誰にも何も打ち明けないまま色々と口実をつけてその女の子から離れたわ。
そりゃそうよね。他人なんだから彼女との縁を切ってしまえば全ておしまい。
あの子がそのあとどんな風になったか、もうその先はわからない。エリートの名家の
お兄ちゃんだからきっとあの子のご両親も取り合ってくれないだろうし、
起こってしまった事は元に戻らないし、何より当時、とてもそんな勇気は
私にはなかった。』
『あの、その事件っておいくつの時の事なんですか?』
『私が8つのときなの。そのお兄ちゃんは15歳だったわ。』
げげげげげ〜!そのお兄ちゃんって私の長男と同い年い〜!ああ、うちの子、
よもやよそさまのお嬢様とかにご迷惑なんておかけしてないでしょうねえ!!!
(つづく)
げげげつながり(?)で鬼太郎の図。本文の内容が重いのでちょっと気安め(?)の
つもり。ちなみに私の19歳の時のあだ名は「一反木綿」だった。
(それほど痩せていた。今は見る影もないが。)うちの長男は「ねずみ男」に
似ていると思う。
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